さて、ここでは私が感じたアゼルバイジャンの首都バクーでの生活のメリットとデメリットを紹介したいと思います。
いざ移住をしてみた後に「こんなはずではなかった」とならないためにも、デメリットもしっかりお伝えしたいと思います。デメリットがあまりに大きいと思われる場合は、他の移住先を考えられた方が良いと思います。 メリット
デメリット
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生活費はアジア新興国より安いといっても過言ではありません。 下のチャートはNUMBEOという世界各都市のデータを扱うサイトから、日本人の主要移住都市の生活費+家賃のデータをまとめたものです。ニューヨークの生活費+家賃を100として指数化されています。(アンケートを元に作ったデータのようですので、参考程度と思って下さい。私自身が世界を巡った感覚値とはかなり一致しています。) このデータによると、東京の生活費+家賃指数は64、東南アジア新興国主要都市は25~40程度とのことです。 そしてバクーですが、衝撃の20です。(グラフの下の方にあり、見づらくて申し訳ありません。)東京の3分の1です。インドのデリーとほぼ同じ水準です。やはり通貨危機にある国では、外国人は大変お得に生活できます。 贅沢をしなければバクー中心部でも月々1,000マナット(約6万4,000円)程度で十分暮らしていけます。それぐらいのコストで生活している外国人もたくさんいます。バクー市街中心地でも月額家賃300~500マナット(約1万9,000円~3万2,000円)程度の古めのアパートもあります。現地食レストランのお得なビジネスランチセットは3~8マナット(約190円~510円)です。少し良いレストランでディナーを食べても20~50マナット(約1,200円~3,200円)程度で、日本の居酒屋より安いです。 月々1,500~2,000マナット(約9万6,000円~12万8,000円)もあれば、新しめのアパートで優雅な暮らしができます。
参考までに、バクーのセントラルステーション28 May駅近辺での生活費です。
家賃ですが、旧ソ連時代に建てられたOld Buildingか、ソ連崩壊後に建てられたNew Buildingかによってだいぶ変わってきます。ソ連崩壊と言っても、30年近く前の出来事になりますので、New Buildingと言っても少し古めの建物も結構あります。 一般にNew Buildingの方がエレベーターや給湯設備は壊れる心配が少ないです。とはいえ、Old Buildingでも部屋はたいていリノベーションされているので、生活環境はNew Buildingと変わりません。 光熱費や交通費はかなり割安です。通信費は通信速度によってだいぶ開きがあります。 食材や日用品は、輸入物はそれなりの値段になるのですが、現地調達されたものはびっくりするぐらい安く、食事を自炊すればかなり節約できます。 服はDe Factoという(日本でのユニクロのような)ファミリー向けチェーン店で価格を見てきたのですが、日本のGUより安いかなという水準でした。 治安の指標として人口10万人あたりの殺人発生率があるのですが、アゼルバイジャンは2.45(2014年)で世界141位であり、相当治安のいい国ということが言えると思います。ちなみに日本は0.31(2014年)で世界212位とのことです。
私個人の意見ですが、バクーの体感治安は日本より良いと思います。 日本は殺人等の重犯罪は少ないものの軽犯罪・性犯罪がそれなりに多いので、軽犯罪・性犯罪の少ないバクーは相当安心です。 街中を歩いていて、深夜だろうが路地裏だろうがなんの危険も感じません。家に泥棒は入りません。絡んでくる酔っ払いもいません。電車で痴漢もありません。引ったくりなんていません。喧嘩も見かけません。 とはいえ、日本人はあまりに無防備すぎるので、最低限の警戒はするようにしてください。観光に来た日本人女性が性犯罪の被害にあった事例もあるようなので、知らない人に声をかけられても着いていかないようにしましょう。 「アゼルバイジャンは世界有数の親日国」という情報が流れているようですが、これは嘘です。アゼルバイジャン人は欧米やロシアに対する強い憧れは持っていますが、誰も日本のことなんか知らないですし、特段意識もしてないです。(東南アジア諸国の方がよっぽど日本好きです。)
アゼルバイジャンは「親外国人国」なのです。基本的に海外からのお客様は歓迎し、もてなすという伝統があるので、国籍や宗教や肌の色に関係なくフレンドリーに接します。決して日本人にだけ親しいわけではありません。 とはいえ、アゼルバイジャン人の中にも日本好きの人もちらほらいます。 空手、柔道、合気道が普及しており、特に男の子は小さい時に道場に通って、日本武道で心身を鍛え、日本に対する親しみも持ちます。日本語を教える学校も複数あり、日本語を学んだ人達は日本のファンです。バクーのファミリー向け住宅地であるKhatai地区には、日本庭園もあります。 「日本は偉大な経済発展を遂げた国」という印象も浸透しており、日本から学ぶべく、日本の教育システムをアゼルバイジャンにも取り入れようという動きもあります。 ところで、アゼルバイジャン人に限らずイスラム教徒は一般にとても頭が固く情報が古くそれでいて頑固です。一度自分がそうだと思ったら、新しい情報を一切受け付けず、自分の考え(思い込み)を貫きます。 日本に対しても同じで、イスラム教徒で日本好きの人はアニメや漫画ではなく「伝統的な日本」が好きなのです。桜や着物や忍者や寿司こそが日本なのです。そんな頭の固い人達に最近の日本を紹介しても、中身を吟味すらすることなく「それは興味ない、それは日本ではない」と一切受け付けないので、世の中こういう人達もいるのかとびっくりします。 日本に関してだけではなく、全てにおいてそんな調子なので、言い方は悪いですが、ちょっと思考が停止しているように感じます。イスラム教という宗教自体が、理屈や論理ではなく、コーランに書かれた内容を厳密に信じ込む宗教なので致し方ないのかもしれませんが。 一般にイスラム圏では日本のアニメはあまり普及していません。イスラム国家は外部からの情報流入の統制が厳しいのと、あまり日本と接点がないのが理由だと思います。(日本人が思っている程、日本のアニメは世界に普及していません。特に新興国では。) そんなイスラム国家アゼルバイジャンですが、最近インターネット経由でロシア語の日本アニメが徐々に流入してきて、若い世代にはアニメ好きの人も増えてきています。 小規模ながらコスプレイベントもあります。ただコスプレイヤーの服装を見てみると日本アニメではなく、ディズニーやマーベルのキャラクターのコスプレをしている人も多く、日本のアニメももっと頑張って欲しいです。(日本のアニメ・マンガ界には素晴らしいクリエイターが揃っていて、充実したコンテンツがあるのに、それを世界に発信できない日本のメディア業界は本当に情けないと思います) バクーは、アジアや欧米の大都市みたいに人がゴミゴミいて息が詰まるようなことはありません。程よく田舎で、日本の地方都市ぐらいのちょうどいい感じの人口密度です。
日本みたいにギスギスしてないです。 クレーマーもモンスターペアレントもパワハラ上司もおらず、日本人みたいに他人の目を気にして窮屈にしている人もいません。時間がゆっくり流れ、心穏やかに過ごすことができます。(ただ皆基本的に貧しいので、ダブルワークでヒーヒー言っていたり、給料が少なくて不満たらたらな人はたくさんいます。) 意外に癒されるのは猫です。この街では猫がかなり生活の中に入り込んでおり、そこら中でゴロゴロじゃれ合ってます。職場やお店にも普通に猫がいます。猫を通して、日本では忘れていた自然との触れ合いを体感できます。 (バクーに限らず)こうやって海外に住んでみると、いかに日本が精神異常かということがよく分かります。軍隊チックなブラック企業・体育会系組織で、パワハラ・セクハラ・人格否定に囲まれ、村社会・島国根性の同調圧力により出る杭は打たれ、未来への展望もないまま日々ストレスを感じ、無意味な低生産性環境で過労死と隣合わせの生活をしている日本人は本当に可哀そうだと思います。 私自身もかつてそんな残念な日本人だったので、日本国外に出てきて本当に良かったと思います。 (日本よりはだいぶマシですが)アゼルバイジャンではほとんど英語が通じません。翻訳アプリは必須です。
バクー中心地の比較的裕福な層は留学経験があったり、外資系企業で働いていたりするので、英語が話せます。郊外に行くと全く英語が通じなくなるので、郊外に住むのはやめましょう。 ヨーロッパや中東諸国と比べて、バクーでのアジア人に対する差別はややきつい方だと思います。特にバクー中心部の若者(~20代)はあからさまにアジア人差別を楽しんでいます。(この年代はアゼルバイジャン人に対しても攻撃的で非常に評判が悪いです。)
他のアジア人に聞いてみても皆かなり嫌な経験をしています。(アゼルバイジャン人はアゼルバイジャンに差別はないと言いますが嘘です。) もちろんむしろ外国人に対してフレンドリーな人もけっこういるのですが、アジア人に対し嫌がらせしてくる人もかなりいます。よくあるのは、アジア人の顔を覗き込んで馬鹿にしたようにゲラゲラ笑ったり、釣り目のポーズをしてきたりです。今や世界的なトレンドとなってしまったアジア人に対する差別・マウンティング・嫌がらせがここバクーでも繰り広げられているのです。 (釣り目のポーズは、「可愛らしい顔」「美しい瞳」といった意味合いもあったりするので、必ずしも差別ではない場合もあるのですが、不愉快極まりないです。) アゼルバイジャン人は本当に民度が低いです。 どこの国に移住しても大なり小なり差別は経験するので、これは割り切りましょう。殴られたりはしないので、許容範囲内だと思います。 差別にビビッてしまう人は海外移住は無理です。諦めましょう。 こんなことをいうとアゼルバイジャン人に怒られますが、この国には「カルチャーが存在しない」と個人的には思う次第です。厳密に言うと、イスラム系のカルチャー・伝統が存在していたのですが、特に若い世代はイスラムチックな側面をダサいものとして隠してしまうので、アイデンティティーが失われてしまっているのです。(冠婚葬祭行事に関しては昔ながらの伝統行事が残ってます。)結果「アゼルバイジャンならでは」のカルチャーは特段見受けられず、海外から持ってきた(真似した)もので溢れています。
バクーの街並みは一見美しいのですが、ヨーロッパのパクりで特に見るべきものはありません。というか、(一時ソビエト連邦であったとはいえ)歴史上ヨーロッパ文明とほとんど接点のないアゼルバイジャンにヨーロッパ調の街並みが存在していること自体が異様です。 その街並みでさえ、ソ連式の超ダサいおんぼろアパートに、表面だけヨーロッパ式のタイルの被せた張りぼてです。一歩裏に回るとくそダサいソ連の廃屋です。 バクーを歩いていると近代的な作りの高層アパートに出くわすのですが、これも中身はおんぼろ高層アパートです。中に入るとソ連式のアナログ・エレベーター(デジタルじゃない!)が動いていたりします。からくりはというと、アパートを囲むように外側に近代的な建物の外観・壁だけを建設するのです…アパートの中から見ると、窓の外にもうひとつ張りぼての窓があります…今時中国でもこんな張りぼて見かけないです。この手の建築(?)様式が未だに見られるのはもはやバクーと平壌だけではないでしょうか。 さらに、大統領主導でパリの街並みを再現した(パクった)バクーホワイトシティという大型住宅地の建設も進んでいます…もうなんか全てがパクリです。 普通の国なら「恥ずかしいことをするな」と国民が怒り出すはずですが、アゼルバイジャンでは「どうだ俺の街は素晴らしいだろう」と、決して素晴らしくないもの自慢してくるのです…アゼルバイジャン人と話していると「良くないこと」「レベルの低いこと」「間違っていること」「パクリ」を自慢してくるので、もうなんか頭痛がします。 偽物も蔓延しています。日曜品から電化製品まで、明らかな模造品が売られており民度の低さを感じざるを得ません。知り合いも偽物に引っかかってしまい、サムスンのスマートフォンを購入したものの、電源を入れたら明らかに別物だったとのことです。 不覚にも写真を撮り忘れてしまったのですが、ショッピングモールのイベントで偽物のミッキーマウスが踊っている場面も見かけました。20年前の中国のようです。 そして国民はというと極度の嘘つきです。もうなんでもかんでも嘘ばかりです。 私はアゼルバイジャン人のウソには2種類あると思っていて、その1は単純に「真実を知らない」ということです。情報統制が徹底しており、テレビのコンテンツはロシアとトルコのものばかりで、外部の情報は入ってきません。アゼルバイジャンの国営放送は「アゼルバイジャンは素晴らしい国だ」「世界がアゼルバイジャンを称賛している」「ヨーロッパはは大変だがアゼルバイジャンは恵まれている」といったメッセージを発信し続けており、国民は(怪しいなと気づきつつも)概ねそういったメッセージの影響を受けています。ソ連とイスラムをミックスした環境で軍事独裁政権が徹底的な情報統制と言論弾圧を行うと、ここまで強力なブレインウォッシング(洗脳)が実現できるんだなと感心してしまいます。 その2は「マウンティング」です。相手を馬鹿にして優越感を感じることを目的として、本当かどうか分からない情報、あるいは、明確にウソの情報を必死に主張してくるのです。こんな欧米文化のダメな部分まで真似しちゃったのかと、見ていて可哀そうに思えてきます。まぁマウンティングは世界中(特に欧米)どこでも出くわしますが、アゼルバイジャン人のマウンティングの特殊なところは、「マウンティングの内容がショボい」ことではないでしょうか。すっごいちっちゃいこととか、どうでもいいようなネタで必死にマウンティングしてくるアゼルバイジャン人に出くわすと頭痛がします。 話は逸れますが、このマウンティングという和製英語は人間心理の核心をついた素晴らしい表現だと思うので是非世界に広まって欲しいです。 さてさて、海外で現地住民と接する時の基本はリップサービスです。ほめまくっていい気分になってもらった方が何かと得ですし、トラブルにも巻き込まれにくいからです。 ただ、私はもうアゼルバイジャン人に対しては一切リップサービスをやめて、全て本音で話すことにしました。じゃないとこっちが頭痛がしますし、何より真実を隠してもアゼルバイジャン人のためになりません。 「この国はXXXはダメだ」「それは嘘で、本当なXXXだ」などと真顔で言うと、アゼルバイジャン人は感情がすぐに顔に出るので、驚き・不安・悲しみ・屈辱・怒り・不快感が入り混じったような表情をします。(外人に批判された時の日本人と同じ反応です。) どうもアゼルバイジャン人は本音では自分達がイケてないということに気づいていて、それでも見栄っ張りな国民性も手伝い、背伸びをして去勢を張っているという側面もあります。またロシア人やヨーロッパ人から田舎者・野蛮人扱いを受けておりコンプレックスもあるので、「外国との比較」「外国人からの批判」に対してはとってもナーバスです。 またマウンティングをしてきたやつに対しては、正論で倍返しぐらいでやり返してます。それでも相手が大嘘八百でマウンティングを続けてきたら「お前らアゼルバイジャン人はどうしてそんなウソばっかつくんだ?」「なんでそんなちっちゃいことにエキサイトするんだ?」と真顔で言うと撃退できます。 こういった諸々の経験を通しての率直な感想は「これがソ連か~」という驚きです。鉄のカーテンの内側はこんなことになっていたとは... みなさん、歴史の教科書で1991年にソビエト連邦は崩壊したと習ったかもしれませんが、ソ連は崩壊していません。嘘と欺瞞に満ちた虚構の帝国ソビエト連邦は、このアゼルバイジャンの地で、今も人々も心の中に生き続けているのです。 さて、このカルチャーやアイデンティティーのなさが主因だと思うのですが、バクーに住む外国人は皆一様に「つまらない」「退屈」だと言います。(プライドを傷つけないよう、アゼルバイジャン人の前では「美しい街だ」「バクー大好き」と答えましょう。)
クラブやカラオケバー、美術館やスポーツ施設は多少あるのですが、そんなの世界中どこに行ってもあるものなので、特段目新しさはありません。 街並みが綺麗といっても中心部の限られた地域だけで、一歩郊外にでるとボロボロのソ連スタイルの建物がそのまま残っていたりします。 この国独自のエンターテイメントも乏しく、せいぜい(油臭い)カスピ海のクルーズか、(中東に比べるとだいぶしょぼい)モスク巡りが、(しょぼい火山)Mud Volcanoツアーぐらいです。 バクー自体が短期間で無理やり作ったインスタント食品のような街なので、そこにカルチャーが根付かないのは仕方ないのかもしれませんが。 本当に退屈なので、退屈に耐えられない人には向いてない街だと思います。 バクーの市街中心地であっても、未だにトイレットペーパーを使わず手でお尻を洗うイスラム式トイレを見かけます。(中には下水道に繋がっていない汲み取り式のトイレすらあります。)いざという時困るので、私は常に日本で買った水に流せるポケットティッシュを持ち歩いています。
そんな衛生状態なので、外国人は食中毒にかかってしまうリスクがあります。知り合いは市街中心部のごく普通のレストランで食事をした後、数日間下痢が止まらなくなり、病院に駆け込みました。腸チフスに感染してしまう事例もあるようなので、アゼルバイジャンに来る前に予防接種を受けましょう。水道水もそのままでは危ないので、煮沸しましょう。 旧式の車が多く走っており、車の台数自体も増加しているため、大気汚染もあります。WHOによるとアゼルバイジャンのPM2.5のレベルは26ug/m3です。日本は13ug/m3なので、2倍の濃度です。日本ではPM2.5の環境基準を15ug/m3と定めているので、日本の環境基準を上回る水準です。喘息持ちの方には厳しい環境かもしれません。私は特に気にならないです。(東南アジアのヘイズに比べればたいしたことないです。) そして、とても悩ましいのは5月~11月ぐらいにかけて蚊が大量発生します。低層階にお住いの場合は確実に蚊の餌食になります。高層階であっても侵入してきます。 こっちの蚊は日本の蚊とは別物で、体が大きく動きが早いです。飛んでいる蚊を仕留めるのは本当に大変です。夜行性で、深夜に元気になって耳元をブンブン飛び回ります。腹立たしいのは、ブンブン飛び回るだけで、なかなか刺してこないので、長時間に渡って眠りを妨げられます。 バクー市民の最悪の習慣はタバコのポイ捨てです。こっちでは男女問わず結構タバコ吸います。路上喫煙も盛んで、吸ったタバコはポイ捨てです。よくよく足元を見るとタバコの吸い殻まみれで気分が悪くなります。 アゼルバイジャン人の中には自分たちのことを勤勉なハードワーカーだと評する人達が結構いるのですが、私個人の認識は真逆で、とても怠惰な人達だと思います。(お金がないので必死に長時間労働に耐えてる人もたくさんいますが、勤務態度は怠惰です。)そもそもアゼルバイジャンは、アラブとソビエト共産主義という2つの極めて怠惰なカルチャーの合流地点に位置しており、勤勉なはずがありません。
日本人なら誰でもできるようなちょっとした事務作業も満足にできないような人ばかりです。暇があるとぺちゃくちゃどうでもいいお喋りに勤しみ、一度話始めたら止まりません。(この国ではお喋りがエンターテイメントです。) 時間にもとてもルーズです。「すぐ」とか「1 minute」とか言ってきたら、大体1時間ぐらい遅れます。ちょっとした問題も解決できず、最後には「明日やる」と言って逃げるのですが、いざ明日になったらすっかり忘れています。 事前にしっかり打ち合わせをしても、いざ当日になったら全く何も準備されておらず、悪びれる様子もなく「なんだっけそれ?」ととぼけてきます。 メールはまず見ていません。電話でプッシュしても、やっぱりすぐ忘れちゃいます。実際顔を合わせてようやく話が前に進むのですが、それでも次に会ったら全く何も準備されてなかったり、話が全然違ってるなんてこともあります。 先進国ではまず見かけない類の人達です。このアラブのノリには本当にイライラさせられます。(アラブ圏はこんな人ばっかりです。)何事も余裕を持って準備しましょう。 びっくりしたのは郵便物の紛失です。アラブ圏では普通郵便が機能していない国は結構あるのですが、バクーの場合、(普通郵便の紛失はもちろんのこと)EMS(国際スピード郵便)がどこかに消えてなくなってしまうことがあります。 日本から届くはずのEMSがなかなか届かず、追跡番号を使って郵便局(Azerpost)に問い合わせをしてみたら「もう配達済みです」との驚くべき返答。「いや配達されてない」と食い下がったら、しばらく色々調べてくれて「宛先人に連絡がつかず配達できなかった」との返答。「いや電話をもらってない」とキレ気味に食い下がったら「もう日本に送り返してしまった」との唖然とする返答。。。どうも配達員が面倒くさがって勝手に宛先人不在にして送り返してしまったようです。。。 郵便局の電話窓口には英語対応可能な人もいるので、早め早めにこちらから問い合わせましょう。そして普通郵便ではなく、必ず追跡可能なEMSを使いましょう。 こんな人達なので、楽をして外国人から金を巻き上げることばかり考えています。 要注意なのはタクシーの運転手です。バクーではタクシーメーターは使わず、値段は全て交渉で決まります。相手が外国人と見るや、相場の数倍の値段を吹っかけてきます。必ず車に乗る前に値段交渉をしましょう。参考までに車で10~20分程度の近距離移動なら3~6マナット(約190~380円)程度です。空港から市街中心部でも15~20マナット(約960~1,280円)程度が相場です。 バクーではUberも使え、タクシーよりはだいぶ評判が良いです。 もう一つ外国人にとっての天敵は物乞いです。主に夕方~深夜の駅前・市街中心部で出没し、あの手この手でお金ちょうだいと付きまとってきます。ひたすら無視しましょう。突然声をかけてくる奴はたいてい物乞いです。 そして、汚職が個人レベルで蔓延しています。この国は基本何でも金で解決できます。犯罪を犯し逮捕されても警察官にお金を払えば何事もなく釈放です。テストの出来が悪くても教授にお金を払えば単位が取得できます。 (国内メディアがあまり報じないため、アゼルバイジャン国民は関心がないのですが)今ヨーロッパではアゼルバイジャンの汚職がちょっとしたスキャンダルになっています。欧州評議会(Council of Europe)の議員会議(PACE)メンバーが、アゼルバイジャンの人権侵害を見逃す見返りに、アゼルバイジャンから賄賂を受け取っていたというものです。マネーロンダリングの手法により引き渡された資金は総額29億ドル(約3,100億円)とも言われています。(正気か??)詳しい情報は徐々に明るみに出てくると思われますが、もしこの金額が本当であればGDPの7%に相当する金額が汚職に使われたということになります。。。 私も個人的に便宜の見返りに賄賂を要求されたことが何度かあります。もちろん一切払いませんでしたが。 実は日本絡みでも汚職の疑いのある事案がありました。2012年のロンドンオリンピックのボクシング男子バンダム級、日本の清水聡選手とアゼルバイジャンのMagomed Abdulhamidov選手が対戦しました。清水選手が6度のダウンを奪い優勢に試合を進めたのですが、レフリーはカウントを全く取らず、挙句Magomed選手が立ち上がるの手助けまでし、判定によりMagomed選手が勝ち名乗りを挙げるというプロレスのような八百長が行われました。(会場は大ブーイング。)アゼルバイジャン政府からAIBA(国際ボクシング協会)への賄賂があったと噂されています。さすがに判定は後日取り消しとなり、清水選手はその後も勝ち進んで銅メダルを獲得しました。ちなみにこのロンドン五輪最大のスキャンダルもアゼルバイジャン人はほとんど知りません。 あるいは、自分たちに都合の悪い事実は知っていても、「なにそれ~?」と知らないふりをします。この国では臭い物には蓋をするのです。 総括するとアゼルバイジャン人は民度が低いのです。 ある日の早朝、たまたまバクーのセントラルステーション28 May駅の近くにいたのですが、突然耳をつんざくような爆音が聞こえてきました。幸いテロではなかったものの、駅正面のビルでガス爆発があったとのことでした。
2018年4月にはバクーのTrump Towerで火災があり、世界中のメディアに取り上げられました。 爆発や火災は極めて稀で、神経質になる必要は全くないのですが、バクーの生活インフラはとても脆弱です。 ガスや水道が一時的に止まってしまうことはちょくちょくあります。(産油国なのにガスが止まるのです!)ビル設備の調子が悪かったり、あるいは近隣一体でガス管や水道管にトラブルが発生していたりと原因は様々です。 エレベーターもよく壊れます。高層階に住む場合は新しめのエレベーターが2つ以上あるアパートにしましょう。(未だにソ連式のアナログエレベーターが動いているアパートもあります。) 色々な意味で日本が恋しくなるかもしれません。
日本との直行便もなく、日本人人口も少なく、もちろん日本語なんてまず通じません。 手に入る日本食材も限定的です。せいぜい米(ロシア・トルコ産)、醤油、乾麺、海苔、照り焼きソース、ポン酢、てんぷら粉ぐらいです。 日本料理店が数店あり、その他なんちゃって寿司を出す店はたくさんありますが、やはり日本の味が恋しくなってしまいます。 資本逃避(キャピタル・フライト)に対する制限が非常にきつく、一度アゼルバイジャンに持ち込んだお金を海外に持ち出すのは一苦労です。
日本みたいにネットバンクからワンクリックで国際送金ができるような環境はありません。いちいち銀行の窓口に出向き送金指図をします。少額の送金であれば問題ないのですが、数十万円単位以上になってくると資金使途を聞かれたりして面倒くさいです。また、着金までに下手すると数週間以上待たされるという場合もあります。 国際送金は余裕を持って計画的にしましょう。 |