「逆らったらレイプするぞ」と警察が市民を脅迫する国アゼルバイジャン。 今回はベラルーシやロシアと並ぶ世界最凶アゼルバイジャン警察の特集です。 国連 Human Rights Watch のウェブサイトはかなり読み応えがあります。冒頭からズバズバ切り込んでます。 "Azerbaijan’s government continues to wage a vicious crackdown on critics and dissenting voices. The space for independent activism, critical journalism, and opposition political activity has been virtually extinguished as so many activists, human rights defenders, and journalists have been arrested and jailed, and laws and regulations restricting the activities of independent groups and their ability to secure funding adopted. Other persistent human rights problems include torture, interference in the work and independence of lawyers, and restrictions on media freedoms. While criticizing the increasing crackdown, Azerbaijan’s international partners have failed to set conditions for future cooperation that will help secure rights improvements." "(Google翻訳) アゼルバイジャン政府は、批評家や反対意見に対する悪質な取り締まりを続けています。 非常に多くの活動家、人権擁護家、ジャーナリストが逮捕され投獄され、独立したグループの活動と資金を確保する能力を制限する法律や規制により、独立した活動、批判的なジャーナリズム、野党の政治活動の余地は事実上消滅しました。 その他の永続的な人権問題には、拷問、弁護士の仕事と独立への干渉、メディアの自由の制限などがあります。 取り締まりの強化を批判する一方で、アゼルバイジャンの国際的なパートナーは、権利の改善を確保するのに役立つ将来の協力の条件を設定できていません。" その他サイトの内容を要約します:
こちら第二次世界大戦中の出来事ではありません。ドラマや映画のワンシーンでもありません。 21世紀になった今、現在進行形でアゼルバイジャンで起きていることです。ちなみに数年前はもっとエグい投獄・拷問があった気がするので、だいぶ状況はマシになったと思います。 昨年10月に起きたデモをたまたま遠目から生観戦できたのですが、ガチでデモ隊の人を警官隊が取り囲んで、まるで物でも扱うかのように装甲車の中に放り込んでました。 私のアゼルバイジャン人の友人はこの一件にショックを受け、こんな国で子供を教育する訳にはいかないと、アゼルバイジャン国外への移住を決断致しました。
「レイプするぞ」by 警察官 ひとたび連行・投獄されると暴行や電気ショックといった拷問が待ち受けているのですが、大アゼルバイジャン警察の特徴は性恫喝でしょう。 「逆らったらレイプするぞ」「お前の妻と娘をレイプしてやる」「この警棒と瓶を突っ込むぞ」といった具合です。 アメリカ政府のレポートによると、恫喝だけではなくなんと実際に警官による(器具を使った)レイプも行われていたようです。。。恐ろしや。 ムヒタリアンのファンは職質 アゼルバイジャン警察がネットでちょびっと注目を集めたワンシーンがあります。 昨年サッカー欧州リーグ(EL)の決勝戦がバクーで行われた際、アーセナル所属のアルメニア人ムヒタリアン(香川の元同僚)が安全上の観点から試合に同行しない(アゼルバイジャンに入国しない)という決断を下し話題になりました。 とはいえバクー入りしたアーセナルサポーターの中にはムヒタリアンのファンもおり、ムヒタリアンのユニフォームを着た男性が警察に呼び止められるという一幕が映像に収められました。 話は逸れますが、これが(警察に限らず)典型的アゼルバイジャン人の行動様式です。アルメニアに関連するものは全て問答無用で悪なのです。
第二次ナゴルノ・カラバフ紛争開戦直前にはアルメニア人に対する人種差別法案も可決され、アゼルバイジャン経由でジョージアに輸送される荷物のうち、受取人がアルメニア人っぽい苗字をしているものはアゼルバイジャン税関で没収!というとんでもない暴挙に出ました。 繰り返しますがこれは21世紀のお話です。 無自覚の罪 当の警察官はというとどうも悪いことをしているという自覚が薄いように思います。「警官ってこんなもんでしょ」という態度です。また警官は基本的に英語が話せない人ばかりなので、自分達のやっていることが世界の感覚では恥さらしであるという認識も薄いように感じます。 大アゼルバイジャン警察は外国人には敏感で、私のアパートにもしょっちゅう見回りにきますし、歩いていても突然呼び止められ傲慢な態度で「ID見せろや」とやって来たります。 私はムカついたら「マナーが悪いぞ」「どーゆー法律に基づいてそんなこと要求してるんだ」と文句を言うので警察にびっくりされます。警官に対してそんな態度するやつはいないので、まるで鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして、逆にめちゃくちゃ丁寧な対応になります。 人権派弁護士 警察の話からは逸れますが、ビザの関係で弁護士を雇おうとした際、アゼルバイジャン人の友人から「その弁護士が国連Human Rights Watch関連の仕事をしていたら問題だ」とのアドバイスを受けました。 どうも国連等の依頼を受けてアゼルバイジャン政府・警察の人権侵害を調査している弁護士を使うと行政手続きでかなり不利になるようです。 「なんで人権保護の活動をしたら問題なんだ?良いことなんじゃないの?」と聞いたら「いや、とにかく問題なんだ」とよく分からない回答。。。 この国では正しいことをすると問題になるようです。 骨太ジャーナリスト 報道の自由度ランキングで世界180ヶ国中なんと第168位(ほぼ最下位グループ)にランクされたアゼルバイジャンではジャーナリズムなんてものは存在せず、ほぼ全ての報道が嘘まみれで独裁者称賛で大本営発表です。記者には国からアパートが提供される公然賄賂っぷりです。 そんな中でも政府や警察と闘う骨太のアゼルバイジャン人活動家もいるのですが、そんなことをするとまず警察から恫喝が来ます。またそういった活動家が国外で暴れないようNo-Fly Listというものがあり、国外に脱出しようとしても国境で止められてしまいます。 外国人記者等の場合は逆で、永久入国禁止となります。 みなさん、アゼルバイジャンにお越しの際は絶対に政府や大統領を批判しないようにしましょう。
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