アゼルバイジャン居住権(Permit for Temporary Residence)を取得する際の、必要書類ですが、一般に以下になります。 ここでは「(i) 10万マナット(約640万円)以上の預金」をすることにより居住権を申請するパターンを想定しています。(他の申請パターンでも必要書類(c)以外はほぼ同じです。) (a) 申請書 (b) パスポートのコピー(居住権申請期間+3か月以上の有効期限) (c) 銀行証明 (d) 健康診断 (e) 写真2枚(3.5cm x 4.5cm。背景赤色) (f) 居住住居の証明(不動産登記、賃貸契約書等) (g) 大家の申請書 (h) 大家のIDのコピー (i) 申請手数料のレシート(120マナット/約7,600円) (必要書類に関しては、移民法英文をよく読んで、また事前に必ず弁護士に確認をして下さい。) こうして見ると、犯罪証明等、発行に時間がかかったり日本で認証が必要になったりする書類は一切なく、かなり簡単な手続きであることがよく分かります。 (犯罪証明の提出は不要ですが、最近は申請者の母国に犯罪歴の照会をしているそうなので、日本で犯罪歴がある場合は申請が却下される可能性もあります。) 以下、各提出書類の詳細です。 (a) 申請書 以下のリンクよりPDFがダウンロードできます。 https://eservice.migration.gov.az/assets/docs/muveqqeti-yasamaq-ucun-icaze.pdf 記入事項は名前やパスポート番号や家族の情報等一般的な内容です。提出時に、20. Additional notesの箇所に「住所を変更した場合10日以内に届け出ます」といった宣誓を自筆で書かされます。 (c) 銀行証明 どの銀行に預金すれば良いか移民局に問い合わせると、大統領一家の系列企業で国内第三位の銀行であるKapital Bankへの口座開設・預金を指示されるパターンが多いようです。(https://kapitalbank.az/?hl=en) パスポートさえあれば口座は開設できます。口座開設の際、アゼルバイジャン語の書類に色々サインさせられるので、通訳も兼ねて弁護士に同行してもらいましょう。 マナットだけではなく、ドルやユーロの口座でも大丈夫なので、為替リスクも考慮し、複数の通貨口座に分散して10万マナット(約640万円)分送金しましょう。数営業日で入金されます。入金の状況はネットバンクで確認できます。 送金後、窓口で銀行証明(Bank Certificate)を要求すれば預金額が記入された証明を発行してくれるのですが、窓口の人も英語が苦手で、また金融鎖国状態にある国のため、銀行証明といってもなんのことか理解してくれません。銀行証明を申請する際は弁護士に同行してもらうか、事前に委任状を公的認証しておき、入金後弁護士に代理で申請・受領してもらうようにしましょう。(念のため、代理申請可能か事前に銀行に確認されることをお勧めします。たいていの銀行は代理申請可です。) 送金ですが、一度に数百万円分を送金するのではなく、(少し手数料はかさみますが)数十万円単位で何度かに分けて送金するとスムーズです。数百万円というとアゼルバイジャン人の年収数年分に相当する大金になりますので、送金が一時ブロックされ、「資金源はどこだ」「マネーロンダリングか」みたいなやり取りが発生してしまいます。その際、送金元口座の銀行証明や給与明細を英語で要求されたりして、とても大変です。 10万マナットあればアパート1-2室買えてしまいます。そんな金額がいきなり海外から入金されたらみんなびっくりしてしまうのです。 (d) 健康診断 バクーメトロのグリーンラインの「20 Yanvar」という駅から歩いて10分程度の「Republican Treatment and Diagnostic Center」で受診できます。(http://rdm.az/en/) パスポートを持って「Temporary residency申請用の健康診断を受診したい」と言えば受け付けてくれます。費用は80マナット(約5,100円)です。採血検査(HIV、B型肝炎、C型肝炎)と超適当な問診だけです。空いていれば15分ぐらいで全て終わります。1~2日後、パスポートとレシートを持って診断結果を受領します。 これは自力でもできると思います。 (f) 居住住居の証明 / (g) 大家の申請書 / (h) 大家のIDのコピー アゼルバイジャン居住権申請プロセスの不便な点ではあるのですが、「事前に」居住住居が確定している必要があります。まず住居を確保した上で申請しなければならないのです。 お勧めの方法は以下になります: ① ホテルと一年契約をしてそこを住居として居住権申請 ② 移住後お気に入りの住居を見つけたら、ホテルをチェックアウトして引っ越し。
事前に居住するアパートを決めてから投資居住権を申請される方ももちろんいます。アゼルバイジャンにゆっくり滞在して、アパート選びにじっくり時間を割ける場合はそのやり方で良いと思います。
ただ、街を理解し、納得のいくアパートを探すのにはそれなりに時間がかかります。大家との賃貸契約交渉も大変です。アゼルバイジャンの大家は、条件合意した後になって「もっと高い家賃を払ってくれる他の借り手が見つかった」などとハッタリをかましてきて、少しでも家賃を吊り上げようとしてきます。 いざ賃貸契約を結んだら、一度大家にASAN Service(市役所のようなところ)にまで出向いてもらって、不動産登記等居住権申請に必要な書類を公的認証してもらう必要があります。これまた大家のスケジュール次第では時間がかかってしまいます。 一方、ホテルと契約をして、ホテルの住所で居住権を申請する場合、提出書類の公的認証は不要になり、ひと手間省けます。(担当者により解釈の変わる国ですので、公的認証が不要かどうかは必ず事前に弁護士に確認してもらって下さい。) バクーには一か月10万円以下で滞在可能な安ホテルもたくさんあるので、ホテル滞在だからといって、そこまで費用がかさむことはないです。(私の知ってる安ホテルでよければ紹介します。この値段でもちろん朝食も付いてきます。部屋は狭いです。) 一点注意事項ですが、ホテルを住居として居住権申請をする場合、ホテルとの賃貸契約書が提出書類となり、賃貸契約書に記載された賃貸期間がそのまま居住権の付与期間になります。初回申請の場合、最長1年間の居住権を申請できるので、ホテルの賃貸契約も1年契約にして、1年分の居住権を申請しましょう。 移住後、最初は最低限の荷物だけ持ってホテルで生活し、お気に入りの物件が見つかったら、ホテルをチェックアウトして、引っ越せば良いのです。(引っ越し後10日以内に引っ越し先住所を届け出る必要があります。)途中でチェックアウトする予定である旨、契約時にホテルに伝えておきましょう。 ちなみに「(g)大家・ホテルオーナーの申請書」ですが、これはASAN Serviceでもらえる一枚物の申請書で、大家・オーナーが名前を書いてサインするだけです。 以下移民法(Migration Code)の居住権申請書類箇所の英訳文です。(http://miqrasiya.nakhchivan.az/en/images/stories/mecele/1%20en.pdf) Article 46. Documents required for issuance (extension) of a permit for temporary residence in the territory of the Republic of Azerbaijan to foreigners and stateless persons 46.1. Foreigners and stateless persons should submit the following documents for obtaining (extending) permit for temporary residence in the territory of the Republic of Azerbaijan: 46.1.1. Application form sample of which approved by the relevant executive authority; 46.1.2. Copy of the passport or other border crossing document (validity period of passport or other border crossing document should be more than 3 months of the expiry date of the temporary residence permit to be issued); 46.1.3. Notarized copy of the birth certificate or other document equal to it (for persons under the age of 18, without passport); 46.1.4. Notarized or equally certified document confirming existence of cases justifying issuance of temporary residence permit; 46.1.5. Reference certifying that the person is not carrier of a virus of any disease included in the list of dangerous infectious diseases approved by the relevant executive authority; 46.1.6. Copy of the document authorizing to stay or temporarily reside on the territory of the Republic of Azerbaijan; 46.1.7. Justified application by an authority, enterprise or organization inviting (to the Republic of Azerbaijan) foreigners and stateless persons who are highly qualified specialists in the spheres of economy, industry, defense, science, culture, sports, etc.; 46.1.8. Two photos sized 3.5 x 4.5 cm; 46.1.9. The document of a residential area-where the person shall be registered on (extract on the state registration of the property right from state registry of real estate, warrant for accommodation, rent or tenancy agreement or other document set forth in the legislation of the Republic of Azerbaijan); 46.1.10. Application of the person providing a foreigner or stateless person with a residential area (except the cases when there is a residential area in possession of the foreigner or stateless person); 46.1.11. Copy of the passport of the person providing the foreigner or stateless person with a residential area (except the cases when there is a residential area in possession of the foreigner or stateless person); 46.1.12. Receipt certifying payment of the state fee; 46.2. Receipt certifying payment of the state fee is submitted by foreigners and stateless persons when the permission card for temporary residence on the territory of the Republic of Azerbaijan is presented to them. 46.3. Hand-fingerprints of the person (except minors under the age of 15) applying to obtain temporary residence permit are taken in accordance with biometric identification requirements.
0 コメント
返信を残す |