それはアゼルバイジャン人が信じるおとぎ話。 世界の考古学者は絶対信じない、証拠もない、でもなぜか歴史の教科書に載っているおとぎ話。 歴史的事実をどう解釈するかは、各国のナショナリズムもあり、歴史観というものはどうしても多様になります。 ただ全く証拠のない歴史を主張した場合、それは捏造史もしくは歴史修正(Historical Revisionism)でしょう。 代表的なものに、北朝鮮の「人類北朝鮮起源説」があります。 曰く、人類はアフリカではなく朝鮮半島で誕生し、その後黒い山葡萄原人なるものが生まれ、黒い山葡萄原人が朝鮮民族の起源であるという大変ユニークなものです。 事実であれば人類史を書き換える大事件ですが、目下この主張を裏付ける証拠もなく、考古学会も全く相手していないようです。 さすがに北朝鮮以外にこんな酷い捏造史を掲げる国は存在しないでしょう、と思ったらありました!! 我らが(?)アゼルバイジャンです!! 「カフカス・アルバニア」これこそがアゼルバイジャン人がナゴルノ・カラバフはアゼルバイジャン固有の領土であると主張する(捏造)根拠です。 カフカス・アルバニア人とは(バルカン半島のアルバニアとは関係なく)コーカサス地方土着のウディ族の先祖ではないかと言われている民族で、早ければ紀元前7~6世紀頃にはナゴルノ・カラバフを含むコーカサス地域で国家を形成していたのではないかと言われています。 このナゴルノ・カラバフ地域のカフカス・アルバニア人に関する記述の多くはアルメニアの文献で見つかっています。これは至極当たり前で、ナゴルノ・カラバフ地域の先住民は紀元前7~2世紀にかけてアルメニア民族と混血し、紀元前2世紀頃にはアルツァフ(Artsakh)としてアルメニア王国の一部となったからです。 なのでアルメニアがナゴルノ・カラバフはアルメニア固有の領土と主張するのも、フランスがアルツァフ(カラバフ)を国家承認しようとしているのも、歴史的には至極当然なことです。カラバフに存在する遺跡もほとんどアルメニア文化圏のものです。(しかしスターリンがカラバフをアゼルバイジャンに割り当て紛争の火種を仕込みました) そこでカフカス・アルバニア人の登場です。 このカフカス・アルバニア人を勝手にアゼルバイジャン人の起源とし、また、カラバフ関連の歴史的文献に登場する「アルメニア人」という記述を「カフカス・アルバニア人」へと勝手に書き換えるという暴挙に出たのです。 すなわち、 → カラバフの歴史文献に登場するアルメニア人という記述は間違いで、本当はカフカス・アルバニア人である → カフカス・アルバニア人はアゼルバイジャン人の祖先である → カラバフはアゼルバイジャンの固有の領土である という三段論法です。もうキチガイですね。 ちなみにこのカフカス・アルバニア人とアゼルバイジャン人とは言語的にも文化的にも何の繋がりも証明されていません。。。 そもそも中央アジアのテュルク(トルコ系)民族がカフカスに来たのは11世紀、「アゼルバイジャン民族」というものが形成されたのは17世紀、(現在のアゼルバイジャン領にかなり一致する)ロシア領アゼルバイジャンが形成されたのは1828年です。 紀元前に存在したカフカス・アルバニアと繋げるのはいくらなんでも無理筋でしょうwww 当ブログで繰り返し指摘している通り、この国は全部ウソです。歴史ですらウソです。本当に全部ウソなんです。 まだ信じられないのであれば、一度アゼルバイジャンの大学なり歴史研究機関なりを訪問してみてください。名前だけ厳かな「〜研究室」とありますが、そこにあるべき研究機器や採集遺物はありません。教授や研究員と呼ばれるおっさんが論文と呼ばれるものをカチャカチャ書いているのですが、何かを研究した形跡はありません。大学の図書館に行っても理系文献はほとんど存在しません。 歴史を研究するための研究機器も文献も研究員も研究した事実さえないのです。全部フェイクです。 私は実際にタイムスリップしたわけではないので、何が本当かは知りませんが、少なくとも(アゼルバイジャン国外の)世界の考古学会では誰もこんな話信用してないですし、明確な捏造史として扱われています。 しかし明確な捏造史とされているこの情報を、「カラバフがアゼルバイジャン固有の領土たる証拠」として、多くのアゼルバイジャン国民がSNSで大拡散しているのです。 捏造は文献にとどまりません。
アゼルバイジャン西部の飛び地ナヒチヴァン、ここもアルメニア民族が古来に居住していた地域で数多くのアルメニア遺跡が残されています。 ところがアゼルバイジャン政府はアルメニア人が存在した痕跡を消そうと、過去30年に渡ってユネスコ登録遺産を含む数多くのアルメニア遺跡を文化浄化(Cultural Cleansing)してきました。 これは21世紀最悪の文化的ジェノサイド(Cultural Genocide)とさえ言われています。 今回の戦争でアゼルバイジャンが手にしたカラバフにも大量のアルメニア遺跡が残されています。 次なる文化浄化の対象はカラバフです。 12月10日のアゼルバイジャン戦勝パレードにて、独裁者アリエフ大統領は「アルメニアの首都Yerevan、Zangezur、Goycheはアゼルバイジャン人の歴史的な領土である」とまたまた歴史改ざんスピーチを行いました。 これはアルメニア本土への侵攻の布石と考えて間違いないでしょう。おそらくこの内容もアゼルバイジャンの歴史の教科書に反映され、ブレインウォッシュされたアゼルバイジャン人がまた捏造史を拡散します。 最近私に対して嫌がらせがひどいです。 どうも私の記事の内容があまりに酷いので、私のことを「頭のおかしい人」呼ばわりしてきます。 このブログを読んでいただいた方に質問です。「私の頭がおかしいのですか?それともアゼルバイジャンが頭おかしいのですか?」
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