「裏金疑惑」「ワタリガニ密漁」「冬眠しないクマ」etc... 相変わらずクソどうでもいいガラパゴスな話題が日本を賑わし、メディアを見てみると、頭の悪い解説者の非論理的なコメントや偏向報道・フェイクニュースで溢れています。 英語音痴な日本人には世界の情報は入ってこず、世界の中心からズレた話題につき、世界から程遠い低レベルな議論が今日も繰り広げられています。 日本人と話していると、まるで他の星の生命体とコミュニケーションをしているかのような錯覚に陥ります。 そんな一億思考停止状態の大日本民主主義人民共和国にお住まいの皆様に、どうしても伝えたいことがあり、ここに最後の投稿をしたいと思います。 『どうも6~8世代程度の間隔で、世界が短期間に急激に変わるタイミングが来るようだ。我々は今その真っ直中にいる。 これから2~3年の内に起こることは、今後50~60年の世界の行く末を決定づけるだろう。』 これは米国大統領ジョー・ロリコン・バイデンが2023年11月にコメントしたものです。 前回の投稿でも言及したように、世界はもはや後戻りできない一線を超えてしまったように思います。 イスラエルによるガザ地上侵攻は、サラエボ事件・ナチスのポーランド侵攻・真珠湾攻撃のように、世界史の行く末を決した大事件として歴史の教科書の1ページとなることでしょう。 「2020年代」の10年間は、世界の枠組みが抜本的に変革された10年として、後世語り継がれることになると思います。 これから我々が経験するであろうリセットは、これまで人類が経験したものとは比べ物にならないクレイジーなリセットとなることでしょう。
これら人類の時計の針を数十〜数百年分進めるかのような巨大なイベントが、短期間に同時多発的に起こる可能性があるのです。 「可能性がある」というよりは、個人的には「そうなる可能性が高い」とすら思っています。 インターネット時代のスピードを鑑みるに、これらの変革は数年の時間軸で起きるでしょう。数百年分の変化に相当するリセットが、数年で起こるということです。 そして長引く混乱期も覚悟しなければなりません。 「港区父さん、足立区父さん」の著書でお馴染みのロバート・キヨサキは、1929年の世界恐慌以降、第二次世界大戦を挟んで、およそ25年もの不況が続いたと指摘しています。 今回は2020年を始点とすると、2040~50年ぐらいまで混乱が続いても不思議ではないでしょう。 Jamie Dimonは、現在の状況は過去数十年間で最も危険なものであり、あらゆる不測の事態に備える必要があると説いています。 さて、この危機的状況下で、私が日本人にどうしても伝えたいメッセージ、それは岡島県警町山署刑事課捜査一係係長 北条保のモットーに凝縮されています。 『最悪を想定して、最善を尽くす』 下着泥棒や無銭飲食あるいは万引きといった凶悪犯に立ち向かい、最前線で岡島県民の安全を守る北条係長のこの短い言葉には、危機を乗り切るための叡智が詰めこまれています。 人類にどんな未来が待ち受けているのか、想像もつきません。変数と登場人物が多過ぎて、何が起こるのか分からんのです。 バイデンや習近平でさえも、暗闇の中を手探りで進んでいるような状態でしょう。 本投稿でこれから紹介するような論点も、数カ月後には陳腐化して、全く新しいシナリオが展開されているはずです。 しかしながら、確実に言えることは
これから先、賃貸にお住まいの方は地獄を見るでしょう。金・銀・ビットコイン等のハードアセットをできれば現物で持っていると、いざという時のヘッジになります。現金よりも缶詰の方が価値がある時代が来るかもしれません。日本以外の国に脱出できる準備があると尚良いでしょう。 以降の細かい議論はスルーして頂いて結構です。 『最悪を想定して、最善を尽くす』という北条係長の言葉のみ頭の片隅に置いて、来る混乱期を共に生き抜きましょう。 BIG CYCLE レイ・ダリオは過去500年の世界史&過去2000年の中国史を研究し、およそ75年前後の周期で人類に訪れるBIG CYCLEを提唱しています。
人類の長期サイクルに決定的な影響を及ぼすこれら5つの力が、1930-45年以降で最大のマグニチュードに達し、既存の世界秩序が破壊されるタイミングが来た、とレイ・ダリオは断言をしています。 最重要ファクターであるDebt(債務)の長期サイクルについて少し見てみましょう。 現在の長期債務サイクルにおけるサイクルピークは2008年でした。 ↑のチャートの青線は米国の官民債務/M2なのですが、このタイミングでM2(ブロードマネー)の7倍ものシステムレバレッジがかかっており、それが弾けて信用収縮(対M2比)のフェーズに入ったのがリーマンショックでした。 リーマンショック以降の米国は全く別の世界になってしまいました。 債務の絶対額は堅調に増え続けているのですが、中身を見てみるとベース・マネーの伸びが全く異なる次元に達しているのです。 これが長期債務サイクルの末期症状です。政府が国債を擦りまくって、中央銀行がお金を擦りまくって政府債務を購入して通貨を切り下げて、民間部門の信用収縮を補填する延命措置のような状態になるのです。これが日本の失われた30年の一つの側面であり、米国を含む世界の主要国が今現在直面している課題です。 お金は、官民の債務により生み出され、返済・納税・デフォルトにより消えます。
長期債務サイクルの末期では、質の悪い債務が政府や中央銀行のバランスシート上で肥大化し、もはや健全な方法でレバレッジを下げることが困難なデッドスパイラルの状態に陥ります。 この状態がさらにエスカレートするとどうなるか? 1800年以降、52もの国で政府債務/GDP比率が130%を超える水準にまで上昇しました。そのうち日本を除く51ヶ国が最終的にデフォルトに陥りました。 パウエルバズーカ 10年物国債金利が0%程度で推移するよう日本銀行が国債をパクパク買い入れるイールドカーブ・コントロール(YCC)。 黒田バズーカの代名詞とも言われたYCCですが、その原型は1930~40年代の米国にありました。 第二次世界大戦下、FRBは大量の米国債を買い入れ、インフレ率よりも国債利回りが低くなるよう(実質ほぼ0%)にして膨大な政府支出を賄ったのです。 1940年代のたった10年間において、ジャブジャブに刷られた米ドルは購買力の1/3を失いました。凄まじいまでの通貨の切り下げとインフレを受け入れることによって、米国は大戦に勝利したのです。 債務の主体が民間から政府に移ったという点において、この1940年代は現在の状況に酷似しています。 さて、現在、米政府の利払いが国防費をも上回りつつあり、海外軍事基地の維持すら困難になりつつあります。 そんなデッドスパイラルに陥ってしまった米国は一体どうするのでしょうか? Lyn Aldenは、1940年代と同じくFRBはYCCをやると予言しています。 Zoltan PozsarもFRBは金融緩和を再開して、なにかYCCのような政策をやるだろうとコメントしています。 パウエルバズーカがやってくる。 政府の金利負担を抑えつつ、インフレで債務を目減りさせようとするのであれば、自ずとYCC的な政策になってしまうのでしょう。 もしYCCをやったとして、現在の米ドルは完全なフィアット通貨(紙切れ)なので、購買力に与えるインパクト(インフレ)は1940年代より遥かに大きいものになるでしょう。 ブラックマンデー2.0 YCCまでやるかどうかはさておき、FRBが今年金利を下げ金融緩和(QE)にピボットするか否かが話題になっています。 まぁ大統領選挙の年ですし、どこかでピボットしてバラマキをやるのでしょう。 ではFRBがQEに舵を切ればまたバブルがやってくるのでしょうか? 現実は真逆のようです。 過去の傾向を見てみると、QEピボットのタイミングとバブルの再来にはラグがあるのです。 むしろピボットしてからマーケットのクラッシュが起こり、失業や倒産が増え、信用収縮が起こり、景気の大底が来るのです。 米企業の38%が今年レイオフを想定しており、50%が採用凍結を予定しているとの報道もあります。 今年我々を待ち受けるのは、ブラックマンデー2.0なのかもしれません。 パンダバズーカ 中国の人口は約14億人です。 ここでクイズです。中国には空き家は一体どれぐらいあるでしょうか? 元中国国家統計局のHe Kengは、とんでもない推計を述べました。
何が本当なのかもう分からないのですが、確実に言えることは中国の不動産市場には億単位の空き家が存在してしまっているということです。 中国が主張する不動産価格・価値は砂上の楼閣です。 地方政府金融公社(LGFV)や金融機関が提供した不動産ローンはとっくに焦げ付いてます。焦げ付いたローンを不良債権処理せずに、借り換えをして問題を先送りしているだけなのです。 日本の不動産バブル崩壊時、早めに不良債権を認識して引当を積んでいた金融機関は助かりました。一方で、膿を出し渋った金融機関は一夜にしてバタバタと倒れていったのです。 中国の金融機関は、ひょっとしたら当時の日本よりも大きなリスクを抱えているのかもしれません。 中国経済は"投資"で回っています。 資本財への投資がGDPの40-45%を占めており、これは主要国と比べて異常な高水準です。 中国は燃料をくべ続けなければ止まってしまう機関車のようなものです。 投資先である不動産市場が頭打ちになれば、たちまち持続不能な状態になってしまいます。(もうそうなってる) 中国は官民の叡智を結集して、日本の不動産バブルとその崩壊過程を徹底研究してきました。にも関わらず中国は日本と全く同じ過ちを繰り返してしまったのです。 金融システムを破壊せずにこの状況をとりあえず乗り切るにはどうすべか? 答えは一択です。人民元を刷りまくって通貨を切り下げるしかありません。 パンダバズーカがやってくる。 アメリカと中国のどっちが先に倒れるかのチキンレースなのです。 GREAT TAKING 世界恐慌下、米金融システムへの不安が募り取り付け騒ぎが発生し始めた1933年、大統領に就任したルーズベルトは、就任の翌々日から悪名高きBank Holidayを開始しました。 FRB以外の全ての銀行が休業となり、国民は銀行から金も現金も引き出せなくなったのです。この過程で数千もの銀行が廃業に追い込まれ、そういった銀行に預金をしていた米国民は財産を失いました。また、大量のデフォルトも発生し、米国民は多くの資産を差し押さえられました。 FRB(ユダヤ人)が認可を与えた銀行のみが操業再開を許され、そういった銀行は倒産した銀行やデフォルトした国民の資産を吸収し肥え太ったのです。 また、ルーズベルトは国民の金保有を禁止しました。金保有者はディスカウント価格で政府への金売却を強要されました。 金と現金との兌換も禁止され、ゴールドスタンダードを停止する措置にも踏み切りました。 世界恐慌には、米国民の財産没収という側面(目的?)があったのです。 この歴史を踏まえ、「今回も似たようなことやるんじゃねーか?」という憶測(GREAT TAKING)が広まっています。 現在では、あらゆる資産や証券はDTCC (Depository Trust and Clearing Corporation)の下で一元管理されており、財産没収がやりやすい体制になっているのです。 あなたが保有する預金や株券は、本当にあなたの資産でしょうか?? 中央銀行デジタル通貨とベーシックインカム もはや持続不能な程に制度疲弊した中央銀行−フィアット通貨−政府債務の枠組みですが、権力者達が既存の仕組みを延命し、引き続き世界を思いのままに操る企て、それが中央銀行デジタル通貨(CBDC)とベーシックインカムであると私は理解しています。 CBDCが導入されるとデジタルウォレットと個人の納税者番号等が紐付けられ、給料の振り込みと同時に税も公共料金も自動で引き落とされます。プライバシーも脱税の余地もない独裁的監視社会の到来です。 中央銀行が政策金利を変更すると、その金利が直接個人のウォレットに反映され、消費行動すら思いのままに操られます。 社会保障と政府財政のバランスはベーシックインカムによってなされ、生かさず殺さず国民の不満も出ないぐらいの金額が毎月振り込まれます。人類の家畜化です。 何でも自分が正しくて、何でも自分が一番で、何でも自分の思い通りじゃないと気がすまない欧米エリート達が夢見るデジタル独裁社会です。 ところで、CBDCの導入はそのまま上述のGREAT TAKINGと連動します。 もしCBDCが、民間の小口送金をカバーするリテールCBDCであった場合、市中銀行は送金業務を失い、中央銀行が送金のシノギを独占することになります。あるいは、市中銀行がCBDCにペッグされたステーブルコインを発行して、そちらで送金ビジネスに絡むという形になります。 いずれのケースにせよ、リテールCBDC導入となった場合、今みたいに地銀がたくさんある状態は持続不能なわけで、銀行セクターの壮大な合従連衡が必要となるのです。 このシナリオを実現するためには、世界恐慌2.0でも演出して、無理やり地銀をメガ銀行に喰わせ、1930年代を再現する必要があるのです。 GREAT DEFAULT 干ばつによる農業の不作と過度なインフラ投資のため、ザンビアの政府債務/GDP比率は2019年時点で100%近くにまで上昇し、政府支出の30%超がデットサービスに費やされ、最大の支出項目となりました。(今のアメリカみたいですね。) 信用不安から通貨Kwachaは暴落し、通貨危機に陥ったザンビアは2020年11月対外債務のデフォルトを余技なくされました。 通貨の信任を失ったり、インフレがコントロール不能になったりした国家の取り得る選択肢はデフォルト一択になります。これは先進国だろうが覇権国だろうが、債務が国内債務だろうが関係ありません。通貨が死んだ時点でアウトです。 そして、一旦デフォルトして債務リストラクチャリングのフェーズに入ってしまえば、ザンビアがそうっだったのですが、通貨危機が急速に収まるものなのです。 最近、個人的に親交のあるヘッジファンドマネージャーとアメリカの政府債務の落とし所について議論したのですが、彼の返答は驚くべきものでした。
米国債は資産・担保として世界中の金融機関等のバランスシートに組み込まれています。 これがもしデフォルトしてしまうと、世界を道連れにしてデフォルトの無限連鎖が起きてしまうのです。 私はさすがにこのシナリオは避けると思うのですが、たしかにアメリカがもし通貨危機になってしまえば、アメリカといえどもデフォルトしか選択肢がない状態になり得るでしょう。最悪の破壊的リセットです。 昨年、米政府の債務上限撤廃に関する議論のなかで、イーロン・マスクは「米国はデフォルトする。問題はいつデフォルトするかだ」とまで述べました。 マスクの頭脳をもってしても、やはりデフォルトという最悪のシナリオが浮かんでしまうのです。 ミレイノミクス 「世界には4つのタイプの国がある。先進国と途上国と日本とアルゼンチンだ」というのは経済学者の間でよく使われるフレーズです。 かつて世界で最も裕福な国であったアルゼンチンは経済モデルの転換が遅れ、デフォルトとインフレを繰り返す貧しい国となってしまいました。 現在の主要国もこれから似たような状況に陥る可能性もあり、アルゼンチンは未来を生きる国なのかもしれません。 そんなアルゼンチンが変革しなければならないタイミングで、彗星の如く登場した過激な新大統領ハビエル・ミレイは要注目です。 前回投稿で、「アルゼンチンが本当にBRICSに加盟するかは怪しい」と注意書きしましたが、やはりミレイはBRICS加盟を取り止めました。ミレイ自身が西側傀儡ですし、まぁ政局にある国ではこんなちゃぶ台返しも起こり得ます。 これが中国の逆鱗に触れ、命綱の中国人民銀行からのスワップラインもカットされ、いきなり正念場を迎えてしまったミレイですが、彼の政策は要注目でしょう。
経済学者でもあるミレイは「インフレとは貧困である」との考えを持っています。 政府・中央銀行がお金刷りまくれば、その恩恵を真っ先に受けるのは腐敗した政治家であり、経済に還流したお金が最後に労働者に分配される頃にはインフレで恩恵が帳消しなるということです。 だからこそ中央銀行の廃止や経済のドル化、小さな政府・小さな公共サービスを推奨し、インフレを防ぐべく、国家と通貨を切り離すという大実験を行おうとしているわけです。(少数与党なので本当に実現できるか怪しいですが) ミレイからは目が離せません。 話は逸れますが、この「小さな公共サービス」という部分はアゼルバイジャン(ソ連?)にも通じるものがあります。 アゼルバイジャンの平均寿命は70歳程度ってことになってます。ただ実際にアゼルバイジャン人に聞くと、「寿命は60代だ」って答える人がけっこういます。この国の統計データは全部嘘っぱちなので何が本当かは分からないのですが、要は寿命が短いのです。 これは当然で、アゼルバイジャンでは年金システムが貧弱らしく、硬いパンやチーズをかじって飢えをしのいだり、物乞いをしているような老人をけっこう見かけます。いざ体調を壊して病院に行っても、医者が超適当で、先端設備もなく高度な治療は期待できません。その結果、アゼルバイジャン人は勤労期間を終えるとすぐに70歳前後ぐらいでポックリ死んでしまうのです。 ただ、これは若年層の社会保障負担や介護負担が低いということでもあり、日本みたいに老人が若者を食い潰す負のスパイラルに陥るのを防いでるとも解釈できます。 「社会保障が貧弱」→「働き終えたらすぐ死ぬ」→「社会保障負担が軽い」→「社会保障が貧弱」→∞ループ ということです。 生産活動を終えた老人は経済学的には負債です。 アゼルバイジャンで起きていることは組織的な姥捨山ですが、政府が憎まれ役になって負債(老人)を早めに切り捨てることで、社会全体が持続可能になっているとも考えれます。 『社会保障を手抜きすれば、老人がすぐ死んで若者の負担は軽くなるんだ!』という当たり前のことにアゼルバイジャンで気付かされました。 是非この仕組みを日本にも!なんて成田悠輔みたいなことは口が割けても言いません。 GOLD REVALUATION 中央銀行が国債利子等から得たシニョレッジ(通貨発行益)は、国庫に納付されます(一部株主に配当されますが)。日本では日銀納付金と呼ばれるものです。 これは中央銀行の利益・資本が十分ある場合の話であり、現在のように利上げの結果中央銀行が含み損を抱えバランスシートが毀損した状態では国庫納付はできません。FRBもブンデスバンクもカナダ中央銀行もシニョレッジの国庫納付を停止しており、そのため政府財政が逼迫する事態に陥っています。 英国ではあべこべ政府が公的資金を注入してイングランド銀行を救済する方針です。 中央銀行の損失は納税者の負担となるのです。 1930年代、オランダがゴールドスタンダードを停止に踏み切る際、通貨ギルダーを対ゴールドで切り下げ、オランダ中央銀行はその結果生じた金準備のギルダー建て含み益(Gold Revaluation Account)を国庫納付して財政の難局を乗り切りました。 さて、欧米の中央銀行は現在莫大な金準備を保有しており、政府・中銀の財務が悪化するなか、再びGold Revaluationを実施して、この金準備の含み益で財政を建て直すのではないかとの憶測が出回っています。 ただし、フィアット通貨体制の下でGold Revaluationを実施すれば、「フィアット通貨の失敗」というメッセージにもなり得るでしょう。また政府財政を建て直すには、100年前のオランダのように、通貨を対ゴールドで大幅に切り下げた上での価値の洗い替えになると思います。 ゴールドが財政のバックストップとして機能してしまうことで、「ゴールドスタンダード」へ回帰という流れにも繋がりかねないでしょう。悩ましいのです。 欧州の中央銀行は横並びでGDP比で4%程度の金準備を保有しています。 これはいざゴールドスタンダードに回帰した際に不公平が生じないよう、経済規模と金準備の比率を制限する密約があるとされています。(有名過ぎてもはや密約ではない) 世界はフィアット通貨体制の崩壊とゴールドスタンダードへの回帰に備えているのです。 米良美一 前回投稿で、脱ドル化(De-dollarization)について「仮に中印が慎重姿勢でも、ロシアとアラブだけで強引に進める」とコメントしましたが早速動きがありました。 昨年12月にプーチンがサウジアラビアを訪問しました。 訪問団の中にはチェチェンのカディロフの姿もあり、これはガザのPKOにチェチェン軍が参加するということなのかなと理解しています。 注目すべきは、写真右端の米良美一にそっくりな女性、ロシア中央銀行総裁Elvira Nabiullinaです。 このタイミングでロシア中銀総裁がサウジを訪れるということは、「脱ドル化を目的として、ゴールド・コモディティー本位のBRICS通貨体制を構築すべく、サウジとロシアが重要な議題につきバチバチにやり合った」と考えるのが自然でしょう。 ニクソンショックからペトロダラー体制への移行を決定づけたのはサウジです。 ソビエトを崩壊させたのもサウジです。 大局の決定権はサウジにあるのです。 ペトロダラー体制の終焉から早一年、2023年の世界の原油取引の20%はドル以外の通貨で決済されたという衝撃的なニュースも出てきました。 Zoltan Pozsarは、世界は新たなマネタリーシステム(ブレトン・ウッズIII)に移行すると予想し、その研究に特化したシンクタンクをわざわざ設立しました。 Vivek Ramaswamyは「BRICSがゴールドスタンダードに移行するのであれば、米ドルの資金調達コストは跳ね上がる。これに対抗するには米ドルもハードアセットにペッグしなければならない」と米ドルのゴールドスタンダード移行に言及しました。 一歩一歩、ドル基軸通貨体制が音を立てて崩壊していきます。 Multicurrency Mercantilism ゴールドスタンダードはインフレ対策には良いのですが、使い勝手の悪いシステムでもあり、本当にそっちに移行するかはまだまだ分かりません。 目先の変化として、とりあえず世界が向かうのはMulticurrency Mercantilism(多通貨重商主義)でしょう。 この分野は私も全くキャッチアップできてないのですが、要は交易重視のマネタリーシステムで、交易で外貨・金を貯めた国が裕福になるというコンセプトです。 また決済にはドルを介さず(脱ドル化)、各々の国の通貨を利用するというものかと理解しています。 前回投稿で言及したように米国やアングロ系の国々は通貨(空気)を輸出したり、投資を受け入れたり、要はマネーゲームで他国の財布を使って潤っているわけで、これが交易ベースのMulticurrency Mercantilismに移行すると、欧米は今までような購買力は維持できなくなるでしょう。 また、ドルをバイパスされればドルの需要は一気に減少するので、為替面でも不利になると思います。 既に世界で100ヶ国近くがドルを減らし、自国通貨での交易に移行すると宣言しています。
上手くいくかどうかは分かりませんが、世界は急速にドル・SWIFTから離脱して、Multicurrency Mercantilismに向かっているということです。 ベトナム戦争による財政赤字と経常赤字そして金準備不足が顕在化し、ドルの危機的状況が待ったなしとなった1971年、西ドイツは固定レートでのマルクとドルの交換を停止し、英仏がドル準備と金との兌換を要求しました。 システムとして持続不能になったブレトン・ウッズ体制はここに崩壊し、ニクソンショックが起きました。ドルは金との兌換を停止(デフォルト)、フィアット通貨として変動相場制に移行することとなったのです。 アメリカがどんなに強大な国であっても、仕組みとして機能しなくなり、ユーザーが「ダメ!」と言ったシステムは維持できないのです。 さて、サウジはニクソンショック以降ドルのバックストップとなっていたペトロダラーの枠組みを放棄し、世界100ヶ国近くが既にドル基軸通貨体制に「ダメ!」と言っている状態です。 ドル基軸通貨体制は果たして持続可能でしょうか?? 個人的には、グローバルサウスの国々がある日突然ドルの使用をBANするのではないかと勘ぐってます。 途上国の多くは対外債務国なので、ドルをBANしてドルが暴落すれば、彼らは債務免除のような状態になってお得なのです。 HYPER-BITCOINIZATION
要は、Bitcoin・暗号資産を本格的にアメリカの金融システムに組み込むにあたって、Binanceが価格決定力を有し、中国人(CZの国籍は一応カナダですが)が業界を仕切るという体制は、アングロサクソンには受け入れられないのです。 CZが亡きものとなった今、これからはウォールストリートがBitcoinの市場を仕切るということです。 脱ドル化が現実的な驚異となりつつある今、いざという時のために政治的に中立な暗号資産にエクスポージャーを持っておくことは米国にとってリスクヘッジになるでしょう。 BRICSに覇権を取られるぐらいなら、暗号資産をプッシュした方がまだマシだと米政府は考えているかもしれません。 Friedrich Hayekは生前、国家による通貨発行の独占は終焉を迎え、民間が発行した通貨が自由市場で競い合う未来を予言していました。 Zoltan Pozsarは、彼が今まで提唱してきたマネタリーシステムの改革案に関する提言は、ほぼほぼBitcoinの設計思想と合致すると述べています。 インフレ耐性も、接収・制裁リスク対策も、デジタル対応も、あらゆる通貨の欠点を克服したのがBitcoinです。 今次リセットにおいて、Bitcoin・暗号資産は大きな役割を担うのかもしれません。 また、もしBRICSが脱ドル化を進め、コモディティーにペッグされた通貨が今後主流になるとしたら、FXやコモディティー市場はボラティリティーが低下した退屈なアセットクラスとなる可能性があります。 そうなった時、Bitcoin・暗号資産が投機マネーの受け皿としても、より大きな存在感を示すようになるのではないでしょうか。 ちなみにCZとイーロン・マスクは元同級生です↓ 南北戦争2.0 奴隷制継続等の論点で米国が南北で二分された1860年の大統領選、共和党は南部に地盤を有さず、リンカーンは南部諸州で大統領候補として立候補すらできていない状態でした。こうして南部州の民意を問うことなく大統領となったリンカーンですが、就任後に南部諸州は独立を宣言し、米国はそのまま南北戦争へと突入していきました。 国が二分され、コロラド州とメーン州がトランプの大統領選出馬資格を剥奪しようとしている現在の状況は、南北戦争当時の米国と酷似しています。 ところで、バイデンの勝利に終わったコロナ禍での2020年米大統領選挙ですが、私は本当はトランプの圧勝だったのではないかと思っています。 パンデミックという特殊事情もあり、本人確認をしない郵送投票が全体の46%を占めた前回の大統領選挙では、不在者投票と本人投票とで、もはや論理的な説明が不可能な程の乖離が発生していました。 投票方法別の結果を公表している15州について内訳を見てみると↑、本人が投票所を訪れる当日投票ではほぼトランプが圧勝していたのです。 一方で、本人確認をしない不在者投票ではバイデンが圧勝しています。 ちなみに2016年以前の大統領選挙では不在者投票と本人投票でここまでの乖離は発生していません。 直前の世論調査と比べてみても、過去40年間で最大のエラーが発生しており、調査機関もなんでこんなに世論調査が外れたのか説明がつかないと頭を抱えています。 そりゃそうです。 2020年の米大統領選挙では、主に民主党側で、郵送投票や開票作業を中心に、空前絶後の選挙不正が行われたのですから。
Washington Post / University of Marylandの調査によると、36%の米国有権者がバイデンは正当に選任された大統領ではないと回答しています。 今年の大統領選挙で、もし民主党が同じような不正をしたら、冗談抜きに南北戦争のような内乱が起きてもおかしくないでしょう。 昨年、フランスもロシアも内乱に突入しかけましたし、現在ドイツも革命前夜みたいな状況です。 内乱はもはや歴史の教科書の中の話ではなく、主要国ですぐにでも起こり得るものだと認識した方がよいでしょう。 もし内乱に突入したとして、米軍やFBIの偉い人は民主党側なわけですが、現場の軍人や警官はかなりの割合がトランプ側につくのではないでしょうか? 2024〜米国史上最も重要な大統領選挙へ〜 Jeffrey Gundlachは、今年の大統領選挙を機に、米国はMulti-Generational Reset(今後数世代に渡り影響を及ぼすリセット)に突入すると警鐘を鳴らしています。 間違いなく、米国史上最も重要な大統領選挙になるでしょう。 南北戦争以降ここまで米国内が分断されたこともなければ、これほどまでに世界の行く末に影響を及ぼす大統領選挙もなかったでしょう。 Bill Ackmanは、バイデンでは民主党に勝ち目はなく、このままではトランプが大統領になると言っとります。バイデンを降ろして、Dean Phillipsを民主党候補にせいと口走り始めました。 Roger Stoneは、バイデンじゃ無理だから、ミシェル・オバマを民主党の候補にしようと今さらなことを口走ってます。 風はトランプに吹いているのです。 Vivek RamaswamyとRon DeSantisは、共和党内の候補者争いから撤退し、トランプを支持することを決めました。おそらくRobert F. Kennedy, Jr.もトランプ陣営に加わるでしょう。 日本のメディアが激推しする"賄賂差別戦争オバちゃん"ことNikki Haleyは、引き立て役&トランプが暗殺された場合の代打要員として、しばらく共和党予備選に残るのでしょう。 Doug Caseyは意外にも民主党が有利だと主張しています。理由は「民主党の方が不正が得意だから」だそうですw たぶん、民主党は今度は不法移民に選挙権を与えて、移民票で勝つつもりなんだと思います。トランプは移民の強制送還を公約としているので、移民に選挙権が与えられたら移民はみんな民主党に投票します。あるいは世界大戦に突入した場合、市民権と引き換えに不法移民を最前線に送り込むつもりなんでしょう。 Doug Caseyはまたこうも述べています。「どちらが勝っても、ハッピーエンドや平和的な結末はあり得ないだろう」 NewsomとVivekの新時代 昨年11月のサンフランシスコAPECにて、なんと中国の習近平とカリフォルニア州知事のGavin Newsomのタイマン会談が実現しました。一介の知事としては、異例の大抜擢です。 これにより、Balaji Srinivasanはバイデンの後継者はNewsomであると主張しております。 おそらく2028年はNewsomを民主党の表の顔として大統領選を戦うのでしょう。 対する共和党は、(日本のメディアがひた隠す)Z世代に大人気の若きVivek Ramaswamyが次世代を担うのではないでしょうか? 強引なトランプと対象的に、融和を促すVivekは国内で対立の深まる米国に最適なリーダー像でしょう。こいつバックグランドは怪しいですが、ディベートは抜群に強い。 トランプが暗殺されたり、バイデンが世界大戦を始めたりしない限りは、11月にトランプが新大統領に就任するでしょう。 しかし、いかにトランプといえど、この難局を首尾よく乗り切るのは絶対無理です。まともな評価は得られないでしょう。 AFTER TRUMPを見据えた若きリーダー達の争いから目が離せません。 ウクライナとユーロとポーランド 当ブログではウクライナ戦争開戦直後の段階でロシアの経済統計に目を通しておりましたので、
ウクライナの若者は逃げ出すか戦死するかしてしまい、もう継戦能力はありません。Douglas Macgregorはウクライナ軍の戦死者数は40万人と推計しています(昨年8月時点)、本当かどうか知りませんが。 ウクライナ軍の平均年齢は今や43歳で、女性やダウン症の兵士が前線に駆り出されています。 イスラエルのガザ侵攻以降は、「もうウクライナにかまってらんね〜」と言わんばかりに、ウクライナ支援に対する否定的な論調が目立ってきました。 スイスにて(ロシア不在で)和平協定に関する議論を始めるなど、潮時の空気感が漂っています。 プーチンとしてはオデッサまで落としたいところですが、あんまり攻め込みすぎるとアメリカが参戦せざるを得ない状況になっちゃうので、それは米露双方望むところではなく、米大統領選の様子を見つつ、習近平かトランプをヒーローにしてどこかで手打ちというのも考えていることでしょう。 昨年12月、アルゼンチン新大統領ミレイの就任式にゼレンスキーが出席して話題となりましたが、おそらくゼレンスキーはアルゼンチンへの亡命をお願いに行ったのではないかと思っています。 さて、↑Centre for European Policyの研究はとても興味深いです。 ユーロの導入によりドイツとオランダ(ロッテルダム港)は経済的に恩恵を受け、逆にイタリアやフランスは巨額の富が流出したとのことです。 けっこう荒い試算ではあるのですが、まぁ概ねその通りなんでしょう。 為替を継続的に切り下げて製造業の競争力を維持していたイタリアは、ユーロ導入に伴い強いドイツマルクにペッグされたような形になり競争力を失いました。また国境がなくなったため、EU圏全体がドイツ製品の市場のような状態になりました。 こうしてドイツが稼いだ経常収支はドイツ人の観光・投資という形で欧州に還流されるのですが、手持ちのユーロをユーロ圏で利用するだけなので、ドイツにとって為替の切り下げは発生しません。ドイツ人は為替を気にすることなく、どんどん欧州の資産を抑えることができたのです。 ユーロとは、第四ライヒ・ナチス帝国が、おっと失礼、ドイツが欧州を経済支配するための枠組みなのです。 前回投稿で指摘した通り、この仕組みは安いロシア産ガスによってドイツの製造業が競争力があるという前提です。 その前提が壊れた今、ドイツでは急速に産業空洞化が進んでいます。 ようこそ失われた10年へ。 もしこのままドイツが衰退する流れになれば、ポーランドが欧州の超大国として台頭してくれるかもしれません。 バランスの良い経常収支構成とGDPの堅調な伸び、軍事力の増強等、ポーランドのプレゼンスの拡大は目覚ましいものがあります。 ウクライナのゴタゴタに便乗してポーランドがウクライナ西部を併合する流れになれば、ウクライナの豊かな石油・ガス資源を取り込み、名実ともに欧州の超大国となり得るでしょう。 さて、急成長中のポーランドは自国通貨ズウォティを利用しており、ユーロを採用する予定もありません。 ポーランドがもし超大国になったとして、その時ユーロの存続意義はあるでしょうか? それ以前にイタリアやフランスがユーロを利用し続けるメリットはあるでしょうか? また別のシナリオで、世界がゴールドスタンダードに移行したとすると、各国の購買力は各国中央銀行の金準備に比例します。 金が共通通貨として機能する状況で、他国の信用リスクに晒されてまで共通通貨ユーロを継続するでしょうか? 果たして10年後にユーロという通貨はまだ存在しているでしょうか? 日沈む国 FRBセントルイスは、日本政府+日本銀行+ゆうちょ銀行+GPIFを合算した、連結日本政府バランスシートを作成しました。 これを見てみると、調達サイドは低金利の政府国債と日銀当座預金(日銀が刷った円)でまかなわれております。 一方、資産サイドは財政投融資に加え、GPIF・外為特会の外貨運用も大きいです。調達サイドに比べ、足が長くリターンの高い商品で運用されています。円安で為替差益も出ています。 2021年時点で資産・負債を合算したバランスシートサイズは20兆ドル(GDP比500%)にもなり、為替ストラテジストのGeorge Saravelosはこれは20兆ドルのキャリートレードであると指摘しています。 そして、この仕組みはインフレになったら壊れてしまい、また、日銀が金融緩和をやめるのか継続するのか、いずれにせよこのバランスシートは日本社会に破壊的な結末をもたらすと警告しています。
さて、この先一体日本に何が起こるか?オプションは3つです。
八方塞がりなのです。 昨年の日銀新総裁人事では、日銀出身者も財務省出身者も総裁就任依頼を固辞しました。こんなの誰もやりたくたいないですよね。 学者出身者として初めて日銀総裁に就任した植田和男氏は、状況を理解した上で、おそらくA級戦犯の汚名を被る覚悟で敗戦処理の役目を引き受けたのだと思います。 佳子さまの花婿 日本人はすっかり忘れてしまっているようですが、ほんの80年前まで日本は中国を植民地支配していました。 さて、もし本当にBRICSが欧米覇権を終焉させ、中国が世界を仕切るような状況になったと仮定しましょう(というか人類史はほとんど中国が仕切ってた)。 中国が、かつて日本に支配された「日本>中国」の状態ままで黙っているはずがありません。 必ず日本に苛烈な仕返しをし、日本人の尊厳を踏みにじるようなイベントを持ってきて、力づくで「中国>日本」となるような歴史の上書きをし、全日本人を屈服させようとしてくるでしょう。 それが尖閣諸島の併合なのか、中国軍の日本駐留なのか、シーレーンの封鎖なのか、遣唐使の復活なのか、あるいは経済制裁なのか分かりませんが、絶対になにか仕掛けてくるはずなのです。 もし自分が中国共産党のお偉いさんだったら、私なら適当な中国共産党幹部の三男坊あたりと佳子さまを結婚させます。 私は下衆な性格なので、下衆の考えることは手に取るように分かるのです。 中国共産党の中にこのシナリオを考えている奴はいると思います。 中国がもし本気で佳子さまを要求してきた時、日本に断る力もないでしょう。 このシナリオが嫌ならとっとと佳子さまを嫁に出しちゃいましょう。 お相手は山の王子でも川の王子でも、小室圭を一夫多妻制で眞子さまとシェアでも何でもいいです。 大惨事世界大戦 前回投稿にて「中東全域を巻き込んだ地域紛争あるいは世界大戦」が発生しかねないと嘆いてしまいましたが、早くも中東が燃え上がっています。 まさかフーシ派がここまで前のめりに紅海の裏側からミサイルぶっ放してくるとは思ってませんでしたが、当面の着火点はイエメンのようです。 紅海は欧米系の船がほぼ運航できない状態になりました。 これはアメリカにとって痛いところです。海上交通の安全保障は米軍の十八番であり、これこそが米国が超大国である証でもありました。 しかし今回のイエメンの攻撃により、「アメリカの同盟国だと逆に海上交通が危険に晒される」という状況ができてしまったわけです。 また一つアメリカの優位性が失われていきます。 少し視野を広げると、イラク・シリアが米軍基地を攻撃し、ニジェールではクーデターが起き、北朝鮮はミサイルぶっ放し、ベネズエラも軍事行動を匂わせています。 グローバルサウスは欧米との全面衝突を避け、地理的に分散したヒット&アウェイで戦う戦術のようです。 さて、中国のTwo States Solutionを蹴ったイスラエルはとことん戦い抜くしかない状況です。 このままもし欧米覇権が終焉すれば、カラバフのアルメニア人ように、ユダヤ人はイスラエルから追い出されることになるでしょう。 残された手段は力ずくでパレスチナ人を皆殺しにして追い出し、欧米を引きずり込んで戦線を拡大するしかないのです。 前回投稿で欧米+イスラエルの狙いはエジプト・アルジェリアかもしれないと言及しましたが、早速イスラエルがエジプトとの国境のPhiladelphi Corridorにちょっかい出してます。 ここでイスラエルが軍事行動を取れば、即エジプト軍との衝突になります。 どうもイスラエル+米英は世界大戦辞さずといったところまで、腹をくくっているように見えます。 忘れてはいけないのは、欧米には核戦争のオプションがあります。適当なグローバルサウスの資源国を核攻撃して力ずくで屈服させ、恐怖支配で覇権を維持するというシナリオも全然あり得るのです。 一方で、欧州は腰が引けてきたように見えます。 米国が立ち上げた紅海での対イエメン軍事作戦Operation Prosperity Guardianから、スペイン・イタリア・フランスがバックレました。 欧州諸国にも「これ以上敵作ったらマズいんじゃね?」という空気が漂い始めているのです。 面白かったのは、Game of Thronesのキャスト達が、南アフリカによるICJへのイスラエル提訴を支持する声明を出したことです。 これまで体制のど真ん中にいて、嬉々としてイスラエルによるジェノサイドを応援していた欧米白人達が、潮目が変わったのを感じ取り、自分だけでも助かろうとして、欧米を裏切り始めたのです。 米英が爆弾を落としている裏側では、中国はミャンマーの停戦を実現しました。 中国は着々と平和的覇権国としての実績を積んでいるのです。 最前線より 思えば私はアゼルバイジャンで凄まじいものを見たのかもしれません。 振り返ってみると、
法と秩序に基づく国際社会が崩れ去り、暴力が支配するようになった21世紀の世界、その大きなうねりの最前線にはいつもアゼルバイジャンがいました。 ソビエトとテュルクと民族主義が色濃く残るこの軍事独裁国家には、本能のままに敵を根絶やしにし、嘘で塗り固めたプロパガンダを振りかざし、力ずくを版図を書き換える民がいました。 このユーラシア大陸の歴史の生き字引のような国の、決して教科書には載らない克明な観察日記を残すことができたのは、大きな財産であったと自負しています。 もちろん学術的な価値は全くありません。 外人エクスパットや日本人居住者もみんな私と似たようなこと言うので、この国には間違いなく本ブログに書いたような傾向は存在するのですが、それを証明せよと言われてもできません。 あくまで、一個人の感想文です。 圧倒的なフォロワー数を武器に、日本人に欧米崇拝的価値観を植え付ける"マクロンの洗脳エージェント"こと西村ひろゆき氏がこんなブログを見たら、こうつぶやくでしょう。 「それってあなたの感想ですよね?」 「愛は地球を救う」をテーマに、数少ない読者の皆様の心無い誹謗中傷に励まされながら5年間走り続けてきたアゼルバイジャン移住ガイドですが、本投稿をもって"完走"とさせて頂きたいと思います。 とても酷い内容ですが、貴重な真実の記録でもあると思うので、ウェブサイト自体はしばらく公開したままにしようと思います。 アゼルバイジャン移住ガイドは終わってしまいますが、一度でも目を通して頂いた暇人な読者の皆様とは、どんなに離れていても心はそばにいると思っています。 それでは皆様良い一年を。
2 コメント
イスラエル軍のガザ地上侵攻に伴い、いよいよ洒落にならない状況になってきました。 日本人がのほほんとハロウィンに興じる中、中東全域を巻き込んだ地域紛争、あるいは世界大戦すら発生しかねない程、地政学環境は緊迫の度合いを増しています。 当ブログでは以下のような指摘をして参りました:
昨今の金融・地政学の動向を見るにつけ、これらの内容は自分でもびっくりするほど的中していたと思います。 ただし事態は想像を絶するスケールで進展しています。 ペトロダラーの終焉 2023年初頭、世界に衝撃が走りました。 サウジアラビアが中国に人民元建てで石油・ガスを輸出することを決めたのです。 これはニクソンショック以降50年以上に渡って、米ドルを基軸通貨たらしめてきた、米ドルによる国際石油取引決済の独占が公式に終焉したことを意味します。 1971年のニクソンショック以前の米ドルは、金との一定比率での兌換を保証しており、ゴールドを担保として米ドルの価値を保っていたわけです。 ところが朝鮮戦争・ベトナム戦争での歳出増や貿易赤字の増大に伴い、米国はゴールドがすっからかんになり、この枠組みを維持できなくなりました。 そこで代わりに、サウジに安全保障を提供する見返りに、石油決済を米ドルで独占することで、「米ドルは石油との交換チケットだよ」として生き永らえたわけです。 以降の米ドルは米国債を担保に発行されるフィアット通貨へと生まれ変わりました。 要は通貨の価値貯蔵機能を犠牲にしたただの紙切れであり、一度財政規律を無くせば、購買力を失い続けるような代物です。 そもそも人類の歴史上、通貨とは金や銀を担保にして購買力を保証したものであり、フィアットを基軸通貨にして上手くいった例なんてないわけです。 ローマ帝国然り、宋王朝然り、通貨を薄めた国は最後には通貨の信用を失い、インフレで破綻してきました。 通貨の購買力が担保されなくなり、インフレを前提としたデットベースのマネタリーシステムに移行したニクソンショック後の経済下では、生産性の向上に分配が追いつかず、庶民がひたすら貧乏になるという世界線となったのです。 こんなの持続不能です。
また、中国の仲介でサウジはイランと関係を正常化しました。 安全保障面からもペトロダラーの価値は無くなってしまったわけです。だってサウジの敵がいなくなったんだもん。
さて、米国が超大国であり先進国でもある唯一無二の理由は『米ドルが基軸通貨だから』です。 その米ドルの価値を裏打ちしていたペトロダラー体制が崩壊しました。 日本人がのほほんとしている間に、第二次大戦以降最大の地政学イベントが起きていたのです。 ドルが爆弾になって降ってくる 米ドルが基軸通貨である限り、米国は無尽蔵の資金調達が可能になります。 米国以外の国が自国通貨の価値を担保するのは、外貨準備、すなわち米ドルの保有額です。 虎の子の資源を欧米に買い叩かれた新興国は、通貨危機を防ぐべく、なけなしの国富を米国債・米ドルの形で保有します。米政府が米国債を発行して資金調達をすればするほど、新興国はこぞって米国債・米ドルを買い漁るわけです。 すると、アメリカはドル(空気)を輸出することで、金融収支の形で資金が還流し、経常赤字だろうがガンガン消費と輸入ができてしまうわけです。 アメリカに限らずアングロ系の国々や金融立国はだいたいこんな感じの、他国の財布で自国の消費を賄う乞食型のビジネスモデルです。 さて、これは米ドルが基軸通貨である限り、米軍も無尽蔵の資金調達ができることを意味します。 新興国が必死に貯めた米ドルが、米軍の爆弾になって新興国に降ってくるわけです。 脱ドル化とBRICS新通貨 今年の流行語大賞はDe-dollarization(脱ドル化)でしょうか? 8月開催のBRICSサミットにて、ドル覇権を終焉させるべく、BRICSが金本位性の新共通通貨を発表するとの憶測が出回りました。 インドの慎重姿勢もあり、また専門家からも現実的でないとの指摘もなされていますが、水面下で取り組みは進んでいるようです。 懐疑論を他所に、世界の中央銀行は記録的なペースでゴールドを買い漁っています。 また、中国人民銀行は、政府系金融機関等を利用して巧妙に実態を隠し、公表値(2,136トン)の2倍強にもなる5,000トンものゴールド現物を保有しているとの分析もあります。 世界は理解しているのです。 コロナ禍での記録的な通貨発行が不可逆的なインフレを引き起こし、フィアット通貨にこれまで以上の大幅な購買力の損失(切り下げ)が不可避であり、また現行のフィアット基軸通貨体系が持続不能な状態にすらなり得ることを。 脱ドル化は猛烈な痛みを伴います。 グローバルサウス自身も外貨準備として大量のドル資産を保有しているわけですし、米ドルは決済・担保・価値尺度として現行の金融システムの奥深くに根ざしています。 これを終焉させようとすると、世界の経済・金融の枠組みは根底からぶっ壊れ、間違いなく世界恐慌を遥かに凌ぐ大混乱が訪れるわけです。 しかしながら既述のように、この脱ドル化の流れは単なる通貨戦争ではなく、生存権を賭けた戦いです。 BRICSはリーマンショック以降10年以上の歳月を賭けて脱ドル化の準備をしてきました。 どれだけの返り血を浴びようが、どれだけの経済的不利益を被ろうが、BRICS・グローバルサウスは絶対に脱ドル化を成し遂げ、欧米による武力経済支配を終焉させます。 絶対やります。生き残るために。 仮に中印が慎重姿勢なら、ロシアとアラブだけで強引に進めるでしょう。 一度列車が走り出したら、世界は飛び乗らざるを得なくなります。 各種ニュースを参考にした私の想像ですが、おそらく金・コモディティーを担保にBRICS共通のデジタルトークンを創り、それを外貨準備・貿易決済に利用するという枠組みになるのではないでしょうか? 手数料徴収のような形で加盟国に通貨発行益(シニョレッジ)が入ってくるのでしょう。 一方で、BRICS諸国は為替操作国です。為替レートを恣意的に操作することでマクロ経済運営をしています。 おそらくは国内用に為替をコントロールしやすい自国フィアット通貨(人民元、ルピー等)も維持する二重通貨体制になるのではないでしょうか? 中国は現状、人民元・オフショア人民元・香港ドルで似たようなことをやっているので、こんな枠組みも十分あり得ると思います。 来年サウジ、UAE、イラン、アルゼンチン、エジプト、エチオピアが新加盟国としてBRICSに参加することが決まっています。(アルゼンチンは怪しいと思いますが) BRICSに加盟後、おそらくサウジとUAEがどこかのタイミングでドルペッグから離脱するのではないかと個人的に予想しています。これが開戦の狼煙となるでしょう。 今思い返せば、ウクライナ戦争の最大の目的って、BRICS&グローバルサウスが欧米支配・ドル覇権体制に反旗を翻すカタリストだったのではないかと思います。 いつやるか?今でしょ! 「意味分かんねーよ!」の決め台詞でお馴染み、"意味分かんねーよ山添"こと山添博史氏は、ロシアがなぜこのタイミングでウクライナの侵攻したのか、意味が分からないとのことです。 そうでしょうか?私は逆に今しかないと思います。 中国には習近平、ロシアにはプーチンという長期安定政権が君臨しています。 大きな仕掛けをするのであれば、齢71歳のプーチンが健在の内にというのは合理的な判断でしょう。 金融に目を移すと、中国のCIPS国際送金網が世界に普及し、デジタル人民元や、ブロックチェーンベースのmBridgeも実用化段階に入りました。 テクノロジー面を見ると、中国版GPSであるBeiDouが一気に普及し始めました。 SWIFT送金網とGPSという、米国を超大国たらしめてきた2大インフラが中国によって代替されてしまったわけです。 エネルギーに目を移すと、石油需要が今世紀前半にピークアウトするとの分析が出回っています。(本当かどうか知りませんが。) また、今世紀中にも核融合発電が実用化され、クリーンなエネルギーが無尽蔵に供給される未来が手の届くところにまで来ました。 産油国を抱き込んで世界覇権の奪還を狙うのであれば、油がまだ地政学的なパワーを有している間に急いで仕掛けなければなりません。 軍事面では、中露共に超音速ミサイル・超音速弾道ミサイルの技術で西側を凌駕していると言っても過言ではないでしょう。 中国はボタン一つで米空母を破壊できる超音速弾道ミサイルを有しているとの見解も出ています。 経済面では、購買力平価ベースのGDPでBRICSがG7を抜きました。 経済活動の規模では既にBRICSの方が上なのです。 それでも先進国が見た目まだ豊かなのは為替のプレミアムがあるからです。 脱ドル化によって先進国の紙切れフィアット通貨が減価すれば、先進国は先貧国になります。 しかしながら、中国は急速に高齢化が進むことが予想されており、また不動産バブル崩壊のリスクもあります。 なので、中国の経済リスクが顕在化する前に、世界覇権を奪ってしまっておきたいわけです。 脱ドル化をすると人民元が切り上げられる可能性があり、これは為替を弱くして輸出を伸ばしてきた中国にとっては悩ましいところです。 一方で、中国は一路一帯という協力な物流網を構築してきました。 要は、為替で不利になっても、物流という代替困難なコアコンピタンスを持つことで、世界の工場としての競争優位を維持できる体制が整ったわけです。 世界は戦時体制に突入した 今年3月、中国は立法法を改正し、通常3回の審議が必要なところ、緊急時には全人代常務委員会による1回の審議で法案が可決できるようになりました。 また6月には、米国は債務上限を一時撤廃し、2025年まで上限なく米国債を発行できるようになりました。 日本人がのほほんとしている裏で、世界はとっくに戦時体制に移行しているのです。 Plan B 今夏の移籍市場でカイセドにドタキャンされたリヴァプールFCは、代わりに日本代表MFの遠藤航を獲得しました。 何事も当初の計画(Plan A)が上手くいかなかった時のために、代替案(Plan B)を持っておくことが重要なのです。 欧米にとってのPlan Aはウクライナでした。 なぜNATOはクーデターを起こしてまで、ロシアの裏庭であるウクライナを取りにいったかというと、そこにはノルウェーに匹敵するとも言われる欧州最大級の石油・ガス資源が眠っているからです。 特にドンバスでは2013年に欧米資本による100億ドル規模のシェールガス田の開発が決定していました。 だから2014年のウクライナ侵攻でプーチンはドンバスを開戦の地とし、実効支配までしたのです。 だからウクライナは2万人規模とも言われるドンバスのロシア系住民を殺害し続けたのです。 ただ資源の有り余るロシアにとっては、これは「欧米にエネルギー資源を渡してなるものか!」という消極的理由だと思います。 以前投稿した通り、ロシアは資源経済というより食糧経済で、ウクライナの農産業の方がロシアにとってはよほど魅力的と思います。
ロシアの抵抗により欧米はウクライナ(Plan A)を取り損ねました。 さぁPlan Bの発動です!! どうもPlan B(イスラエル)はかなり複雑かつ壮大なものです。 10月のハマスによるテロ攻撃を契機に、イスラエルはガザ地区におぞましい程の報復攻撃を加えて徹底殲滅を行っております。 イスラエルはハマスのテロを事前察知できなかったとのたまってますが、そんなわけありません。 米国もエジプトも事前にイスラエルに警告を出していました。 イスラエルはわざとハマスに大規模テロを実施させて、わざと自国の民間人に大量被害を出したのです、その後の大規模報復の口実とするために。真珠湾2.0。 さて、これほどの犠牲を出してまで、イスラム圏全体を敵に回してまでして、戦線を拡大した欧米&イスラエルの狙いはなんでしょうか? まず戦場となっているガザ地区沖合にはGaza Marineのガス田があります。 パレスチナをこのまま放置して、もしガザ地区が独立国家にでもなってしまい、これがパレスチナのものとなるのはイスラエルとしても気に食わんのです。 1TCF程度のそんなに大きくないガス田ではあるのですが、「資源権益は渡さねーよ」という見せしめの意味もあるのでしょう。 また「NATOの次の標的はレバノンだ」「いやイラクだシリアだ」「いや最終目標はイランだ」と様々な憶測が出ています。 順当に行けばレバノン、イラク、シリア辺りのテロ組織を空爆して、イラン本土も視野に入れるというシナリオになるのでしょう。 ただ、大穴として、私はエジプト(もしくはアルジェリア)もあり得ると思っています。 ↑は主要産油国の天然ガス埋蔵量になるのですが、エジプトやアルジェリアぐらいの規模感があると欧州のガス需要をかなりまかなえてしまうので、地理的に見ても、NATOが攻め入るにしても「コスパ良し」という判断になるのかなと思っています。(※エジプトの資源セクターは目下運営が上手くいってないが、埋蔵量自体は結構ある) もう一点エジプトが重要なのは物流です。 中東から欧州へのエネルギー輸送はエジプトのスエズ運河に依存しており、この運河を保有しているだけでエジプトには年間100億ドルが転がり込んできます。 その経済・軍事的重要性から、1956年にエジプト政府はスエズ運河を国有化し、これが第二次中東戦争の引き金となりました。イスラエル・英国・フランスはこのスエズ運河国有化を阻止するためだけにエジプト・ガザに攻め込んだのです。 さて、このスエズ運河と競合すべく、イスラエルはBen Gurion運河なる計画を進めており、そのルートがガザをかすめるのです。 運河の脅威となるハマスは排除しておきたいところでしょう。 また、このBen Gurion運河は、壮大な金融・地政学ゲームのラストピースにもなり得ます。 この運河ができてしまうと、Trans-Israel Pipelineと合わせて、中東〜欧州へのエネルギー輸送をイスラエルがほぼ独占できてしまう可能性があります。 すなわち、 (旧) サウジによって石油決済の独占を保証されたペトロダラー1.0から、 (新) イスラエルによる欧州エネルギー物流の独占をベースにしたペトロダラー2.0、 へと移行するための壮大な仕掛けなのではないかということです。 「欧州に油売るんだったらイスラエル通って、米ドルで決済してね♥」ということです。 このシナリオでもエジプト(スエズ運河)が邪魔になってきます。 イスラエルメディアMekomitがリークした、イスラエル諜報当局の内部文書とされる資料では、ガザの一般人をシナイ半島(エジプト)に追放することが提言されています。 また米政府が最近申請した千億ドル強の予算には、ガザからの避難民に対する支援が既に盛り込まれています。 イスラエルが力ずくでガザを奪い去り、難民は米国納税者の負担でエジプトに押し付けるシナリオが既に出来上がっているのです。 こうしてエジプトとの緊張状態を創り出し、堪えきれず手を出してきたらいつものようにNATOが難癖つけてエジプト(もしくはアルジェリア)に展開して資源権益やスエズ運河を押さえるという筋書きもありなのかな〜と思っています。 思えば8月にエジプトのBRICS加盟が決定した時点で、この地域での紛争は避けがたいものだったのかもしれません。 でもマジでNATOがどこまでやるつもりなのか、全く読めません。。。 西側は何か想像を絶する大きな一手を考えている気がします。 さて、資源国を中心にグローバルサウスはかつてない程結束し、欧米に反旗を翻しています。頼みの綱のウクライナも思ったようにはいきません。 このままでは欧州のエネルギー安全保障も米ドル覇権もどうにもならんのです。 他に選択肢はありません。 欧米は力ずくで資源権益か資源物流を押さえるしかないのです。 西と南は袂を分けた FTに面白い記事が載っていました。 G7某国の外交官が泣きを入れたようです。 「我々はグローバルサウスをめぐる戦いに敗れた。ウクライナ戦争を通して築いた結束も失った。国際ルールや秩序は忘れた方が良い。彼らは二度と我々の言うことに耳を貸さない」 ウクライナ戦争までは、ロシアのビジョンに共感しつつも、「でも武力侵攻したのロシアだよね」ということで戦争自体には反対してくれていたグローバルサウスの国々はたくさんありました。 ところが今回、イスラエルがガザ地区に対してもっとおぞましいことをやっているわけですが、欧米は全力でイスラエルを支持する側に回りました。 グローバルサウスの国々はリアルタイムで目撃してしまったのです:
以前、普段文明人の振りをしている欧米人も追い詰められたら化けの皮が剥がれると指摘しましたが、まさしく、欧米のリーダーから一般人に至るまで白人の醜い化けの皮の下を晒してくれたわけです。 国連人権理事会においては、米代表の演説に対し、グローバルサウスの国々が背を向けて抗議する場面が見られました。 南は反欧米で結束したようです。 私は最終的にグローバルサウス諸国が一斉に国連を脱退してBRICSに加盟すると予想しています。 逆もまた然りで、西も腹を決めたように見えます。 国際社会の場でグローバルサウスが声高にイスラエルを非難しても、西側は全く意に介しません。 おそらく平均的な西側白人の本音はこんなところでしょう:
人類はルビコン川を渡ったように思います。 奴隷化する人、浄化する人 欧米諸国が異民族と相対する際、基本型となってきたのは支配・奴隷化です。 白人を階層の最上位に起き、征服地の現地人を奴隷にして、資源を搾取するというのがお決まりなのです。 言ってみれば侵略された異民族は奴隷労働力として生き永らえることができたわけです。(豪州や北米等例外も多々ある) 一方で、当ブログではアゼルバイジャンで流行りの民族浄化について度々紹介して参りました。 テュルクだの、アラブだの、ソビエトだの、漢民族だの、多民族が国境を接し鎬を削るユーラシア大陸では生易しいことでは生き残れません。 この地のルールは民族浄化・滅殺です。 文字通り敵をこの世から消し去ってしまう、All or Nothingの世界です。 欧米はこんな連中を相手に数百年に渡って支配・搾取し続けてきたわけです。 考えてみてください。このまま欧米が力を失い、BRICS&グローバルサウスが世界覇権を手中にしたら、欧米白人にどんな恐ろしい仕返しが待ち受けているか?? 他に選択肢はありません。 欧米は、手段を厭わずどんな卑劣な手を使ってでも自らの覇権を維持するしかないのです。生き残るために。 PSYOP 以前の投稿で、テュルク族が移住先で人口を増やし土地を乗っ取るカラクリを紹介しました。そして移民が急増する欧州でテュルク・イスラムvs欧米白人の軋轢が生じると指摘しました。 昨今の欧米の移民危機を見ていると、まさしくその通りの展開になっていると思います。 ただ、これは鶏と卵が逆なのではないかと、最近思い始めています。 なぜ欧州で移民が増え続けているかというと、Médecins Sans Frontières、SOS MEDITERRANEE、SOS HUMANITY、Open Armsといった欧米政府の支援を受けたNGOがアフリカ・ユーラシアから欧州に移民をピストン輸送しているからです。 意図的に移民危機を創り出しているわけです。 私はこれはもはや、過去の戦争のレシピを再現することによって、大規模な軍事作戦を容認する西側国内世論を創り出すための壮大なPSYOP(心理オペレーション)なのではないかと思っています。 ヴェルサイユ条約による損害賠償が重くのしかかったドイツでは、悲惨な政治・経済状況をユダヤ人のせいにしようとするナチス政権の誕生に繋がりました。 移民の急増により社会不安が増し、極右的な風潮がカジュアルに台東している昨今の欧米の状況は、第二次大戦前のドイツと酷似しているのではないでしょうか? 移民問題は欧米の安全環境を脅かすまでになっています。 暴動や犯罪や白人狩りが急増し、今まで外来派兵型であった欧米人が、自国が異民族に蹂躙され本土が攻撃される恐怖を身近に感じていることでしょう。 これは911テロ当時のアメリカと似ています。リアルタイムでワールドトレードセンターに飛行機が突っ込み崩壊する様を目撃したアメリカ人はパニックになり、あの見事な爆破解体工事をテロ攻撃であると錯覚し、米国内世論はアフガン侵攻を容認しました。 国土が攻撃されたという点では、真珠湾攻撃も似たようなものですね。 なぜ当時の日本が無謀な真珠湾攻撃をせねばならなかったかというと、ABCD包囲網で資源輸入をブロックされ兵糧攻めにあっていたからです。エネルギー安全保障がままならず、自身より遥かに強大なアメリカに無謀な先制攻撃をせざるを得ない状況に追い込まれました。 ノードストリームパイプラインを爆破された欧州は似たような恐怖を感じていることでしょう。 さて、イランはイスラエルに対するEmbargo(石油禁輸)を呼びかけています。 私は産油国のEmbargoが次の大きなカタリストになると予想しています。 いよいよ産油国が資源を武器化し欧米に牙を見せた時、ヒステリーが最高潮に達した欧米では、大規模な軍事作戦を容認する極右世論が大勢を占めるようになるのではと思っています。 さぁ、欧米の刃の矛先はイランかシリアかイラクかレバノンか?エジプトかアルジェリアか?はたまたベネズエラかハイチか?まさかのサウジか? 50/50 「Majiっすか!!」と思わず画面に向かって叫んでしまいました。 イスラエルとハマスの交戦によりさらなる地政学的衝突が誘発され、最終的に米中を巻き込んだ世界大戦に発展する可能性は50%であるとレイ・ダリオがコメントしました。 いよいよ洒落にならないですね。 Majiで世界大戦する5秒前。 十字軍2.0 『いつやるか?今でしょ!』なのは欧米も同じです。 空前のイカサマ選挙で大統領となったバイデンですが、やはり不人気ぶりは覆せず、来年の大統領選で再選する可能性はほぼゼロです。 権力を維持すべく、早急に大規模軍事作戦を展開して非常事態を創り出し、大統領選を延期・中止に持ち込もうという誘惑が働いても不思議ではありません。 欧州も酷い状況です。 ドイツが経常収支を稼いで、その稼ぎを観光・投資等で域内に還流させるのが欧州の基本的なビジネスモデルです。それを可能にしてきたドイツの産業を支えたのは、安価なロシア産天然ガスだったわけですが、ウクライナ戦争を経て、そのビジネスモデルが崩壊してしまいました。 エネルギーコストの上がってしまったドイツで起きているのは、設備投資の停滞、すなわち産業空洞化です。もはやドイツ企業ですらドイツ国内への投資を諦め、米国等への投資に目を向けています。ようこそ失われた10年へ。 また、エネルギーの確保のため、欧州資本が米国のシェール開発に乗り出す事例も出てきています。 裏を返せば、米国は欧州の資金と産業と技術を自国に取り込み、欧州の金で資源開発をしているわけです。欧州は踏んだり蹴ったりですね。 ユーロも厳しい状況に直面しています。 ↑SWIFT国際送金に占めるユーロのシェアは急減しています。 ↓また国際トレードファイナンスのシェアでは人民元がユーロを抜き去りました。 脱ドル化が叫ばれる中、市場で先に起きているのは脱ユーロ化なのです。 個人的にはユーロの未来に関しては大変懐疑的です。 インフレ率も給与水準も産業構造もバラバラな欧州諸国が無理やり共通通貨を利用しているため、各国は財政・金融政策に制約を受ける一方、域内で一カ国でも信用不安が発生すると信用危機は伝播します。 小国が通貨危機を回避でき、越境ビジネスが発展する等、メリットも多々あるのですが、やはりユーロは基本設計の段階で無理があるとしか思えないのです。 今回の覇権戦争の過程でユーロが終焉することになっても何も驚きません。 外貨準備としてのユーロを考える時、重要になってくるのはイタリア国債市場なのですが、イタリア政府の財政は本当に酷いもので、とても持続可能とは思えないのです。まぁ日米含め他の国もとっくに持続不能ですが。 過去の世界大戦は、財政・金融面から見ると:
おそらく欧米はコロナのドサクサに紛れて、自らの地政学・金融覇権を維持したままガラガラポン(切り下げ、CDBC移行、デノミネーション、etc)をしたかったのだと思いますが、ロシア・中国・サウジが横槍を入れたということだと思います。 前置きが長くなりました。 繰り返しになりますが、他に選択肢はありません。 欧米は自らの覇権を維持するためなら何だってやります。核兵器だって平気で利用することは歴史が証明しています。 日本人がのほほんとしている裏で、現在地中海には2隻の米空母を含む70隻以上のNATO艦艇が展開しており、未だその数を増やし続けています。これは既に湾岸戦争やイラク戦争に匹敵する第二次大戦以降最大規模の海上戦力の投入になります。十字軍2.0 これだけのリソースをかけて「抑止力です」とか「演習です」なんてオチは考えづらく、西側は何か巨大なシナリオを周到に準備しているのです。 専門家からはシリア・レバノン・イラクのテロ組織や、同地に展開するロシア・イラン系組織に対する大規模空爆作戦だろうとの見解が出ています。
また、イラン本土にも手を出すのではないかとの意見も多いです。 本当にそれだけでしょうか?? 欧米+イスラエルはほぼ全ての産油国を敵に回しており、また過去の大戦時と違い自国外の資源権益が乏しい状態です。地上戦兵器はウクライナで浪費してしまいました。 兵站に乏しく、継戦能力もないのです。 こんな状態で爆弾だけ落として、その後どうすんすか? 恨み買って、グローバルサウスから真綿で締められるようにジワジワとコモディティーの供給を絞られる未来が見えているのです。
そう考えてみると、欧米が、核兵器の使用を含め、超短期決戦でいくつかの産油国・資源国を屈服させ権益を押さえてしまう、という悪魔のシナリオが見えてしまうのは私だけでしょうか?? 欧米が核を使用しても、自国に被害が及ばない限り、中露は指を咥えて見ていることしかできないでしょう。 今年から来年にかけて世界は歴史的なターニングポイントを迎えるのは間違いないでしょう。願わくばそれが戦争でないことを心より願います。 THE AXE MURDERER これはPRIDEやUFCで活躍した、日本でもお馴染みの格闘家ヴァンダレイ・シウバのニックネームです。 剛腕を振り回し対戦相手をなぎ倒すその様は、THE AXE MURDERER(斧を持った殺人鬼)の異名に相応しいものでした。 今回は、現実世界に実在したTHE AXE MURDERERのお話です。 2004年冬 ブダペスト その美しさから「ドナウの真珠」と称えられるハンガリーの首都に、後にアゼルバイジャンの英雄となる26歳の軍人ラミル・サファロフは降り立ちました。 すっかり暮れた街並みに、凍りつくような雪が白々と雪明かりのように輝き、夜の暗みの中に深々と沈んで行くような静けさが張り詰める1月の東ヨーロッパ。 NATOが主催する「平和のためのパートナーシップ」プログラムにラミル・サファロフの姿はありました。 この各国の若き軍人が集う場で、サファロフは出会ってしまったのです。 憎きアルメニア人に出会ってしまったのです。 サファロフは後にこう回想しています。 『奴らが我々の側を通ったところ、我々に向かって微笑んだのです。 その一瞬に私は奴らを殺しその首を斬ることを決意しました。』 惨劇の被害者となったのは、アルメニア陸軍中尉グルゲン・マルガリャン。 同軍のハイク・マクチャンと共にプログラムに参加していた被害者マルガリャンは、アルメニアの首都エレバン生まれの工学学士。享年25歳。 プログラムの参加者達は口々にこう証言しています。 『マルガリャンとサファロフの間には何の対立もなかった』 『むしろ彼らは全くコミュニケーションがなかった』 第一次ナゴルノ・カラバフ戦争(1988-1994)の激戦地ジャブライル出身であるサファロフは、胸に秘めたアルメニア人に対する殺意を周囲に悟られることなく、黙々と犯行準備を進めました。 そして惨劇の2月18日夜、彼はTESCOで購入した斧を部屋で砥ぎ、ついに凶行に及んだのです。 訪れたのはマルガリャンの部屋。 鍵はかかっていない。マルガリャンは熟睡している。 サファロフはマルガリャンの頭部めがけて斧を振り落とした。 室内に鈍い音がこだまする。 ルームメイトのクティが目を覚まし異変に気づいた。 辺り一面が血の海、そこには斧を手にしたサファロフ。 『あぁなんてことを。やめるんだ!』クティは叫んだ。 『安心なさい。あなたに危害を加えるつもりはない。』 サファロフは何かを成し遂げたような満足げな表情でこう答え、またマルガリャンの頭部めがけて斧を振り下ろした。 16回にも渡り、サファロフは斧を振り落とし、マルガリャンの頭部は胴体から引きちぎられた。 悪夢は終わらない。 次なる標的はマクチャン。 廊下に出て大声でマクチャンの名を叫び、部屋のドアをこじ開けようとするサファロフ。しかし必死の抵抗により部屋に押し入ることは叶わず。 そしてクティの通報で駆けつけたハンガリー警察によりサファロフは逮捕された。 惨状を目の当たりにした担当刑事は、「尋常ならざる冷酷さをもって」遂行された犯行であると後に評した。 取調べにてサファロフはこう証言した。 『私は後悔していますよ、今回の件までに1人のアルメニア人も殺さなかったことを。 我が軍は私をこの訓練プログラムに送りましたが、ここで私は2人のアルメニア人も我々と同じコースに参加することを知りました。アルメニア人に対する恨みが私の胸の奥から湧いたことを言わなければなりません。 最初のうちに我々は互いに挨拶していた、いや、むしろ彼らが私に対して「hi」と挨拶しましたが、私は彼らを無視しました。私は彼らを殺した原因とは、彼らが私の側を通ったところ、我々の顔に向かって微笑んだことです。その一瞬に私は彼らを殺し、その首を斬ることを決意しました。 私は今までの14年間ずっと軍隊にいますが、もし私が民間人だったらアルメニア人を殺せるかどうかは分かりません。私はそんなことについては考えませんでした。 私の仕事は彼らを皆殺しすることで、彼らが生きている限り、我が同胞がずっと苦しみます。 どこでもいつでも、私は同じことをすると思います。もしここにアルメニア人がさらにいたら、私は彼らを皆殺しするつもりです。残念なのは今回の行動が初の試みで、よく準備していなかったことです。 私の天職はアルメニア人を皆殺しにすることです。』 英雄の帰還 ハンガリーにて終身刑を言い渡されたサファロフの身柄は、8年の時を経て2012年にアゼルバイジャンに引き渡されました。 そこでサファロフは驚くべき光景を目にしたのです。 国を挙げての大歓迎! アゼルバイジャンの独裁者アリエフ大統領は即座にサファロフを恩赦し、国民も熱狂的に迎え入れたのです。なんとアゼルバイジャン軍はサファロフにアパートまでプレゼントしました。 ハンガリーの地で凶行に手を染めた猟奇殺人機は、祖国アゼルバイジャンで英雄となったのです。 これを不服としたアルメニアは即座にハンガリーとの外交関係を停止。再び正常化するまで10年の時を要しました。 ショックを受けた被害者マルガリャンの父親は翌2013年に自殺を試みました。 2006年のBTCパイプライン開通以降に国力を増強したアゼルバイジャンは、このサファロフ事件にて国威を高揚、その後、2016年の"4日間戦争"、2020年コロナ禍での"第二次ナゴルノ・カラバフ戦争"へと突き進み、ついに2023年のカラバフ奪還を成し遂げたのです。 もちろん国際法上の領土をアルメニアに占拠されたアゼルバイジャンの屈辱は理解できます。 また、たった一つの事件によってその国全体を評価するのは合理的でないでしょう。 しかしながら、
(※公正のために補足すると、第一次カラバフ戦争当時にアゼルバイジャン人をカラバフから追い出したアルメニア軍の手口は遥かに苛烈で禍根を残すものでした) 一躍ヒーローとなったラミル・サファロフですが、当初はメディアや政治家にヨイショされていたものの、本人はそういった活動を行う意思がなく、また本事件は世界的に見ればアゼルバイジャンにとっての汚点でもあったため、サファロフは徐々に表舞台から姿を消していきました。 その後のサファロフの消息は定かではないのですが、アゼルバイジャンがカラバフを奪還した今、故郷のジャブライルにでも帰り、来るアルメニア本土への侵攻に備え、またTESCOで買った斧を砥いでいるのかもしれませんね。 (追伸)RIZIN @ BAKU いよいよRIZIN LANDMARK 7 in Azerbaijanの開催が迫ってきました!
散々アゼルバイジャンの汚点を暴露してきた当ブログですが、そんなことMMAファンには関係ありません!!政治とスポーツは別物です!! アルメニア人の生き血が染み込む大地にそびえ立つ腐敗の象徴National Gymnastics ArenaでRIZINを楽しみましょう! 今回はアゼルバイジャンの隣国ジョージア(グルジア)のお話です 前田日明 がやたらソビエトに詳しいですね。 氏のYouTubeチャンネルでジョージアのお話を発見しました。 氏の滑舌が悪く聞き取りにくいと思いますので、内容を要約します:
それにしても、前田日明と天龍源一郎と廣瀬陽子は滑舌悪すぎて、マジで何言ってるのか分かりません。 あるマフィアの息子 前田氏の言う通り、かつてのジョージアは欧州圏最凶のマフィア大国で、主に2つの派閥が存在していました:
最近、親父がかつて西部クタイシマフィアであったというG氏と飯を食う機会があったので、今回はジョージアのマフィアシーンについて紹介したいと思います。 このG氏はソビエト末期〜崩壊後の混乱期をよく知る年代です。 ジョージアマフィアの父 栄光のソビエト連邦時代、クレムリン中枢で表&裏社会に圧倒的な勢力を誇ったのは、ジョージア人を中心とするコーカサス軍団でした。抑圧されたマイノリティは強い。 第二代ソビエト連邦最高指導者のスターリンはジョージア出身なのです。 マルクス主義の信奉者であった若き日のスターリンは、ジョージアにて銀行強盗や爆弾テロ等やりたい放題やらかしたそうです。 この時代の彼の手口がジョージアの犯罪シーンに影響を与え、後のジョージアマフィアの礎になったとのこと。 1917年のロシア革命で大きな役割を果たしたスターリンは、ソビエト連邦建国にも参画。レーニンの死後、血みどろの権力争いに勝利したスターリンは、1924年に晴れてソビエト連邦の最高指導者となりました。 ジョージアの片田舎の貧困家庭に生まれ、その危険思想から度々投獄をされてきた青年が、ソビエト連邦の最高権力者にまで上り詰めたのです。 実権を握ったマフィアが真っ先にやることはただ一つ、『自分のシマにシノギを持ってくる』ことです。 こうして、ソビエトの表社会でも裏のマフィア界隈でも、ジョージア軍団が圧倒的な存在感を放つようになったのです。 サーカシビリ 「一昔前まで、ジョージアではマフィアが国を牛耳っていた。政府よりもマフィアの方が偉かったんだ」 G氏は遠い目で懐かしそうに振り返りました。 かつて欧州圏最大のマフィア勢力として人身売買・武器輸出・違法薬物取引等で栄華を極めたジョージアマフィアに転機が訪れたのは、ソビエトからの独立後、ミハイル・サーカシビリが第三代ジョージア大統領を勤めた時代でした。 腐敗や選挙不正の一掃を掲げ、2003年のバラ革命(アメリカによる国家転覆)にて権力を掌握したサーカシビリ。 彼も当初はマフィアとズブズブだったのですが、マフィアとの断絶もバラ革命の公約であり、驚くべきことに、彼は本当にマフィアと戦い始めたのです。 2006年頃までにはジョージアの名だたるマフィアは投獄されるか国外逃亡を余儀なくされ、ここに栄光のジョージアマフィアは終焉を迎えました。 話は変わりますが、このミハイル・サーカシビリという人物は、良くも悪くも(悪くも悪くも?)ジョージアという国の運命に大きな影響を与えた人物です。 腐敗の一掃を掲げて実権を握ったサーカシビリですが、自身や政権幹部の腐敗スキャンダル等により2007年には大規模デモが発生し、非常事態宣言を発令するまで追い詰められました。 また、サーカシビリ政権が求心力を失う中、ロシアを後ろ盾とする南オセチアやアブハジアといったジョージア国内の少数民族居住区では独立の機運が高まりました。 ここでサーカシビリは博打を打ちました。 北京オリンピック開催日前日の2008年8月7日、なんとジョージア軍は南オセチア自治州に軍事進行を開始し、同州の大半を武力制圧してしまったのです。 怒ったロシアは軍を増派し、南オセチア&アブハジアにてジョージア軍を撃退。 ジョージアは国土の20%を親ロ派勢力に占拠される憂き目を見たのです。 めちゃくちゃ複雑な経緯があるのは、重々承知しております。 とはいえ、自国領土に住む少数民族に引き金を引いたのはジョージア軍です。 にも関わらず、ジョージアがロシアに領土を占拠された被害者キャラを演じているのはとても違和感があります。 "つぶやき悠"こと小泉悠氏は、「(ロシアもジョージアも)両方僕は悪いと思うんですけど」とYouTubeでうっかりつぶやいてしまいました。 YouTubeだからまだ良かったものの、もし地上波で口を滑らして西側の意向にそぐわない発言をしてしまったら、BPO(放送倫理・プロパガンダ向上機構)から怒られちゃいますよ、つぶやき悠さん。 さて、その後ジョージアで失脚し、亡命先のウクライナでも大暴れしたサーカシビリですが、2021年にジョージア帰還を試み、当局に拘束され、例によってボコボコに暴行を受けたようです。 ジョージアの警察・当局って結構凶暴で、G氏もかつて何度か警察の世話になり、その度に留置所でボコボコにされたそうです。 脱ソビエトの進んだジョージアですが、特に公共セクターにおいては未だに色濃くソビエト的な悪習が残っているように思います。 このサーカシビリという名を出すと、トンデモ大統領というキャラが定着しているようで、ジョージアの特に若い世代は爆笑します。 サーカシビリの時代に根絶やしにされたジョージアマフィアですが、その後どうなったのかG氏に聞いてみました。 「マフィアは普通の企業になってビジネスで稼ぐようになった。ジョージアの名の知れた企業の中には旧マフィア系列の会社もある」とのこと。 小泉組 ドヤ顔でマフィアネタを披露するG氏を見て、マフィア大国の日本人として黙って聞いてる訳にはいきません! 「ジョージアではマフィアが国を仕切っていたのか。ところで日本ではヤクザ家系が総理大臣になったんだぜ!」 G氏の目が座りました。 第87〜89代内閣総理大臣小泉純一郎。 彼の母方の祖父小泉又次郎は、横須賀の軍港ヤクザ小泉組の組長でした。 現在では有り得ない話ですが、又次郎組長は政界進出も果たし、横須賀市議会議員・神奈川県議会議員を経て衆議院議員に当選、なんと逓信大臣(郵便&通信&運輸大臣)の座をも務めました。 又次郎は全身に見事な入れ墨が彫られており、「いれずみ大臣」の異名で人気を博したそうです。 もちろん小泉組が存在したのは暴対法施工以前の話であり、小泉純一郎自身はヤクザの構成員でもなんでもないので、全く問題ありません。 しかしながら、マフィア家系の出身者が先進国の総理を務めたというのはかなり珍しい事例ではないでしょうか? 仁義ある戦い 話をジョージアマフィアに戻しましょう。 G氏から聞いたマフィアの抗争の話が面白かったです。 「女絡みや金絡みで揉めた場合、喧嘩で決着をつけることがある。 喧嘩には流儀があって、まずはトラッシュトークによる煽り合いから始まる。このトラッシュトークで相手を言い負かせば気分が良い。しかしトラッシュトークと喧嘩の勝敗には全く関係がない。 煽り合いの後ファイトが始まるが、主に素手でタイマンだ。そして大事なのは決着がついたら必要以上に痛めつけないことだ。 もちろん武器を使ったり、めちゃくちゃ痛めつけたりすることもあるが、卑怯な手を使った場合、後でその何倍もの仕返しが待っている」そうです。 ジョージアマフィアの世界にも仁義があるようです。 YAKUDZA マフィア談義は続きます。 私:「クタイシマフィアってどれぐらいの数がいたんだ?」 G氏:「正確な数は知らないが、俺の集落の男は全員マフィアだった」 私:「そんな大げさなwww」 G氏:「誇張ではない。本当に文字通り集落の成人男性全員がマフィアだったんだ」 私:「...」 Mafia Cityは実在した。。。 最後にG氏は幼い頃の謎の思い出を語り始めました。 G氏:「どうしても忘れられない子供の頃の記憶があるんだ」 私:「なんだ?」 G氏:「ある日親父と二人でバスに乗っていた。バスにはワイらの他に体に障害のある男性も乗っていた」 私:「ふむ」 G氏:「そこにマフィアのオッサンが乗ってきた。障害のある男性を見たマフィアのオッサンは、その男性をボコボコに殴り始めたんだ」 私:「???」 G氏:「それを見た親父が立ち上がり、親父がそのマフィアのオッサンをボコボコにして、バスの外に放り出したんだ。その光景が今でも忘れられないんだ」 私:「(お前の親父が最強マフィアなんじゃないのか??)」 たしかに忘れられん光景ですなw 北斗の拳の世界観w そんなかつてのマフィア大国ジョージアで大人気の日本食ファストフードチェーン店が「YAKUDZA」です。 トビリシ観光の際は、是非お試しください 二年前に当ブログが『アゼルバイジャンはアルメニア本土(カラバフじゃない)に侵攻する』と予言をした時、読者の皆さんからの反応は全くありませんでした。 それから時は経ち、世界の耳目がウクライナに集中し、誰もがナゴルノ・カラバフ戦争のことなどすっかり忘れ去ってしまった2022年の9月、 はい、やりました。 アルメニア国内にものすごい攻撃が加えられている様子がNASAの監視システムに捉えられています。 9月13日の攻撃初日だけで30以上のアルメニアの街が攻撃され、多くの民間施設がターゲットとなったようです。また、アゼルバイジャン兵が領土侵犯をして、アルメニア国内に侵入したことも確認されています。 アゼルバイジャン政府・市民は例によって「我々は攻撃なぞしていない」「アルメニアが先制攻撃をした」と無理のあるフェイクニュースを拡散していますが、明確にアゼルバイジャンが(係争地ナゴルノ・カラバフとは関係のない)アルメニア本土に先制攻撃・侵攻をしたと断言できます。(戦力が劣勢のアルメニアから攻撃するわけがない) 戦争犯罪 一般の皆様がこの戦争に気付いたのは、SNSに流れてくる戦争犯罪動画によってではないでしょうか。 冒頭の裸の女性死体はArman Tatoyanという女性アルメニア兵のもので、アゼルバイジャン兵に両足ちょん切られてダルマ状態でレイプされて殺害されたようです。
最もバズったのはこのアルメニア兵処刑動画ではないでしょうか。
ここまでえげつない戦争犯罪はロシア軍でもなかなか見られないものです。ちょっと残忍さがレベチです。
当ブログは2020年の第二次ナゴルノ・カラバフ戦争以前より一貫して「アゼルバイジャンはヤバい」というヤバいメッセージを発信し続けており、それにより数多くの誹謗中傷にさらされてきました。 でもほら、これヤバいっしょ?? そろそろ私の言っていることを信じてもらえたでしょうか?? アルメニアは詰んだ と思う今日この頃です。
もうアゼルバイジャンが何やっても歯止めが効かない状況です。 直近では、業を煮やした欧州の仲介もあり、2022年末までに両国が平和条約を締結するという流れになっております。 この平和条約の中身はまだ正式なものは出てきていないのですが、3月にアゼルバイジャンがアルメニアに突きつけた「五つの要求」がベースになるのではと思われます。
要は、スターリンが決めた滅茶苦茶な国境を尊重してカラバフをアゼルバイジャン領と認め、アルメニア南部イラン国境沿いのザンゲズール回廊を開放してアゼルバイジャン本土からトルコまで陸続きにさせろ、ということです。
これどっちに転んでもアルメニアは地獄です。
もし平和条約を締結した場合、アルメニアはカラバフから兵を引くことになります。 アゼルバイジャンの独裁者アリエフは、カラバフのアルメニア系住民をアゼルバイジャン市民として迎え入れると表明していますが、そんなわけないでしょ!! 丸裸のアルメニア人居住区に、あんなことやこんなことやそんなことまで平気でやらかすアゼルバイジャン兵と、どんなことでもできてしまうアゼルバイジャン市民が押し寄せてくるのです。アルメニアはカラバフを諦め、軍民一体で脱出するしかないでしょう。 もちろん平和条約により一時的な平和は担保できるでしょう。しかしこれまで緩衝地帯として機能していたカラバフを失い、剥き出しのアルメニア本土がアゼルバイジャンと対峙することになります。必然的に次なる戦場はアルメニア本土となってしまうのです。 また、ザンゲズール回廊の開放は、実質的にはアゼルバイジャン軍のアルメニア国内駐留、もしくは、最悪アルメニアの領土割譲ということでしょう。これはキツイぞ。 逆に平和条約を蹴った場合、アゼルバイジャンは容赦なくアルメニア本土に攻め込んでくるでしょう。 アゼルバイジャンがイスラエルから大量の武器を購入している、アゼルバイジャン西武の飛び地Nakhichevanに戦力を集めている、といった情報が錯綜しています。 アゼルバイジャンはアルメニア本土に侵攻して、力ずくでザンゲズール回廊をこじ開ける気満々なんです。 時系列が行ったり来たりで恐縮ですが、思い出して欲しいのは2020年12月にアゼルバイジャンの独裁者アリエフが行った歴史修正スピーチです。当該スピーチにおいて独裁者は「アルメニアのYerevan(首都)、Zangezur(南部)、Goyche(セヴァン湖東)はアゼルバイジャン人の歴史的な領土である」と、とんでもない歴史改ざん宣言をしました。 そしてなんと今回のアルメニア本土侵攻直後の2022年9月19日に、アゼルバイジャンメディアに「Goycha-Zangazur共和国」なる未承認国家の設立が本当に宣言されてしまったのですwww さすがにこれは牽制球だと思いますが、一方でアゼルバイジャン人の本音が透けて見える出来事でもありました。 あくまで私の感覚ですが、アゼルバイジャン政府・市民の願望は「アルメニアの完全占領、アルメニア人の完全民族浄化」だと思っています。 表では「アゼルバイジャンは平和を願っている、戦争なんてしたくないんだ、戦争犯罪動画はアルメニアが作ったフェイクだ」とプロパガンダを拡散しているアゼルバイジャン人も、裏ではアルメニア兵の処刑動画に熱狂しているのです。 テュルク族って生き物は一度敵認定した敵は殲滅するまで殺し続けるんです。 ペロシのアルメニア訪問 ところで日本の陰謀論者ってめっちゃ頭悪いですよね?
アゼルバイジャンによる侵攻直後の9月17日、米下院議長ナンシー・ペロシがアルメニアを電撃訪問しました。
これによりアゼルバイジャンは矛を収めるしかなく、事態は一旦沈静化しました。 このペロシ訪問に関し日本語SNSを見てみると「ペロシが火に油を注いだ、戦争を煽りに行った」みたいなコメントが多数見られました。 ちょっと考えて欲しいんですが、コーカサスで戦争煽って米国の国益になんのメリットがあるんすか?? てか煽りたいんなら放置しとけば勝手にアゼルバイジャンが攻め続けます。ペロシの訪問によりアゼルバイジャンの動きが封じられたので、彼女の行動は事態を沈静化させたのです。 陰謀論者達の妄想とは真逆なんです。 私はペロシの訪問は単なる選挙対策だと思ってます。中間選挙に備えアルメニア票田を取りに行っただけでしょう。 そして"もう一つ"米国がアルメニアを支援する強力な目的があると思っているのですが、それは本投稿の最後に記したいと思います。 逆サイド陰謀論 として当ブログって貴重じゃないですか? 陰謀論の世界ではたいてい米欧を完全悪と決めつけて、彼らの手口を暴露するというものが主流です。 その世界観の中で登場するソビエトやテュルクは、米欧にやられる『被害者キャラ』なわけです。 ところが当ブログで数々の暴露をしたように、ソビエト・テュルク側から物事を眺めてみると、彼らが純然たる被害者なわけもなく、やっぱりソビエト・テュルクもおぞましいことを散々やらかしているのです。 ただ手口が雑過ぎて証拠を残しまくってしまい、また、ひたすら嘘をついて言い逃れをするというこれまた雑な言い訳のため、陰謀ではなく悪事になってしまうのです。 結局の所、世の中西も東も悪ばかり。 アゼルバイジャン民族・テュルク族の手口 がだいぶ理解できてきました。 こいつら動物的に生息域を拡大するんです。 ① ふらっと異国に現れる 彼らは時には遊牧民として、時には移民として、異国にふらっと現れしれっと定住し始めます。 当ブログを読んで頂いている方の中には実際にアゼルバイジャンで観光してみた人もいるでしょう。おそらくそういった方はそこまでアゼルバイジャンに対してヤバい印象は持っていないと思います。私も初めはそうでした。 そう、こいつらパッと見でヤバさが分からないんです。別にそこまで危ない連中に見えないので、地元民もついつい移民を受け入れてしまうんだと思います。 ② 猛烈な性欲で繁殖 一旦定住すると物凄い勢いで繁殖して人口を増やします。 地元民と交われなかったり、限界集落でパートナーを見つけられなくても問題ありません。そんな時は近親相姦で繁殖するんです。 こうしていつしか地元民より彼らの方が数が多く力を持つ状況が生まれます。 ③ 民族浄化 当然地元民と対立が発生します。 彼らは自分の思い通りにならない状況が許せないので、批判や対立に対しては武をもって民族浄化で対応します。「ムカついたら殺す」です。 ④ 歴史修正 そうすると当然歴史は酷いものになり、また諸外国からの批判に晒されます。 批判されるのが大嫌いな彼らは、歴史を書き換えて「なかったこと」にしちゃうんです。 「アルメニア人の虐殺はフェイクだ」「アゼルバイジャン民族は古来よりカラバフに住んでいた」とハチャメチャなおとぎ話が歴史の教科書に載るのです。 ⑤ 無限ループ 以下、③民族浄化と④歴史修正の無限ループで版図が無限に拡大していきます。 アゼルバイジャン民族の祖先である中央アジア系テュルク族がイランに現れたのは11世紀のことです。そこから僅か1000年足らずでイラン北部から南コーカサスにかけての大半がいつの間にかアゼルバイジャン民族に支配され、古来よりこの地に住んでいたアルメニア人は隅っこに追いやられています。 アゼルバイジャン民族がどれだけ苛烈なことを行ってきたか想像に難くないでしょう。 今後もし、アゼルバイジャンがアルメニア人を完全民族浄化したら、100年後のアゼルバイジャン人はこう答えるでしょう、「アルメニア?なにそれ?そんな国存在しなかったのよ。陰謀論に騙されちゃダメ」と。 Structural Instinctive Liar (組織的本能的ウソつき) 当ブログではちょくちょくアゼルバイジャンのブレインウォッシング事情について紹介してきました。 ちなみにこれは私が勝手に主張しているものではなく、国連や学術誌やシンクタンクのレポートにもアゼルバイジャンのブレインウォッシングは明記されているので、世界的に認知されたものです。(ところが最近欧米のシンクタンクが続々とアゼルバイジャンに批判的な過去のレポートを削除していっています。天然ガスの力は恐るべし。。。) さて、今回はついにもう一歩踏み込みたいと思います。 アゼルバイジャン人が拡散する奇天烈なフェイクニュースやプロパガンダや歴史修正ですが、単にブレインウォッシングの影響を受けただけではないと思います。 おそらくこいつらDNAレベルで本能的にウソつきなんだと思います。 (あ〜、ついに言ってしまった。。。なんて愚かなんだ私は。。。) 例えばアゼルバイジャン兵がアルメニア兵を処刑している動画を見せたら、あるアゼルバイジャン人は「この動画は合成動画」と答えました。どう見ても本物の処刑動画で国連も調査しており、合成の要素は見られないのに、反射的に「これはフェイクだ」とフェイクなプロパガンダが返ってくるのです。 また、あるアゼルバイジャン人はアルメニアの虐殺博物館について、「そんなのフェイクだ、トルコはアルメニア人を殺してなんかない」と答えます。でもトルコ自身も大量のアルメニア人が死亡したことは認めてますし(虐殺ではないと主張)、外交文書や写真なんかの証拠もたくさん残っていて、米国も調査団を派遣して実態をしっかり記録していたわけです。それでも反射的に「それはフェイクだ」とフェイクに答えるのです。 アルメニア関係だけではありません。 一事が万事、アゼルバイジャンに対する批判には反射的にぶちギレ、反射的に嘘をついて否定し、反射的に自分達にとって耳障りのよりプロパガンダだけを合唱するのです。 これはもうブレインウィッシングではなく、そもそもそういう生き物なんだと考えざるを得ません。 私は生物学者ではありませんが、おそらくアゼルバイジャン民族・テュルク族って生物的に生まれつき:
そしてこのDNAがめっちゃ強くて、少々他人種と混じっても、これらの性質が生き残り続けるんだと思います。 だからこそテュルク族は西はトルコから、東は中央アジア・シベリアまで生息域を拡大でき、それでいてアイデンティティーを失わないんだろうなと。 繰り返しますが、あくまで私個人の妄想です。 こういったテュルク族の性質が理解できると、世の中で起きていることが別の視点から見えてきます。 ブレグジットとウイグル人 イギリスのEU離脱は世界を大変驚かせましたが、その理由の一つが「トルコがEUに加盟したらトルコ移民がイギリスに押し寄せる」というものでした。 人種差別意識丸出しのとんでもない理由です、でも合理的な判断だと思います。 さすが七つの海を支配した大英帝国、他民族事情に精通しているのでしょう。本能的に招き入れてはいけない客人を見極めたのだと思います。 一方、ホロコーストの教訓からか、ドイツをはじめ欧州大陸諸国は積極的に移民・難民を受け入れてきました。 人道的・文明的な素晴らしい振る舞いです、でも致命的な判断ミスだと思います。
しれーっといつの間にかものすごい数のテュルク系移民がドイツ・ヨーロッパに侵入しているのです。かつて中央アジア・コーカサスで起きてきたことが今度はドイツ・ヨーロッパで起きつつあるのです。
東に目やると、中国が必死にテュルク系ウイグル人を迫害しています。 なぜそんなことをするかというと、理由は極めて単純で『そうしないと漢民族がウイグル人に飲み込まれる』からです。かつて中央アジア・コーカサスで起きてきたことが今度は中国で起きてしまうので、背に腹は代えられんということです。 もちろん特定民族に対する迫害は絶対に支持できませんが、しかし中国は漢民族が劣位になるシナリオは絶対に受け入れないのです。 さて、当ブログの予言・分析ってかなりの的中率じゃないですか? そんな予言大好きの私が、テュルク族の性質を踏まえた上で、中期的な未来について予言してみたいと思います。
この予言は是非外れて欲しいものです。 米国の軍事介入 話をアルメニア・アゼルバイジャンに戻しましょう。 口先介入によりアゼルバイジャンの侵攻をストップさせた米国ですが、私は米国が軍事介入をして(どうでもいい)アルメニアを守るというシナリオはあり得ると思っています。意外かもしれませんが。 太平洋戦争然り、冷戦然り、米国の世界戦略の根幹は『米国のライバルになりそうな覇権国家予備軍を未然に叩き潰す』ことでした。 考えてみてください。もしアルメニアがすり潰されてトルコとアゼルバイジャンが陸続きになったら?
これは立派な覇権国家候補であり、米国の潜在的ライバルです。
ウクライナ戦争を経て、プーチンがロシアから欧州へのエネルギー供給をトルコ経由に切り替えようとしていますが、これもまたトルコの地政学的影響力とエネルギーハブとしての地位を高めることになります。
こうなったら新生オスマンテュルク連邦は、
このシナリオを防ぐためには、アルメニアに独立国家として生存してもらって、肉の壁としてトルコとアゼルバイジャンの障害になり続けてもらうのが米国にとって都合が良いのです。 だからこそ、私は米国が軍事介入を含め徹底的に(どうでもいい)アルメニアを支援するのではと予想しています。 インドもまたトリッキーな動きを見せています。 中立フェチであるはずのインドが、なんとアルメニアに兵器を売っているのです。 宿敵パキスタンがアゼルバイジャンを支援しているため、このインドの動きは印パ代理戦争かとも言われていますが、私は違うと思います。 インドも虎視眈々と次なる覇権国家の地位を狙っており、ライバルになりそうな新生オスマンテュルク連邦の邪魔をしたいというのが本音なんだと私は思ってます。 イランはかなり思い切った動きを見せています。
イラン軍がアゼルバイジャンとの国境付近で大規模軍事演習を実施し、アルメニア南部のKapanに領事館を開設し、さらには外相がアルメニアを訪問し「もしアゼルバイジャンがアルメニアの国境を変更したら、それはRed Lineだ」とかなり強力なメッセージを発信しています。
イランはよく分かっているのです。アルメニアが堕ちたら、次はイランの番かもしれないと。 当ブログでもさらっと触れましたが、このトルコ・アゼルバイジャンvsイランというシナリオは米国も相当警戒しているようです。 ところで、イランで広がる反スカーフデモですが、実はイラン北部のアゼルバイジャン民族居住区で盛り上がりを見せているのです。これでアゼルバイジャン民族居住地でなんか起きたらイランも困るわけで、その対策としても軍隊をちらつかせているのだと思います。 イラン軍の銃口は国外だけではなく国内にも向いているのです。 さて、私個人の見解ですが、このトルコ・アゼルバイジャンvsイランというシナリオは近々では起こらないだろうなと思っています。 二兎を追う者は一兎をも得ずです。 アゼルバイジャンの独裁者アリエフとしても、ちょうどイランが革命前夜な状況になっており、手を出したい欲求に駆られていると思いますが、如何せんアルメニアとは戦力が違い過ぎます。イランは迂闊に闘える相手ではありません。 アゼルバイジャンは当面はアルメニアの弱体化に注力するでしょう。 また、アゼルバイジャンは「欧州にもっとガスを供給できる」と威勢のいいことを言っていますが、実態はバクー油田の産出量は右肩下がりなんです。
そう、自国資源の枯渇リスクに備えるためにアゼルバイジャンは「資源の供給元」から「資源の物流ハブ」へとビジネスモデルの転換を迫られているのです。
だからこそ矢継ぎ早に、イラン・トルクメニスタンとガスのスワップ契約を締結し、カザフスタンからの原油輸送も目論んでいるのです。 油に色はありません。
ヤバい国で産出された原油・ガスをアゼルバイジャン・トルコ経由でジャブジャブ洗って欧州に輸送することに活路を見出すしかないのです。 私はこれをオイルロンダリングと呼んでいます。 そう考えた時、アゼルバイジャンからイランに喧嘩を売るわけないんです。 当面はオイルロンダリングのサプライヤー・中継地点であるイランと表向きフレンドリーに接するのが得策でしょう。 大惨事世界大戦 さて、変数が多すぎて今後の展開が読めません。 もし平和条約がアルメニア南部の領土割譲を含むものであれば、これはアルメニアにとって死刑宣告のようなものです。 これを飲めば、アルメニアはイランとの国境を遮断され、イランからのパイプラインもアゼルバイジャンに握られます。イランとの交易も制限されジリジリと経済的に弱体化の道を辿るでしょう。 これを拒めば、再び軍事衝突です。結局アゼルバイジャンにアルメニア南部を制圧されることになると思いますが。 ここで思い出してほしいのは「アルメニアの国境変更はRed Lineだ」と宣言をしたのは、イランの”外相”です。最高指導者ハメネイでもなく、軍部の人間でもありません。イランはギリギリのところでエスカレーションを避けつつ、逃げ口上を残したのです。 とはいえ、もしアゼルバイジャンがアルメニアの国境変更をした際、なんの軍事行動も取らなければ国内外に弱腰がバレてしまいます。 とはいえ、もしイランが軍事行動を取れば、イラン北部のアゼルバイジャン民族が何をしでかすか分かりません。 アゼルバイジャンはGoycha-Zangazur共和国の花火なんか打ち上げてしまい、国民の期待値を上げてしまいました。これでアルメニア本土の領土を取らなければ、国内がどう反応するか不確定要素が残ります。 一方、武力でもってアルメニアの領土取っちゃえば、国際的にはロシアと同列の危険テロリスト国家扱いになるでしょう。悩ましいのです。 また、強気に出て、もしイランと衝突することになれば、ガスのスワップ契約もご破産となり、ユーラシア大陸のエネルギーハブとなる夢も危ういものとなります。これは欧州も困ります。 アルメニアの領土割譲となってくると、米国はトルコ・アゼルバイジャンの邪魔をしたいはずですが、極寒の欧州へのエネルギー供給の命綱であるアゼルバイジャンにどこまで強気の対応をできるか。アゼルバイジャンは欧州を人質にできるのです。 ロシアも黙ってるはずありません。 必ずどこかで揺さぶりをかけて、存在感を誇示してくるはずです。 そう、誰かがボタンを一つ掛け間違えれば大惨事になっちゃうんです。 細心の注意を払い、なんとか現実的な落とし所を見つける外交努力が必要になってくるのですが、そんな解決策を見い出せなさそうな馬鹿な国民と馬鹿なリーダーが勢ぞろいしています。。。 50年後の人類は『第三次世界大戦の始まりはナゴルノ・カラバフだった』と振り返ることになるかもしれません。 息を吸うように嘘を吐き、奇天烈なロジックでウクライナ侵略を正当化するロシア人に世界が困惑しております。 今回は、ソビエト民観察を趣味とする私が、彼らの奇怪極まりない思考回路、ひいては動物的な習性を解説し、「なぜ一般のロシア人はウクライナ侵攻を支持するのか」を解き明かしていきたいと思います。 テーマの性質上、
それでは珍妙なるソビエト民という生き物の習性を順番に紹介していきたいと思います。 自分だけ目線 皆さんは例えば幼稚園の時に友達を泣かせてしまったことはないでしょうか? そんな時幼稚園の先生は「ダメじゃない、相手が傷つくでしょ?自分が同じことされたら嫌でしょ?」と優しくあなたのことを諭し、あなたはハッと我に返り、相手の痛みや他人に対する思いやりというものを学んだことでしょう。 ソビエト民と話をしていて強烈な違和感を感じるのは、この相手のことを考える・相手を思いやる・相手の立場になって考えるという思考が根本的に欠如しているという点です。 ある時、アゼルバイジャン人と以下のような会話がありました。
ソビエト民は、村社会的・民族主義的発想に基づいて人種・民族・国籍等の狭窄な視野で定義付けられた自分達・仲間の利害が全てであり、それ以外に人達に何が起ころうが、あるいは、自分達が他者にどんな危害を加えようが、それにより他者がどれだけ苦しもうが、知ったこっちゃないし、気にもとめないし、そんなことを考える脳みそはないのです。 自分達のことしか見えてないのです。 これは日本語の「自己中」とは異なります。自己中とは、裏を返せば「他」の存在をちゃんと認識した上で、「自己」を中心に置いているものです。 翻ってソビエト民を観察していると、もはや自己中を通り越して「自己のことだけ」しか見えてないのです。 自己の行動により、他者に迷惑をかけたとか、他者を傷つけたとか、どーでもいいのです。 最近「ロシア人は被害者意識の強い民族である」みたいな分析を時折見かけるのですが、私の感覚ではちょいと違うと思います。 より正確には、ロシア人は加害者になった時に相手にどんな被害を加えたかなんてこと、考えもしないし、気にもとめないし、どーでもいいのです。 自分達(白系ロシア人)に何が起こったかしか考えてないから、被害者意識の部分だけが残ってしまうのです。 承認欲求モンスター SNSにカフェで撮った写真を投稿したら、たくさん「いいね」がついて気分が良くなった、みたいな経験はございませんでしょうか?皆さんの承認欲求が満たされた瞬間です。 この承認欲求の底なし沼にハマってしまったあなたは、週末が来る度に、ネットで買い漁った安物の服で着飾り、たいして仲良くもない知り合いをかき集め、しょぼいバーベキュー・パーティー・ナイトプール等に繰り出しては、鉄オタのごとく写真や動画を撮りだめし、奇跡の一枚をSNSにアップして、フォロワーからの社交辞令の「いいね」に歓喜し、精一杯背伸びをしてイケてる自分を演じているのではないでしょうか? さて、ソビエト民と話をしていて感じるのは、強烈なる承認欲求です。 ニュース等で繰り返し刷り込まれるプロパガンダとブレインウォッシング教育の賜物でしょう。 自分は良いもので、自分は正しくて、自分はイケていて、自分は素晴らしいという、とんでもない勘違い承認欲求が彼らの前提となっており、また、部外者にもその承認欲求を満たすように強要してくるのです。 キモいので、私はソビエト民が「いいね」頂戴オーラを出してきても、無視して正直に応対するようにしています。 アゼルバイジャン人と以下のような会話がありました。
このように承認欲求モンスターであるソビエト民は、自分は良いもので、自分は正しくて、自分はイケていて、自分は素晴らしい、という結論でないといけないのです。 上記の例では真逆の真実を突き付けられた結果、脳みそが拒絶反応を起こし現実逃避をして、自画自賛のプロパガンダに舞い戻ってしまったのです。 この承認欲求は国家運営にも巧みに利用されています。 自作自演で「自分は素晴らしい」という結論に収束するため、批判的な意見は同調圧力により抑制され、惨めな日常に対する不満の矛先も逸らされ、みんなで自画自賛プロパガンダを合唱して傷口を舐め合うことで承認欲求が満たされるのです。 ソビエト連邦は、Instagramが登場するより遥か以前に承認欲求の存在に気づき、承認欲求を活用して鉄のカーテンの内側を統治してきたのだと思います。 さて、本投稿のテーマは、「なぜ一般のロシア人はウクライナ侵攻を支持するのか」でした。 中途半端な位置で結論を述べてしまい恐縮ですが、私はこの承認欲求こそが一般のロシア人がウクライナ侵略を正当化する深層心理だと思っています。 すなわち、自分は良いもので、自分は正しくて、自分はイケていて、自分は素晴らしくないといけないロシア人が、いざ政府が戦争を始めると、その戦争が間違いであってはならないのです。 だからいざ戦争が始まったら戦争を支持するし、だから被害者であるウクライナを非難するのです。 ロシアが戦争を始めた ⇒ ロシアが悪者のはずがない、ロシアは正しいんだ ⇒ ウクライナが悪者で、この戦争は正義である、というだけのことだと思います。 見も蓋もないことを言ってしまい恐縮ですが、甘やかされて育った子供が悪いことをしたのを叱ると「僕悪くないもん!」と反射的に反発してきますが、あれと同じなんだと思います。 ソビエト民という生き物と滅多に対峙しない日本の皆様がイメージしやすいよう、参考動画を見つけました。 ↓の動画ではロシア人のババアが俳優の台詞を引用して「自国が戦争中は悪く言ってはいけない。兵士が悪者になってしまう。」とのたまっています。 ロシアの侵攻によりウクライナの一般人がどれだけ被害を受けたなんて気にも留めず、またこの戦争の是非という本題については答えもせず話を逸らし(というか考えてもいない)、ただ思考停止気味に戦争を支持し、自分が悪者だというシナリオは絶対に受け入れないのです。 現実世界でロシア人と話してみても、本当にこんな感じの理屈の通じないキモいやつらが結構います。 抑止力 国家が正義なき戦争に突入してしまった場合、文明人とソビエト民では真逆の反応を示し、その結果戦争に対する抑止力に大きな差が出ます。 文明国の文明人であれば大義なき戦争に対し反対の意を唱え、それが政権支持率という形で戦争に対する抑止力となるものです。 一方、承認欲求モンスターたるソビエト民は、国家がむちゃくちゃな戦争を始めても絶対に過ちを認めないので、むしろ「この戦争は正しい」と逆に応援をしてしまうのです。 だからウクライナ侵攻後になぜかプーチンの支持率が上昇してしまうという現象が起きてしまうのです。「僕間違ってないもん!」と。 では、ソビエト民は一体どういう状況になったら戦争反対となるのか? それは彼らの承認欲求と(後述する)支配欲が真っ向から否定された時、すなわち負けた時です。敗北という現実を突き付けられ、「ギャー!」と脳みそが一旦崩壊して、ようやく政権批判・戦争反対となるのです。 これは日露戦争に敗れたロシアがロシア革命に突入したり、アフガンで敗北したソビエト連邦が崩壊したりという歴史からもイメージしやすいでしょう。 9月になってロシア国内からも反戦の声がちらほらと出てくるようになってきたようですが、これもきっかけはハリコフでの敗北でした。 ただし、この場合の戦争反対はやっぱり独特で、「負けてんじゃねーよ!」という敗戦責任追求の文脈になるのです。 あくまで絶対に自分の過ちは認めず、ロシアが悪であるというシナリオは受け入れず、戦争そのものが悪いのではなく、負けたことが悪いという主張になるのです。。。 息を吸うように嘘を吐く そんな褒められて伸びるタイプのソビエト民ですが、実際問題彼らを褒めるのは至難の業です。 だってソビエトってしょぼいんだもん。 文化だろうが、エンタメだろうが、料理だろうが、科学技術だろうが、どうしても海外と比べると見劣りしてしまうので褒める部分が見つからないのです。 こうなったら嘘つくしかないんです! ニュースはフェイクニュース満載で、歴史は修正しまくって、日常会話はプロパガンダまみれで、そうやって自作自演・自画自賛で自分で自分を褒めて承認欲求を満たすしかないのです。 どうもソビエト民って嘘をつくことにほとんど羞恥心を感じないし、発言の真偽とか証拠の有無を検証するって文化もないんです。 そんでもって承認欲求を否定される行為(批判とか否定とか敗北とか)に物凄いストレスを感じる人達なんです。 要は、『嘘をつく際の羞恥心よりも、否定されることによる苦痛が勝っている状態』なんだと思います。 だからもう、息を吸うように次から次へと嘘が出てくるのです。 イメージしにくい方のためにちょうどよい参考動画を発見しました。 駐日ロシア大使ガルージンの嘘つきショーをお楽しみください! 次から次へと根拠も証拠も滅茶苦茶な主張が飛び出してきます。 このインタビューを受けてTBSはなんと現地でガルージンの主張の検証を行ったようですwww 世界中のメディアやジャーナリストがファクトチェックやってんだから、すぐバレる嘘つかなきゃいいのにwww 日本の専門家 ところでメディアに引っ張りだこの日本の軍事・地政学・国際政治等の専門家の皆様ですが、けっこうまともですね。 国際感覚が豊かで、主張もファクトベースかつ論理的であり、ロシアに独自のネットワークを持っている方もおられ、また難しいテーマをお花畑日本人にも大変分かりやすく説明されている方ばかりで素晴らしいです! 戦争について議論することすらタブー視され、なぜか国会取り囲んで安保法案に抗議するような不思議の国ジパングにおいて、こういった分野に進まれるには大いに葛藤・苦労があったものと推察します。 彼らの頑張りが今こうして日本の安全保障に一役買っていると思うと尊敬の念しかありません。 眉間ニキこと高橋杉雄氏はジャム好き甘党のスイーツ男子だそうです。 睡魔ニキこと小谷哲男氏の声には催眠効果があります。 寝室に小谷氏の声をBGMとして流すとぐっすり入眠できます。本当です。試してみてください。 滑舌ネキこと廣瀬陽子氏はなんとアゼルバイジャン滞在経験があり、現地でスムガイト事件の調査をしていたとのこと。このネキの証言が面白いです。 アゼルバイジャン市民が三日三晩アルメニア移民を虐殺し続けたと言われるこの事件ですが、アゼルバイジャン人に聞くのとアルメニア人に聞くのとでは真逆の物語が語られ、ネキも精神分裂状態に陥ってしまったとのことです。 もしネキに一言アドバイスできるなら「深く考えないでください」と言いたいです。アゼルバイジャンに来た先進国のエクスパットはみんな大なり小なり精神分裂します。だってこの国なにもかもがウソなんだもん。 アゼルバイジャン人だろうがアルメニア人だろうが正直に証言するわけもなく、手前都合の陰謀論・フェイクニュース・歴史修正・プロパガンダ・捏造証拠を壊れたラジオのように繰り返すだけなので、インタビューするだけ時間の無駄です。 さぁ専門家に各国外交官や政治家、果てはYouTuberまで交えたルール無用の情報戦が盛り上がってまいりました! 今宵はどのような対戦カードで私達を楽しませてくれるのでしょうか? いい質問するなぁ ただ一名だけ残念だなと思うのは、西側プロパガンダを拡散しすぎてロシアから入国BANを喰らった、BAN中村こと中村逸郎氏です。逸郎、久しぶり! このおっさんプロパガンダ担当だと思うのですが、あまりに無茶苦茶なロジックで現実味のない主張をするので、こいつが出てくるたびに首を傾げてしまいます。 具体的なやり取りをいくつか見てみましょう。 アナウンサー:「プーチンが6月までに辞任する確率は?」 BAN中村:「99%です!」 => プーチン政権の支持率やロシア市民の声を把握しているのか???戦争まっただ中に国のトップをすげ替えるようなリスキーな選択をロシア政府・ロシア人がすると思ってんのか??プーチンが辞任するにはそれなりのカタリストが必要だろ? アナウンサー:「6月12日のロシアの日以降に停戦交渉突入ですか?」 BAN中村:「ウクライナをウクライナでもロシアない地域にして停戦交渉に入るんです!」 => もう何言ってんのかさっぱり分からんぞ。てか戦争目標が何も達成されてないのに、何を交渉するんだ? アナウンサー:「戦果の欲しいプーチンはどうするのでしょう?」 BAN中村:「ウクライナの代わりにジョージアの南オセチアを併合します!」(動画は消されていてリンク発見できませんでした) => ウクライナで手一杯なのに戦略的重要性も民族的融和性も低い南オセチアにリソース割くわけねーだろ!どう考えても後回しだろ! アナウンサー:「経済制裁はロシア国民の暮らしにどんな影響?」 BAN中村:「経済制裁でレシートの紙が入ってこなくなってるんです!」 => お前はレシートの紙がそんなに重要なのか??なんでもかんでも経費で落としてんじゃねーよ。 こいつは本当に酷いですね。ひろゆきに論破されてほしいです。 戦時下において政治家でも軍人でもない一般人にどこまで制限を課すべきか、とても線引きの難しい問題だと思いますが、こいつは入国BANでオッケーでしょう。 日本ってこーゆー『頭使って考えれないオジサン』とか『人間語通じないオバサン』みたいな人が数千万匹は生息していて、そんな他の先進国だったら瞬殺で居場所が無くなりそうなレベルの奴らがなぜか社会的に良いポジションについてたりするんですよね。失われた三十年は人災なんです。 それにしてもアナウンサーさん、いい質問するな〜 支配欲 最近、朝倉未来氏の以下のツイートに非常に考えさせられました。 日本ってほんと『他人を自分の思い通りにしたいマン』多いですよね。そして思い通りにならなっかたり、批判・反論されると子供みたいにキレるんですよねwww さて、ソビエト民も基本『他人を自分の思い通りにしたいマン』なんです。 老若男女問わず強烈なる支配欲・征服欲・屈服欲が全身から溢れ出しています。 相手が自分の思い通りにならないと我慢できず、口答えや反論等はもう許せないのです。 アゼルバイジャンで以下のようなやり取りがありました。
「こいつ俺様の用意した飲み会に来ねーだと?俺の言うこと聞かねーだと?許せんぞ!」となってしまうのです。 なぜソビエト諸国は猟奇的・一方的な主張を他国に押し付け、その実現のためには武力行使も厭わないのか?? それは国民一人一人がそーゆー人達だからです。 ミクロのレベルで国民が支配欲・征服欲・屈服欲の塊なので、国全体としても同じ性格になるのです。国家は国民の鏡なのです。 私はその国・国民の支配欲・征服欲・屈服欲を計る方法として、DV率がとても良い指標なのではないかと思っています。 家庭で自分の思い通りにならない場面において、それを暴力で解決するようなDV男子が住まう国は、国全体としてDV国家なのです。 ちょいと調べて頂ければすぐ分かるのですが、旧ソビエト諸国のDV率は凄まじいものがあります。 話は変わりますが、アルメニア人はなぜアゼルバイジャン人にジェノサイドされるのか?(アルメニア人がアゼルバイジャン人をジェノサイドするパターンもある) それは彼らが屈服しないからだと私は思ってます。 アルメニア人も同じく征服欲が強いソビエト民で、血の気も多いし、いちいち闘っちゃうんですよね。 聞き流せばいいようなアゼルバイジャン人のプロパガンダとか歴史修正とかマウンティングに対して、いちいち「嘘つくな、黙れ、お前はクソだ」と同じやり方でやり返して、アゼルバイジャン人の支配欲を根本から否定しちゃうんです。 DV男子に楯突いたら、もちろんDVされます。こうしてソビエト圏では歯向かう奴はとりあえずジェノサイドされちゃうんです。 ロシア軍がウクライナのブチャで虐殺しただの、マリウポリに数万人の墓地があるだの、イジュームに集団墓地が発見されただので世界はショックを受けていますが、皆さんちょいとソビエト圏の歴史を調べてみてください。こんな話いくらでもあります。 ソビエトでは楯突くやつはとりあえずジェノサイドなんです。そーゆーもんなんです。 ジェノサイドした後に証拠を隠滅して、「それはデタラメだ」とシラを切るのがお決まりなんです。そーゆー生き物なんです。 さて、ウクライナ戦争に際し、ロシア人の支配欲を正面から徹底的に叩き潰しているのがアメリカ・イギリス・カナダ等のアングロ民です。 証拠を突きつけ正論で『お前は嘘つきだ、俺が正義だ、お前はクソだ、お前は俺より下だ』とロシア人を真っ向から否定しマウントを取ってくるアングロ民という生き物は、ロシア人にとっては虫唾が走るほど気に食わない連中なのです。 ロシア人にそんなことするとますます心を閉ざして、壊れたラジオのようにプロパガンダを繰り返すだけなので逆効果なのですがwww アングロ猿人とロシア猿人は生まれつき破壊的に相性が悪いのです。 ムーディー勝山 私はソビエト民のトリセツは日本の非非友好国ジョージアに学ぶべきと考えています。 目の前でアゼルバイジャン人やロシア人が、(欧米人が聞いたら顔が引きつってしまうような)プロパガンダや歴史修正を合唱していても、ジョージア人って「へーそうなんだー」と何事もなかったかのよう聞き流すのです。 これはいつ見ても見事だと思います。 ツッコミません、絡みません、闘いません。何事もなかったかのように、右から左へサラ〜っと受け流すのです。これなら揉め事は起こりません。 もともと多民族国家のジョージアでは考えの違いなんかいちいち気にしてたらキリがないので、流すようになったのではないかと私は推察しています。ソビエトっぽくないですね。 あとはジョージア人って隣国とは思えないぐらいアゼルバイジャンに興味もないし、びっくりするぐらいアゼルバイジャンのこと何も知らないんです。 人種的にも別物だし、ジョージアってEU加盟を目指して欧米諸国の方ばかり見ているので、アゼルバイジャンのことなんか眼中にないんだと思います。 だからアゼルバイジャン人が何言っても「へーそうなんだー」と興味なさそうに相槌打つだけなのかと。 争いごとを避ける秘訣は「無関心」なのかもしれません。 そんなジョージアのレジャバ大使は、笑いのセンスで日本国民にアプローチするという独自の外交手法を開拓しております。こんなキャラの大使はゾマホン以来ですね。 この人見た目がほぼ小島よしおです。 是非『細かすぎて伝わらないモノマネ』に参戦して頂きたいものです。 長いものには巻かれよ 9月に入ってからのハリコフでの反転攻勢もあり、「ウクライナ勝っちゃんじゃね?」みたいなお花畑な空気が流れていますが、果たして本当にそうでしょうか? 今回の戦争、ロシアにしてはかなりジェントルマンに戦っているように思えます。 ロシアがその気になればウクライナに流入する暖房用天然ガスだって制限できるはずですし、インフラを破壊したり、大量破壊兵器を使ったりすればもっと優位に戦えるはずです。 やはり兄弟国家であり、旧ソ連諸国からの冷たい目線もあり、めちゃくちゃ慎重に注意を払いながら戦っているのでしょう。ロシアにしては。 裏を返せば、ロシアがお得意の残虐性を発揮すればまだまだ形勢はどっちに転ぶか分かりません。 またロシアは食糧・エネルギーをほぼほぼ自給しています。外貨獲得元は小麦等の食糧と天然ガス・石油の輸出であり、コモディティなので西側が経済制裁しようが絶対に買い手は見つかります。 食糧やエネルギーの輸出を操り、世界恐慌を引き起こす覚悟で本気の持久戦をやれば、いずれヨーロッパは降参し、勝つのはロシアでしょう。 恐慌が起きてもロシア人は生き残れます。だって食糧もエネルギーも自給してるんだもん。最悪配給制にすれば良いだけです。 さて、以前の投稿で分析した通り、
米ドルが独占してきた石油・天然ガス決済の牙城を切り崩し、また、ルーブルをコモディティーの価値に裏打ちされたコモディティーとの交換チケットとして再定義し、さらにコモディティー供給を牛耳り兵器化することで、西側が構築したマネーゲームを根本からゲーム・チェンジしようとしているのです。 そのためにウクライナのコモディティー(小麦、とうもろこし、鉄鉱石等)が必要だったのです。 ここでロシア人が今回の戦争を支持するもう一つの理由を述べたいと思います。 ロシア人は今回の戦争が通貨戦争・覇権戦争であるということを理解しており、ウクライナでのいざこざなんて大事のための小事だよね思ってるからです。 覇権戦争ならそれぐらい仕方ないよね、ってことです。 なぜロシア人はこれを覇権戦争だと考えるのか?? それはrt.com等でそう放送してるから、ロシア人はプーチンが大風呂敷を広げていることを普通に知っているのです。 だからこそ西側はロシアのメディアをブロックしたのです。自らの覇権が窮地に立たされていることを隠すために。 それにしてもrt.comはドキュメンタリー調にプロパガンダと陰謀論が流れてきて、とても見ごたえがあります。 さて、日本政府は西側と歩調を合わせて威勢よくロシアに経済制裁してますが、政府に聞きたいのは「もしロシアが覇権国家になったらどうすんすか??」。 人生一寸先は闇です。 自由主義陣営が衰退し、ロシア・中国あたりが世界を牛耳るおぞましい未来というのも十分起こりうるシナリオです。そうなった時、日本にどんなしっぺ返しが来るか。 こんな覇権戦争のまっただ中ではなるべく中立寄りにポジション取るのが一番安全なんです。どっちが勝つか分かった段階で勝馬に乗れば良いのです! 韓国みたいにアメリカから裏切り者目線で見られるぐらいの曖昧ポジションを取ったり、インドやトルコみたいにどっちに転んでも大怪我しない立ち位置を取るのが正解なんです。 核兵器も持ってないし、30年間ゼロ成長なのに威勢良く経済制裁なんかすんのやめてくださいよ。 日本は政府はいつでも中国・ロシア側に寝返れるぐらいの準備はしておくべきでしょう。 SLAVA UKRAINI 私は「日本政府」と「個人の日本人」は分けて対応すべきだと思ってます。 日本人個人は徹底的にロシア・ロシア人を叩くべきだと思います。 第二次大戦敗戦から七十余年、ドイツ人と日本人は「敗戦国民」のそしりを受け、世界中どこに行っても罪の十字架を背負わされてきました。 此度ついに待ちに待った瞬間がおとずれたのです。ついにこの罪の十字架を外すタイミングが来たのです。 みんなでロシア人を人類の敵にして、悪役にしちゃいましょうよ! 罪の十字架のバトンタッチです! 私はロシア人を悪者にすべくロシア語のTelegramチャンネル等で暴れまくってます。 本ブログを読んでいただいている皆様も是非この聖戦に参加頂ければ幸いです。 さて、「よしロシアと戦うぞ!」と高い志を持った皆様がここで気づくのは「あれ?ロシア人ってどこにいるの?」という現実です。 ロシアって戦争とオリンピックの時以外は全く存在感がないので、必然的にロシア人との絡みもないのですwww 皆さんが思いつくプーチン以外のロシア人って、ロシア大使のガルージンとか、霊長類最強レスラーのカレリンとか、ボクシング王者の勇利アルバチャコフとか、格闘家のヴォルク・ハンとかでしょうか? こんなやつらと戦ってはいけません。返り討ちにあいます。 嘘つきガルージンに悪口なんか言ったりしたら毒盛られて殺されちゃいます。 戦いとは「絶対に勝てるやつを相手に、絶対に勝てる土俵で、卑劣な手を使い、無慈悲に、完膚なきまでに一方的に叩きのめす」ことを言うのです。 負ける戦はしてはいけません。 そこで、小原ブラスあたりはいかがでしょうか? こいつならいくら叩いても絶対なんの仕返しもできません。手頃なターゲットです。 さぁ我々の聖戦を始めましょう! ウクライナ人は祖国のため、自由と民主主義のため、そして、国際秩序のためにロシア人と戦っています! 日本人も我々日本人の矮小な利益のために戦いましょう、小原ブラスと! SLAVA UKRAINI! 3月に導入されたルーブル・金ペッグはルーブル為替相場に安定をもたらした。 「ロシアからの資源輸入をルーブル払いにせよ」という要求は、外為市場にルーブル買い圧力を生み出し、またアービトラージによりロシア国内への金流入を促す。 ロシアが金による資源輸入の支払いを受け付けると、ロシアへの恒常的な金流入が発生し、また、インフレが進行するほどルーブル高が進むという悪魔の通貨戦争スキームが完成する。 前回投稿にて、ロシアのウクライナ侵攻の目的は農地強奪であると指摘しました。 ロシアの輸出経済の成長エンジンであり、また、第三世界の胃袋を握る戦略物資でもある小麦の増産を支えた農業生産性の向上が頭打ちになり、ロシアが農産物のさらなる増産を達成するには農地を拡大する必要に迫られている。 眼前に広がるウクライナ南部ロシア系住民居住区の肥沃な農地・水源を強奪し、欧米からの痛くも痒くもない経済制裁に耐えつつ、農産物輸出を拡大し、また、世界の胃袋を握る超食糧大国として君臨するのは極めて合理的な経営判断である。 要約するとこんな↑感じでした。上記の視点はある程度当たってると思います。 「ロシア系住民の保護」とか「民族主義者との戦い」とかクソどうでもいい理由は忘れてください。安全保障・プーチンの独裁体制維持に加え、農地強奪もウクライナ侵攻の大きな理由だと思います。 ただし、私の見通しは甘かったようです。プーチンはもっともっともっと大きな絵を描いているようです。 プーチンショック 〜 新ゴールドスタンダード 西側メディアは沈黙していますが、3月25日にロシア中央銀行は『金1グラム=5000ルーブル』の固定レートで国内金融機関からゴールドを買い取るという声明を発表しました。どうもこれは6月30日までの時限措置のようです。 まるでゴールドスタンダード(金本位制)です。 効果は絶大でした。 ウクライナ進行後、一時150ドル水準にまで進んだルーブル安が、たちまち進行前の80ドル水準にまで戻り、ルーブル切り下げ不安を一掃しました。まぁロシア国内で固定レートで金とルーブルが交換できるので、その水準でドル・ルーブルのレートが落ち着くのも当たり前ですね。 6月30日以降どうなるか分かりませんが、仮にこの固定交換レートが継続され、引き続き、金1グラム=5000ルーブル、だとしましょう。 するとこれは、金価格が上昇する度にルーブルの為替レートが切り上がることを意味します。当たり前ですが。 ↑この固定交換比率から算出される理論USD/RUBレートのチャートを載せておきます。 今後、仮にインフレや地政学リスクイベントがまだまだ続くとすると、ドル建ての金価格は上昇し、すなわちドルは減価します。そして金にペッグされたルーブルはドルに対して切り上がります。 これはインフレ環境下においてルーブルがめちゃくちゃ強い通貨になることを意味します。 さて、本投稿執筆時での金価格は$1,929/OZで、USD/RUBレートは84です。これは理論価格に比べてディスカウント(割安)されてる状態です。 ルーブル為替がディスカウント状態でなにが起こるかと言うと、アービトラージャーは外為市場でドルを売って割安なルーブルを調達します。調達した割安なルーブルをロシアに持っていき金に替えます(たぶん中銀レートにちょいとプレミアムを付けた価格で)。ロシアで購入した金を金市場で売ってドルに替えれば利鞘が稼げます。利鞘がなくなる水準までルーブルの為替レートは上昇し、理論価格に近づきます。 しかし、これがプレミアム(外為市場のルーブルが割高)の状態になると恐ろしいことが起こります。これは後述します。 要は、世界第二位の金埋蔵量と世界第五位の金準備を誇るロシアが、中銀が固定レートで金を買い漁ることでルーブルの為替レートを安定させたのです。 ペトロルーブル ロシアはまた西側非友好国に対し資源輸入の支払いをルーブルで行うように要求しています。断ればガスの元栓を締めることも辞さずという剣幕です。ペトロダラー(石油本位制)ならぬペトロルーブルですね。 西側はこの要求を断固拒否する見通しですが、ハンガリーはロシアに同調する動きを見せています。 もし、プーチンが強硬で、西側がルーブルでの支払いを了承せざるを得なくなったと仮定しましょう。一体何が起きるか?? Austrolibは興味深い指摘をしています。 このロシアから資源輸入のルーブル支払いのために、外為市場では恒常的にルーブル買いニーズが発生し、為替レートは先の理論価格に比べプレミアム(割高)な状態となり得る。するとアービトラージャーは金を「金1グラム=5000ルーブル」でロシア中銀に売り、調達した割安なルーブルを割高な外為市場で売却する。 すなわち、西側非友好国がルーブル払いを了承すると、外為市場でルーブルが割高になり、結果、金の買い取りレートが固定されたロシアに金がどんどん還流するという事態になりかねないのです。 プーチンがこだわるルーブル払いの目的は、単なる通貨価値防衛だけではなく、おそらく世界中からゴールドを吸い上げることも念頭においているのだと思います。 はたして非友好国はルーブル払いを了承するのでしょうか? プーチンには必殺の一手があります。『ルーブルで払ってくれたらガス代割引するよ』と言えば良いのです。 すると財政の厳しい国からドミノ倒し式にルーブル払いを了承する流れになるかもしれませんね。 ルーブルって小さいながらも既にかなり国際通貨なんですよ。 前回投稿で指摘したように、ロシア政府の対外債務は7割ルーブル建てです。 また、↑のチャートで示すように、ロシアの貿易決済もかなりの割合がルーブル建てです。 これに加えて非友好国の資源輸入決済もルーブル建てになれば、もうルーブルは国際基軸通貨の一角でしょう。 ドルが紙切れになった日 ご高齢の皆様は1971年のニクソンショックを覚えているでしょうか?それまで1オンス=35ドルの兌換比率で固定されていたドルと金とのペッグを「やーめた」と突然ちゃぶ台ひっくり返した衝撃を。 国際収支の赤字と厳しいインフレでドルの切り下げ圧力が強まり、また金準備もすっからかんになった米国はもはや通貨を切り下げるしかなく、その日から米ドルは(そして他の通貨も)金の裏付けのない紙切れとなりました。 目下、政府国債を担保に中央銀行が通貨を発行する仕組みとなっているのですが、要は『紙(国債)を担保に紙(通貨)を発行してる』だけです。 FRBことFEDERAL RESERVE BOARDには、Reserve(金準備)がないのです。さらに言うとFRBは100%民間保有(主にユダヤ資本)の民間銀行なので、Federal(連邦政府)ですらありません。 「じゃあロシアも金準備がなくなったらまたルーブル切り下がるじゃん」と思われるかもしれませんが、ロシアはこのリスクを回避可能です。 ZeroHedgeは『ロシアが資源輸出の支払いをゴールドで受け取る』ようにすれば良いと指摘しています。これで無限に湧き出る油が金塊に変わり、持続的にロシアに金が還流するようになり、金準備は維持可能です。資源国・輸出立国ならではのソリューション。 ロシアのエネルギー副大臣Pavel Zavalnyは既にこの資源輸出のゴールド払いオプションに言及しています。曰く、ロシアはドルには興味がなく信頼もしておらず、金かルーブルかビットコインか輸入元友好国通貨(人民元とかトルコリラとか)で資源輸出の決済をしたいとのこと。 ガチでドルを殺す気です。さぁNATOは動くか? はたして輸入国は金での支払い検討するのでしょうか? プーチンには必殺の一手があります。『ゴールドで払ってくれたらガス代割引するよ』と言えば良いのです。
50年ぶりのパラダイムシフト、かもしれません。 情景が目に浮かびます。 200X年、クレムリンの薄暗い小さな会議室で『Project Z(仮名)』が発足。 ミッションは「ロシアを再び超大国にする」こと。 絶対に西側に漏れてはいけない極秘のプロジェクト。 メンバーはおそらくプーチンと信頼できる幹部と優秀なアナリストだけの少数精鋭チーム。 それからは雨の日も風の日も吹雪の日も、経済・地政学・外交・金融・軍事あらゆるパラメーターを分析してシナリオを練り上げてきたのでしょう。 そしてついに欧米をぎゃふんと言わせるタイミングが来たのです。 ↑規模感だけ比較しておきます。 ロシアの石油・ガス輸出は一日当たり7億ドル程度で、ルーブルの外為取引高の1%程度に相当します。この輸出の何割かがルーブル決済になれば、外為市場でのルーブル純買い圧になりルーブル為替にプレミアムがつき、アービトラージャーによりじわりと金がロシアに還流するのではないでしょうか。 もし、この石油・ガス輸出の数%でもゴールド決済になれば、それはそれでまとめて金がロシアに還流し、ロシアはハッピーでしょう。 まだまだ米ドルに比べて小さいですが、ペトロゴールドルーブルは侮れない存在だと思います。 デジタルゴールド ロシアのエネルギー副大臣Pavel Zavalnyが言及した通り、ロシアはビットコインでの貿易決済にもオープンです。 これは上述のペトロゴールドルーブルが上手く行かなかった場合のヘッジになりますし、ロシアが閉め出されたSWIFT国際送金網の代替にもなり得ます。 水力発電による安価な電気代と寒冷な気候を活かして、ロシアはビットコイン採掘のハッシュレート(計算能力)の11%も有しています。 ロシアの目指す新ゴールドスタンダードにはデジタルゴールド(ビットコイン)も絡んでくるのかもしれません。 通貨と戦争 思い出されるのは2003年のイラク戦争です。 グリーンスパンが「イラク戦争の目的は石油だった」とゲロしてしまい物議を醸しましたが、あの戦争には通貨戦争という側面もありました。 フランス・ドイツ・ロシア・イラクがタッグを組んでイラク産の石油をユーロ建てで輸出しようとしたのです。これはニクソンショック以降、石油貿易の決済を独占することにより価値を担保してきた米ドル(ペトロダラー)に対する大いなる挑戦・裏切りでした。激怒したブッシュは無理矢理戦争をおっ始めてこの企てを阻止したのです。 ところで当時のアメリカの偽旗作戦は酷かった。 「イラクは大量破壊兵器を保有している」と言いがかりをつけて地上部隊まで派遣してイラクを掌握したのですが、案の定大量破壊兵器なんてなかったのです。 この茶番に気づきますか?もしイラクが本当に大量破壊兵器を持っているのであれば、アメリカは地上部隊なんて派遣できません、だって全滅しちゃうもん。 アメリカはイラクが大量破壊兵器を持っていないことを知っていたのです。知っていたから地上部隊を派遣できたのです。大量破壊兵器を持っていないと知っている相手に対して「お前は大量破壊兵器を持っている」と言いがかりをつけて戦争したのです。 イラク戦争に比べれば、ウクライナ戦争におけるロシアの偽旗作戦の方まだマシに見えてしまうのは私だけでしょうか? ロシアに話を戻しましょう。 欧米諸国は全力でウクライナに祈りを捧げていますが、アラブ諸国やアフリカ諸国は「世界中で散々侵略・略奪・虐殺をやってきた欧米人が今更なに言ってんの?」と言わんばかりの冷たい眼差しで欧米諸国をしれ〜っと眺めています。 世界から孤立しているのはロシアなのでしょうか?それとも欧米諸国に今までの悪事のしっぺ返しが来るタイミングなのでしょうか? さて、ロシアの企てているであろうこのペトロゴールドルーブルの仕組みは、ロシアでなくても良いのです。アラブやアフリカの資源輸出大国であれば真似できてしまうのです。彼らとロシアとの違いは核兵器の有無ぐらいでしょう。 彼らはプーチンの通貨戦争の行く末を見極めているのです。そしてあわよくば自国通貨にもロシアと同じスキームを適用し、欧米人に一泡吹かせてやろうと心の底で思っていることでしょう。 しかし、通貨というのは怖いものです。イラク戦争の例もあるように、通貨は戦争に直結します。 普段は文明人のフリをしている欧米人も、銭が絡むと化けの皮が剥がれ容赦がなくなります。 第三次世界核大戦の足音が聞こえてきたと感じるのは私だけでしょうか?? 戦争はいけません。 世界大戦を防ぐべく、私も全力で祈りを捧げたいと思います。 ウクライナ戦争 って結局なんなの?って疑問にここで私の考えを総括しておきたいと思います。
米ドルが独占してきた石油・天然ガス決済の牙城を切り崩し、また、ルーブルをコモディティー(金・小麦・天然ガス・ビットコイン等)の価値に裏打ちされたコモディティーとの交換チケットとして再定義し、さらにコモディティー供給を牛耳り兵器化することで、西側が構築したマネーゲームを根本からゲーム・チェンジしようとしているのです。 そのためにウクライナのコモディティー(小麦、とうもろこし、鉄鉱石、ネオンガス等)が必要であり、また、覇権戦争を仕掛けるカタリストがウクライナ戦争だったのです。 ウクライナ国民にとってはいい迷惑ですね。 (追伸)ツワモノ達のコーカサス ついでに久々にコーカサスのことも書きましょう。 このウクライナ戦争にて、コーカサス三国は独特の動きを見せております。
こいつらなんでこんなに愉快なんでしょう。逸材揃いです。 まぁアゼルバイジャンのカラバフへのプチ侵攻は出来レースだと思います。 以前の投稿でも指摘したのですが、トルコに対し弱腰の印象がついてしまったロシアには、同盟国アルメニアを守ったという『実績』作りが必要なのです。 ウクライナ戦争のため、カラバフにロシア軍不在の空白状態ができ、その隙にアゼルバイジャン軍が進軍し、後々ロシア軍が戻ってきたらアゼルバイジャン軍が後退するのでしょう。三歩進んで一歩下がるです。 するとアゼルバイジャンは二歩進めてハッピーです。ロシアもアゼルバイジャンを一歩下がらせた実績ができてメンツが立ちます。 ソビエトって気持ち悪いでしょww ジョージアでは親ロ派自称独立国の南オセチアがロシア編入を目指す国民投票を行うようですね。何を考えているのやら。 それでは今回はジョージアの人気ユーチューバーTrio Mandiliの曲で締めましょう。Kakhuri! 皆さんご一緒に『ハ〜ラ〜ラ〜レ〜♪』 やはりジョージア文化は素晴らしい。
パクリバイジャンとは一味違う。 カラバフ戦争の行方をことごとく的中させた当ブログですが、今回は門外漢のウクライナ戦争について予想してみたいと思います。 ロシアの最重要ターゲットはウクライナ南部の穀倉地帯とネオン関連工場だと思うのですが、ここらへんを落とせるか否かでシナリオががらっと変わってくるのかなと。 ↓みたいな感じで戦局が展開していくと予想しています:
敵を知り己を知らば百戦危うからず というわけで、本題に入る前にまずはロシア側の状況を分析してみましょう。 数字が苦手な人のために最初に結論だけまとめておきます。これは農地強奪戦争です:
ふー、順番に見ていきましょう。 ↓はロシアの過去10年の経常収支です。 想像通りというか有りがちというか、典型的な輸出主導の収支構造です。 原油価格の周期にあわせて輸出入がデコボコと変動するのですが、基本的には輸出入のプラスで、サービス収支と所得収支のマイナスを十分カバーしている状況です。 面白いのは、おそらく2014年のクリミア併合に伴う制裁の影響だと思うのですが、サービス収支・第一次所得収支のマイナス幅が減少しており、越境経済活動・投資活動が停滞し、ロシアがグローバル経済から切り離され、どうも内需完結型の経済に移行していっている様が見て取れます。 輸出入のプラスが圧倒的な状態で、対外支払いが減少しているので、経常収支構造はますます堅牢になります。 西側メディアはことさらロシアの経済危機を強調しますが、そんなに危機的ですか?? 貿易赤字を垂れ流している日本よりはよほど健全な収支構造に見えます。 こうやって国際収支を見るのは重要です。 プーチンは当然ウクライナ侵攻に伴い強烈な経済制裁を受け、ロシアがさらに世界から隔絶されることを想定していたはずであり、逆に言えば『さらに世界経済から切り離されてもロシア経済は十分やっていける』という確信がなければ戦争なんかできません。 この収支構造を見る限り、ロシアにとって輸出入さえしっかりしてれば、他のファクターは誤差みたいなものなのではないかと思います。 対外債務の状況も見てみましょう。↓は対GDP対外債務比率です。 ロシア政府の対外債務の大部分は実はルーブル建てなんです。中央銀行が輪転機を回せば返済できます。外貨建ての政府対外債務はたかだか200億ドル程度です。 西側プロパガンダメディアはことさらロシア国債のデフォルト危機を拡散しておりますが、一体どこに危機があるのでしょうか?? ロシアが国外に保有していた資産が凍結されたり、銀行がSWIFT送金網から外されたりしたから、"実務的"に利払い作業が大変というだけであって、本質的にロシアの経済構造が破綻しているわけではないのです。 経常収支に戻りましょう。 この健全な経済構造を支える根幹である輸出収支の部分を見てみます。 やはり石油・ガスの部分が屋台骨となっているのですが、資源価格に連動して乱高下するのは致し方なしです。 興味深いのは2017年以降石油・ガス以外の輸出が堅調に伸びており、直近2年間ではついに輸出収支の過半を非石油・ガスで占めるに至りました。資源国の印象の強いロシアですが、着々と脱資源経済を進めていたようです。 原油・石油製品・天然ガスの四半期毎輸出量(金額じゃなくて量)を↓に示しますが、天然ガスは上昇傾向に見えますが、やはり原油・石油製品は横ばいです。 石油・ガス産業以外の部分にも堅調な輸出入の秘密がありそうです。 ここは貿易統計を見てみる必要があります。 ↓にロシアの主要輸出品目を示します。 もちろん輸出の中心は石油・ガスなのですが、エネルギー・資源・工業製品は軒並みマイナス成長で、一方、穀物・農林産物が驚異的な伸び率を示しております。 どうもロシアは死物狂いで第一次産業にテコ入れをして、そういった努力が輸出品目の多角化につながっているようです。 ついでに輸入の方もチラ見しましょう。 ↓輸入額の推移です。輸出が好調な時に増えて、そうでない時は質素な感じです。 輸入の内訳を見てみると、食料・自動車・鉱物等が急激に減少していることが分かります。ふむふむ。 自動車は格安中古車主体の輸入に切り替えたのかもしれませんね。 食料品目の輸入減が見られるあたり、やっぱりロシアが死物狂いで第一次産業を育成していた匂いがプンプンします。 ここまでで総括すると、資源輸出一辺倒で、脆弱な財務基盤によりデフォルト寸前という一般的なロシア経済に対する認識は実は誤りなのではないかという気がしてきました。 このブログを書いている私自身が大変混乱しております。 数字が示しているファクトはロシアの多角化された輸出産業、第一次産業の驚異的な成長による外貨獲得、健全な経常収支構造、そして取るに足らない対外政府債務ということです。 図体がデカイだけで貿易赤字垂れ流しの日本よりよほどまっとうなビジネスモデルなのではないかと思えてきました。 う〜ん、、、ロシア経済の根幹である貿易の部分をもう少し深堀りしてみましょう。経済制裁の影響は如何程なのか。 ↓は2019年の主要貿易相手国です。対ロシア制裁に前のめりな48カ国は非友好国にまとめました。 これは衝撃的ですね。 ロシアに友好的・中立な中国・ベラルーシ・トルコ・カザフスタン・その他諸々を合わせても貿易額のたかだか4割程度しかなく、輸出入共に非友好国が過半を占めています。 ロシアの成長エンジンである貿易は大いに影響を受けそうです。もう少し分解してみましょう。 ↓はロシアの2019年の欧州非友好国向け輸出($182bn)の内訳です。石油・ガス・練炭・タールオイル・金・プラチナ・ダイヤモンド・アルミ・銅・ニッケルといった主要なエネルギー・資源関連の品目で輸出のなんと約8割を占めています。 これらのエネルギー・資源品目を欧州非友好国側から見た輸入元が↓になります。 ロシアが17.9%と圧倒的です。。。この数字は各国の輸入の単純合算なので、域内を通過するダブルカウント分を考慮すれば、ロシアへの実際の依存度はもっと高いのではないでしょうか。 ↓のチャートはEU+イギリスのガスの供給元の推移です。元記事によると『ヨーロッパで利用されるガスの4割、EUの輸入原油の25%以上がロシア産』とのことです。 まとめると、ロシアの経済のエンジンである輸出において、欧州非友好国向け輸出のほとんどはエネルギー・資源関連であり、またロシアの供給シェアは圧倒的であり、欧州非友好国が威勢良く経済制裁だと言ったところですぐさまロシアからの供給を代替するのは不可能です。というか数十年かけても最大供給元はロシアであり続けるのではないでしょうか。貿易決済も必要なためにSWIFTからの完全除外もできません。 すなわちロシアから欧州へのエネルギー・資源輸出量はすぐには減りそうにありません。むしろウクライナ戦争のおかげで資源価格も上がり、ロシアとしては輸出額が増えて焼け太りということになるのではないでしょうか。 経済制裁にしても、外資撤退に伴い短期的には失業者が増え国民の幸福度も低下しますが、長期的には撤退した海外サービスが(勝手に外資企業資産を乗っ取った)ロシア国内サービスに置き換えられ、またまたサービス収支が改善する方向に向かうのでは? 日本を含むアジア太平洋の非友好国についても状況を見てみましょう。 ↓はアジア太平洋の非友好国に対するロシアの輸出品目です。 欧州とそっくりですね。 原油・ガス・練炭・アルミ・プラチナで輸出の約8を占めています。 これらの品目をアジア太平洋の非友好国側から見た輸入元が↓になります。 やはりロシアの存在は大きく、アジア太平洋とは言え、これらエネルギー・資源輸入の代替元を探すのは困難でしょう。日本がサハリンの権益を放棄するわけもないですしね。 ↓では最大の貿易相手中国に対してロシアは一体何を輸出しているのでしょうか? 圧倒的に油なんです。 中国から見た原油の輸入$226bnの内訳↓ではロシアは約16%でトップシェアですが、金額だけの比較で見ると、仮に欧州非友好国がロシアからの原油輸入を2〜3割減らせたとしても、中国が支援として多少補填輸入するのは可能な気がします。 意外にもガスは少ないのですね、と思ったら、ちゃっかりウクライナ侵攻直前に中露新パイプラインの建設を発表してました。 どうも話が大きくなっているようで、このパイプラインのキャパは5ft3/日程度のようで、だとすると欧州非友好国が頑張って何割かロシアからのガス輸入を減らしてもやっぱり中国向けで補填できちゃいます。 中国としても価格交渉力のある輸入元が増えてウハウハでしょう。 このパイプライン関連の決済ですが、なんとユーロ建てを検討しているようです。これは欧州は揺れます。 おそらくプーチンは欧州に対して「ロシアからの資源輸入継続してくれるなら支払いはユーロ良いよ、中国とのガス取引もユーロでやるよ」と裏で囁いているのでしょう。イラクで潰えたペトロユーロの夢再びです。これは欧(ユーロ)と米(ドル)を分断させる駆け引きにも見えます。 ここまではロシアの欧亜非友好国&中国への輸出を中心に見てきましたが、ほとんどエネルギー・資源関連の話に落ち着きました。でも違和感を感じませんか?? データが示していたのはロシアが死物狂いで食料輸出を増やして外貨獲得源を多様化してきたというストーリーですが、これまで全く食べ物の話が出てきません。 目線を変えて、ロシアの食料輸出の最大品目である小麦製品の輸出先を見てみましょう。 エキゾチックな国名が並びます。これがロシアの輸出の成長エンジンである小麦製品の購入者です。そうです、ロシアは第三世界向けの食料の輸出基地になっており、これら食糧安全保障をロシアに依存する国々がロシアの「友好国」となっているようです。 「Weaponizing Wheat」という論文ではロシアがかつてエネルギーでそうあったように、小麦の供給を牛耳って外交・安全保障面での利益を追求するとの指摘がなされています。 まとめると、ロシアのしたたかな戦略が見えてきます。
頭痛がしてきました。私の解釈が間違っているのでしょうか?? あまりにニュース報道で流れてくる情報と実際目に見えるデータに乖離があります。 さて、輸入に関してはあまり面白い発見はなく、まぁ非友好国から輸入が止まっても中国産で代替するんだろうなという程度の品目しかないのですが、一点だけ、北米非友好国(アメリカ・カナダ)からの輸入品目に特徴があります↓ 圧倒的に航空機を北米からの輸入に頼っているのです。食糧であれ工業製品であれ、たいていの品目は国産化もしくは中国で代替できても、航空機だけはやはりアメリカ頼みのようです。 だとすると輸入に頼らなければならない航空機を、なぜ借りパクするような愚行を犯したのでしょうか??一度そんなことをしてしまえば今後誰もロシアに飛行機をリースもレンタルもしてくれなくなります。 また頭痛がしてきました。 ロシアは外界からさらに隔絶されることを前提に、自給できない航空機を借りパクして当面の国内航空需要に対応し時間を稼ぎ、その後は国産もしくは中国産に乗り換えるという算段をしているのではないでしょうか??整備部品はしばらく中国が横流しするのでしょう。 さて、貿易の話はここらへんにして、話題沸騰のロシアの農業を見てみましょう。 ↓はロシアの主要穀物野菜の収穫量です。 やはりロシアが死物狂いで農業に注力してきたという仮説は正しそうです。過去20年で収穫量が倍増しています。 穀物輸出禁止に踏み切った2010年や2012年の不作を除けば基本的に右肩上がりなのですが、一方で直近数年間は収穫量が頭打ちになっているようにも見えます。 作付面積も見てみましょう。 面積は意外と横ばいですね。増えてるっちゃ増えてるけど20年で2割増ぐらいです。やはり過去10年ぐらいは堅実に面積を拡大していってますがね。 また地球温暖化の影響もあるようです。寒冷地が温暖化のおかげで耕地になり作付可能面積が増加すると。 どうもロシアの過去20年の急激な農業増産は農地面積の拡大というよりは、農業生産性の向上によるところが大きいようです。(肥料とか作付け回数とか品種改良とか) さて、↑の2つのチャートを見て強烈な違和感を感じませんか?おそらくロシアの農業の現場で何かが起きてます。 過去10年間の堅調な農地拡大にも関わらず、直近数年の収穫量は頭打ちになっているのです。 これはロシアの急激な農業生産増を支えた農業生産性の向上が限界にきていることを示唆しているのではないでしょうか? すなわち、これを以上面積あたりの収穫を増やすのはけっこう大変であり、輸出経済の成長エンジンである農業生産をさらに成長させるには、根本的に農地面積をに増やすしかないという段階に迫りつつあるのではないかと推察されます。 ↓にロシアの主要食品の輸出入額をまとめてみます。 かつては食料の純輸入国であり、ソビエト崩壊時には食糧危機に陥ったロシアですが、いつの間にか食料の輸出で稼ぐ国に変貌を遂げていたのです。 一方、肉・魚・パーム油・柑橘類あたりは未だに輸入が大きいです。 さて、稼ぎ頭の小麦は一体どこで収穫されているのでしょうか? 曰く、先述のウクライナ国境沿いの地方がロシアの小麦増産の成長ドライバーとなっているという分析です。 後述しますが、ウクライナ側も主要な穀倉地帯はロシア国境沿いでロシア系住民比率の高い南東部です。。。 分析をはじめる前から嫌な予感はしてたのですが、この戦争の目的って、小麦?? 豊かな途上国、貧しい先進国 世界第三位の経済大国日本にお住まいの皆様は、日本がとても豊かな国であり、自分の人生はハッピーなものであるという勘違いに陥りがちではないでしょうか? そんな勘違い日本人がいざ発展途上国をバックパッカーでもしてみると衝撃を受けてしまいます、『途上国民は意外といい暮らししてるぞ』と。 そうです。発展途上国でも毎日飯が食え、電気が通ってれば人並みの暮らしができ、意外と幸せなんです。 なぜGDPの小さな発展途上国でそんな幸せな暮らしが可能かというと、発展途上国ってけっこう食料・エネルギーの自給率が高い国が多いからです。最低限の生活インフラが国内で自給できて、国内の安い物価水準で提供されるから、見た目GDPが小さくてもその分生活コストも安く、普通に生活できてしまうのです。 一方で、見た目GDPが高くても食料・エネルギーを輸入に頼る日本のような国は生活コストが相対的に高く、実際の暮らしは貧しいのです。 ホロドモール ロシアとウクライナの歴史を語る上で避けては通れない話題があります。第二次大戦の足音迫る1932-33年、スターリンがウクライナを起こした人工飢饉です。 この年凶作で農産物の収穫が芳しくなかったにも関わらず、外貨獲得のためウクライナの富農から小麦を取り上げ、町も封鎖し、結果数百万人のウクライナ人が餓死したというお話です。えげつない。 ソビエト圏の歴史をちょっと調べるとこんな話ばっかりです。 犬も歩けばジェノサイドに当たる。 30年前のKGB職員時代に食糧危機とソビエト崩壊を目の当たりにし、また10年前の凶作でロシアが小麦の輸出禁止に追い込まれた苦い経験を持つプーチンの脳裏には、このホロドモールの光景がよぎったかもしれません。 北北朝鮮 上述のロシアの経済構造、小麦を活用した外交・安全保障戦略、NATOの東方拡大、そして、歴史的背景等を鑑みると、シナリオが見えてきます。
この2つのシナリオを天秤にかけ、合理的に後者を選択しただけではないのでしょうか?? 北朝鮮の北にもう一つ巨大な北北朝鮮ロシアが誕生しそうです。 対日テロ攻撃 ウクライナ戦争開戦直後、日本とアメリカの民間貨物船がミサイル攻撃を受けました。私はこれは間違いなく日米の民間船を標的にしたロシア軍のテロ攻撃だと思っています。 ロシア海軍を迎え撃つウクライナ海軍の唯一のフリゲート艦はドッグ入りしており(後に自沈)、ウクライナの実質的な海上戦力は小型ボートだけでした。 ロシア軍には対艦ミサイルを打つべき標的が存在せず、ミサイルを使用する必要すらなかったのです。 攻撃を受けた2艦は共に穀物を運搬する貨物船でした。やはり今回の戦争の目的は小麦であるという仮説が信憑性を帯びてきました。 敏感なヨーロッパ籍の船を避け、日本とアメリカの穀物船をターゲットにし、「ウクライナの小麦はロシアのものだ」と世界に高らかに宣言したのでしょう。 ウクライナの落とし所 ここまでほとんどロシアに関する投稿になってしまいましたが、そろそろ本題のウクライナについて語りましょう。
チベット高原 に中国が固執する理由は一体何なのでしょうか? 地図は見れば一目瞭然なのですが、チベットは東南アジア・南アジアを流れる多くの河川の源流なのです。 生命の源である命の水。アジアの国々の蛇口を握っているのは中国なのです。中国がちょいと蛇口を開け締めしたり、水栓の方向をいじったりしたら、たちまち下流のアジア諸国で大混乱が起きます。 中国はチベットで民族浄化を行ってまで外交・安全保障ツールとしての水源を押さえにいったのです。 この悪魔の戦略を実践した国があります。ウクライナです。 2014年のロシアの侵攻でクリミア半島を奪われ激おこプンプンになったウクライナは、ドニエプル川からクリミア半島へと繋がる北クリミア水路にダムを設置し、なんと水の供給を止めてしまったのです。これによりロシアが実効支配するクリミア半島では8割以上の水供給が消失し、農業は壊滅的なダメージを受けました。 これはジェノサイドダムと命名して問題ないでしょう。 今回のウクライナ侵攻の大義は小麦!ではなく、あくまで迫害されているロシア系住民の救出です。またロシアとしても多額の投資をしたクリミア経済がなんとか復興してくれないと困るというのは本音でしょう。 だからこそ開戦当初に全力でこのダムを破壊し(フェーズ1)、クリミア半島の水源を確保したのです。 イスマイル・セラゲルディンは言いました。
楔(くさび) 首尾よくケルソンのジェノサイドダムを破壊したところで、クリミア半島が敵に囲まれた陸の孤島であるという事実に変わりはありません。 次なるターゲットとして合理的なのは、実効支配化にあるドネツク・ルガンスクとクリミアをつなげる楔としてのマリウポリ・メリトポリあたりでしょう(フェーズ2)。 ISWの戦況マップもこの仮説を裏付けています。 ここらへんのウクライナ南東部はロシア人割合が高く、どっちがホームでどっちがアウェイか分かりません。 ↓ロシア語母語人口割合の図も載せておきます。 民主主義国家との闘い 最前線の戦場で何が起きているのか私には分かりませんが、西側プロパガンダによるとウクライナ軍が善戦しているようです。まぁたぶんそうなんでしょう。 要因としてNATOの軍事支援やロシア兵の士気の低さが挙げられていますが、ここで敢えて別の要因も指摘しておきたいと思います。 この戦争はロシアにとって久々の『民主主義国家に対する全面侵攻』だという点です。(久々というかほぼ初めて?) 民主主義は文字通り民衆が主体です。多くの場合、民主主義の実現には民衆が権力と闘い打ち破った歴史があるのです。ウクライナもクーデターのような形ですがこのプロセスを経験しました。 自らの力で権力を打ち破った経験を持つ民主主義国家の国民は骨太なんです。自分の頭で考え、自分の意思で行動し、力で屈服させようとしても抵抗します。 理不尽に受け入れ、上級国民ロシア人が銃口を突きつければ降参してしまうソビエト民とは一味違うのです。(ソビエト民はキレたら怖いですが。) そしてこの視点は日本人にとっても示唆に富むものです。我々日本の民主主義は占領国アメリカが押し付けたものであり、日本人の意思で獲得したものではないからです。 20XX年、ロシア軍が北海道に攻め込んできた時、果たして日本人はウクライナ人のように闘うことができるでしょうか? 大義 も当然重要です。大儀なき兵が如何に脆いか、大儀なき戦争が如何に泥沼化してきたか、歴史が証明しています。 そして20年前とのデジャブが面白いです。 20年前 アメリカ「イラクは大量破壊兵器を隠し持っている」 ロシア「それはでっち上げだ」 現在 ロシア「ウクライナは大量破壊兵器を隠し持っている」 アメリカ「それはでっち上げだ」 麦 さて本題の小麦に戻ります。最初にウクライナの主要輸出品目を見てみます↓ やはり第一次産業が大きく、トウモロコシや種子油が小麦よりも大きいのですね。 食い物に絞って輸出品目をロシアと比べてみましょう。 補完的ですね。ロシアが輸入に頼っている肉をウクライナは輸出に回しているのも魅力的です。ロシアがウクライナの食い物を獲りに行くのも納得です。 ウクライナの主要農産物である種子油・トウモロコシ・小麦の主要産地を見てみましょう↓ 小麦なんかそのまんまロシア人居住区と一致しちゃってます。種子油もそうですね。 やはりここらへんの農場と水源を押さえ、願わくばロシアに併合するのが今回の戦争の大きな目的でしょう(フェーズ3)。トウモロコシは北東部が主体なんですね。 私がロシアの大統領だったら、迷わずウクライナに侵攻してこの肥沃な農場を奪います。だってしばし経済制裁に耐えれば、その後は数世紀国家安泰になっちゃうんですもん。コスパ良すぎです。 ウクライナから奪った農地・工業地帯により、ロシアの輸出は数十億ドル、いや下手すると百億ドル程増加すると思います。戦費に数百〜数千億ドルかけても十分リターンは出ます。 さて、ロシアとウクライナが世界の食い物輸出市場においてどれだけ重要か、2020年の両国の合算シェアを見てみましょう。翻訳がめんどいので英語で勘弁ください。 えらいこっちゃ、えらいこっちゃ。 ウクライナの農場を取り込んだ新生ロシアは超食糧大国として世界の食糧安全保障を牛耳る立場になるのでしょう。さぁNATOは動くか? イスマイル・セラゲルディンは言いました。
米 ウクライナには食べ物以外にも戦略輸出品があります。半導体製造工程でも利用される希ガスのネオンです。世界のネオンの約半分がウクライナから供給されているのです。 歴史を紐解きましょう。 ウクライナには元々オデッサを本拠とするIceblick社というソビエト時代からの希ガス製造会社がありネオン供給で世界最大シェアを誇っていたのですが、オレンジ革命が起きた2004年に会社の経営権が譲渡され(新欧米派が乗っ取った?)、新社長がネオンの値上げを要求したため世界にネオンのサプライショックが起きました。 このIceblick社は2016年に清算されており、モスクワの大学でも教鞭を取る前社長のVitaly Bondarenko氏(親ロ派?)がサプライヤーやエンジニアを引き連れて独立しオデッサに設立したCRYOIN社が現在ウクライナ最大のネオン製造会社となっています。 ウクライナには他にもマリウポリを本拠とするIngas社と、首都キーウを本拠とするUMG RT社というネオン製造会社もあります。 これらの会社の空気分離・ネオン精製工場ですがマリウポリ、ハリコフ、ザポリージャ、クリヴィー・リフ、オデッサあたりに分布しております。驚くほどロシア軍の足跡と一致しています。 小麦にせよネオンにせよ、ウクライナのCrown Jewelは首都キーウではなく南部の田舎町にあるのです。 ウクライナが親ロ派地域でこんな戦略物資を製造しているのであれば、それを押さえない手はないでしょう。当然これらの工場とエンジニアは最重要ターゲットなはずです(フェーズ4)。 願わくばオデッサのCRYOIN社本社は是非とも欲しいところです。 地政学的な意味でもオデッサは重要ターゲットでしょう。 半導体は産業の米と言われています。だとすればネオンを米に分類しても問題ないでしょうwww そう、この戦争は麦と米を巡る食糧戦争なのですww ところで、「麦」の観点からもオデッサは最重要ターゲットです。 ロシアの目的はウクライナの農業であると繰り返し指摘してきましたが、その目的を達成するには広大な領土を制圧する必要はありません。港さえ押さえてしまえば十分なのです。ウクライナの沿岸部をロシアの領土にしてしまえば、ウクライナが農産物を輸出しようとしても、ロシアに押さえられた港を使用せざるを得ません。 ロシアは穀物商社としてウクライナの農産物を取扱い、労せずして輸出を拡大できるのです。 オデッサまで攻略してしまえば、ウクライナの主要港はほぼほぼロシアの勢力圏になります。 プーチンは何十年かかろうがオデッサを攻略するまで絶対に諦めないでしょう。 浣腸痴態 今年の流行語対象は『緩衝地帯』でしょうか。この言葉を耳にしない日はありません。 力と力が衝突する地点には間にクッションを挟んで、大きな衝突が起きないように、また、互いの安全が保証されるように、この緩衝地帯が度々出現します。 ジョージアの南オセチア・アブハジアであったり、日本の北方領土なんかも近い存在かもしれませんね。 さて、上述のようにウクライナ南西部のオデッサが重要ターゲットであり、ロシアはオデッサに侵攻し、オデッサを支配したいと考えていると仮定しましょう。その場合「オデッサの支配を盤石のものとする」ためには「オデッサを盤石に支配する」だけでは不十分なのです。 被弾を恐れずに、勇気を振り絞り、ガードを固め顎を引き、さらにもう一歩深く相手の懐に踏み込みんだところに緩衝地帯を設定して初めてオデッサの支配が盤石のものとなるのです。 これはすなわちオデッサを飛び越えたウクライナ周辺領土、さらには、モルドバに戦火が飛び火する(戦線を拡大させる必要がある)ことを意味します。 モルドバ東部の親ロ派支配地域であるトランスニストリア。ここにタッチするまではロシア軍は西に進軍を続けるのではないかと思います。 願わくばモルドバ軍を押しのけ、トランスニストリアの西部の国境をもう一段押し込んだところに緩衝地帯を設定するのではないでしょうか? 多国籍キャバクラ「プーちん」錦糸町店 情報が錯綜しています。 残虐なチェチェン部隊がウクライナに進軍したと。 また、ナゴルノカラバフ戦争でもアゼルバイジャン側で投入されたシリア傭兵が、今度はロシア側で参戦するというニュースも出ています。 一方で、停戦協議も開かれ建設的な話し合いが持たれているとの嬉しいニュースも出てきました。 色んな情報が入り乱れ、判断に困る場合は相手の立場になって考えてみると状況が整理できるものです。 例えば皆さんが錦糸町に多国籍キャバクラ店「プーちん」をオープンしたとします。満を持しての開店でしたが、騙して連れてきたロシア人キャストのやる気がなく、イマイチ売上が伸びません。 そこで聡明なあなたは解決策を思いつきました。VANILLAに求人広告を出してシリア人キャストを雇おう! ここで考えてみてください。求人広告を出した直後に店閉めますか?? 求人とはお店のテコ入れのための打ち手であり、閉店の準備ではありません。 そう考えると停戦協議はシリア人傭兵の採用のための時間稼ぎであり、この段階で停戦する気なんてサラサラないというのが本質に近いのでは? ロシアは既に最大級の経済制裁を受けています。コストが確定したのであれば、今からロシア軍がやるべきことは売上(戦果)の最大化です。 やる気のないロシア人キャストのテコ入れにチェチェン人キャストのヘルプが入りました。続いてシリア人キャストの大量投入です。 さぁ過激なサービスが展開され一気に売上増に邁進でしょう。 全土制圧 ロシアの目的はウクライナ南部だけなのでしょうか? ロシア軍の配置・進軍を見るとプーチンはもっと大きな野心を持っているように見えます。すなわちキーウ・ハリコフも制圧し、あわよくばウクライナ全土を手中に収めようと(フェーズ5)。 もちろん死者数やロシア国内世論次第の部分もあるとは思いますが、ワーストケースシナリオとしてウクライナ全土がロシアの手に堕ちるまで犠牲を厭わず進撃のプーチンが続くという展開も想定せざるを得ません。。。 あまり想像したくありませんが、そうやってウクライナ人を国土から追い出して口減らしをして、より多くの農地・輸出農産物を確保した方が長期的にはロシア経済にプラスになってしまうのです。ホロドモール2.0。 思い返せば、イカサマ選挙でドネツク生まれのヤヌコヴィッチを大統領にし、ハリコフ合意でクリミア半島に25,000人のロシア兵を駐留可能にした2010年は、ロシアが干ばつに見舞われ小麦の輸出停止に追い込まれた年でもありました。 今回のウクライナ戦争は、ロシアの10年がかりの安全保障+農地強奪計画の最終章だと考えてしまうのは私の妄想でしょうか? 戦争は司令室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ ところで便利な時代になりましたね。 ウクライナにいる個人がリアルタイムで情報を発信してくれ、遠くの地にいながら現場の声が入ってきます。こんな戦争初めてですね。 毎日届けられるボグダンさんの強気コメント(ボグダガンダ)、大好きです。 強気と言えば駐日ウクライナ大使も精力的に動いてますね。親ロ派の鈴木貴子を刺し、自治体にはロシアとの姉妹都市断絶を要求するなど、狂犬っぷりを発揮しています。こういう凶暴な一面が垣間見えると『やはりウクライナ人もソビエト民だ』ということが確認できて、ソ連通の皆様は嬉しくなってしまうのではないでしょうか? フェーズX 焦土作戦 ここまでのお話はロシアの経済分析に基づいており、プーチンが経済合理性も考慮した上でウクライナ侵攻を決断したという前提に立っています。もしこの前提が間違っていたとしたら? すなわち、プーチンは経済合理性や輸出産業のことなんか全く気にしておらず、頭の中は安全保障に全振りしていて、ウクライナをNATOの手の及ばない軍事的中立地域にできればそれで満足と考えていたとしたら、すべての議論が吹っ飛びます。 ロシアには安全保障上の要求だけを即座に満たす悪魔のオプションがあります。 キーウを制圧した後ウクライナ人を追い出して、原爆を投下して核汚染してNATOも誰も入れない中立焦土地帯にしてしまえば良いのです(フェーズX)。 『ヒロシマ・フクシマ・ウクライナ』です。 SFチックなシナリオですが、今のプーチンや狂人ロシア人を見ているとこのオプションすら現実味を帯びてきたと思います。 原爆を投下した後に彼らはこう言うでしょう『ナチスが核兵器を使用したんだ』と。 ブレインウォッシュ脳 息を吸うようにウソをつきプロパガンダ・フェイクニュースを拡散するプーチンやロシア人に皆様辟易とされているのではないでしょうか? 見かねたAnonymousがロシアのテレビで戦地の映像を流したり、海外在住のロシア人が家族に電話をしたりしていますが、私に言わせればそんなことしても無駄です。 みなさんソビエト式ブレインウォッシングを知らないのですか??流行に乗り遅れてますよ!! ソビエト式のブレインウォッシングを受けると思考回路が逆になるのです。
話す前から結論は決まっているのです。 国家や自分にとって心地の良い主張だけが受け入れられ、その主張に導くための証拠がフェイクニュースや歴史修正といったプロパガンダによって捏造され、そうでない情報は脳にインプットされることなく遮断されるのです。 ソビエト民にとって証拠や論拠とは調べて検証するものではなく、創るものなのです。
プーチンやロシア大使やロシア人が息を吸うようにプロパガンダを拡散していますが、あれはポジショントークではないのです。 本当に脳みその中であのプロパガンダのシナリオだけが受け入れられ、それに反する情報は自動的に遮断されるのです。 それでもソビエト民のプロパガンダに楯突いてくるやつがいたらどうするか?? ジェノサイドして黙らせちゃうんです。 法治国家・口治国家・暴治国家 国際条約を無視し、人道回廊も気にせず、平気で戦争犯罪に手を染めるロシア軍を見て、日本の皆様は「何なんだこの無法者達は」と憤っていることでしょう。 ですが、旧ソ連歴の長い私に言わせれば「こいつらそんなもんです」。 旧ソ連圏にお住まいの方は経験があると思いますが、法律で定められたことが全く守られてなかったり、契約が履行されなかったりなんて日常の一部です。 賃貸契約に家賃や賃貸期間がきっちり定められていても大家が「家賃変えよう」と言いだせば突然家賃交渉が始まり、その場の口約束で決められた内容が契約に勝り、気に食わなければ大家がわめいて強制退去です。 ソビエト連邦とは、法や契約が社会を律する法治国家ではなく、成り行き的なその場の口約束で物事が動く口治国家であり、不都合が生じれば実力行使で現状変更をする暴治国家なのです。 ロシアと国境を接する日本人は是非肝に命じておいてください。
そーゆー人達が日本の北に1億人程住んでいるという現実を。 中国が律する新欧州秩序 今回のウクライナ戦争において各国のリーダーのなんと情けないことか。
目立ちたがりのエルドアン(土)は仕事をしました。 クルド人迫害の手を一旦緩め、ウクライナ情勢に尽力し、ロシア・ウクライナ両国外相会談までこぎつけたのです。 この会談により何かが決定したわけではありませんが、まずは合コンの幹事同士が顔を合わせて連絡先を交換した(外相同士が交渉のチャネルを持った)ことに意義があるのです。 さぁチャットが開始されました! 後はお互いメンツを集めて、予算を決めて、お店を選び、一次会→二次会→三次会→お持ち帰りです! ゼレンスキーとプーチンはベッドでどのような寝技を見せ合うのでしょうか? 舞台を用意することになるのは、おそらく「ホテルCOVID」の支配人、習近平(中)になるでしょう。 これから北北朝鮮として世界から孤立するロシアに技術とインフラと外貨をもたらす生命線である中国は、暴君プーチンの手綱を握れる唯一の存在ではないでしょうか? 21世紀の欧州秩序、ひいては、世界秩序を決める新ヤルタ会談の行く末は支配人習近平が握っているのです。 支配人は見極めているのです。中国の国益と世界秩序のバランスを取る絶妙なポイントを。 支配人は見極めているのです。交渉の表舞台に上がるべき絶妙なタイミングを。 安全保障 百年の計 先のナゴルノ・カラバフ戦争や今回のウクライナ戦争を見て思うのは、安全保障における意思決定は向こう百年の国家の命運を決めるという残酷な現実です。 コメディアン出身の大統領はロシアが許すはずもないロシア離れを強行し、結果、国土は焦土と化し、国民は難民となりました。肥沃な土壌と戦略物資の生産能力も奪われ、国家存亡の危機に直面しています。彼がすがったNATOは何もしてくれません。 これもゼレンスキー演じる喜劇の一部なのでしょうか? この惨状を安全保障戦略の失敗と断ずるか、民主主義国家ウクライナ設立の過程と捉えるか、評価を下す役割は未来の歴史学者に譲りましょう。 一躍時の人となったゼレンスキー大統領ですが、政界引退後は是非日本のテレビ番組にも出演して、そのコメディアンとしての実力を披露して頂きたいものです。 『ガキの使い 笑えないクリミア半島24時』なんていかがでしょうか? ゼレンスキー、アウト! 松本、ジェノサイド! Al JazeeraやBBCといった海外メディアは首都バクー、もしくは、空爆のあったガンジャからテレビ中継をしますが、正直「そこじゃねーんだよなー」という気分になります。 バクーから北に30km、カラバフ紛争始まりの地にしてカラバフ難民終着の地であるスムガイト。このアルメニアへの怨念渦巻く工業都市こそカラバフ問題を考えるのに最適の地でしょう。 もしアド街ック天国がスムガイト(アゼルバイジャン)の特集を組んだらTop 3は以下で確定でしょう
ソビエト時代から化学工場が集積するこの都市では、工場から水銀を始めとした汚染物質が垂れ流しで、世界で最も汚染された都市の一つという不名誉な称号を獲得してしまいました。 かつてはソビエト内で最高の乳幼児死亡率と癌患者率を誇り、また生まれてきた子供に大量の遺伝疾患も発生致しました。 その後汚染土壌は除去され(地表から数メートルまるまる取り除いたらしいです)、工場も近代化され状況は改善しましたが、現地に行っても水道水は飲まない方が良いでしょう。 また、現在稼働している化学工場の社員からのタレコミですが、ニュースにならないだけで頻繁に細かい事故が起きており、その度に汚染物質が空中に垂れ流されているとのこと。 そんなスムガイトを語るうえで外せないのがスムガイト事件(Sumgait Pogrom)です。 カラバフ独立運動を巡りアルメニアとアゼルバイジャンの緊張高まる1988年2月、当時スムガイトには約17,000人ものアルメニア系移民がおり、彼らは教育水準も高く商才もありスムガイト経済を牛耳っており、一方で地元のアゼルバイジャン人は貧困に喘いでいるという状況でした。 アゼルバイジャン住民の怒りはつもり、「アルメニアに死を」「アルメニア人を街から追い出せ」というデモも起こりました。 そして2月27日の夕方から3日間にも及ぶ極めて組織的計画的なアゼルバイジャン人一般市民集団によるアルメニア人集団殺戮が開始されました:
ソビエト政府の公式発表によると、この事件による死者は26人となってますが、実際には最低数百名と言われています。
なぜ死者数がはっきりしないかというと、事件の後アルメニア系移民はスムガイトから脱出したのですが、数が合わないのです。最低数百名の大量の行方不明者がいるのです。 当然アルメニアは「アルメニア人を返せ、生きている証拠を見せろ」と言うのですが、アゼルバイジャンは「彼らはアゼルバイジャンで元気に生きている」と答えるだけです。(北朝鮮拉致被害者みたいですね) 生きている証拠なんてある訳ないです。大量の死体はすぐに回収されて生ごみとして処理され、生き残っていても重度の障害を負って表に出せないのですから。 無事スムガイトを脱出したアルメニア人にも、重症を負い後遺症が残ってしまった(死なない程度に体をカットされた)方が数百名とのことです。 個人的にはこの事件は世界史の教科書に載せるべき案件だと思います。(文科省の方、もし見ていたら検討下さい) わずか30年前に民間人によるこれほどの規模の残虐な虐殺行為が起きたという事実を、産油国忖度で隠蔽すべきではないでしょう。この一件から人類は学ぶべきです。 トルコ人が親日ということもあり、トルコ系民族は他人種に寛容というイメージがあるかもしれませんが、僕の認識では彼らは「友」と認識した人達に対してめちゃくちゃ優しいのであって、クルド人やアルメニア人のように「敵」と認識した人達には容赦ないと思います。徹底的に根絶やしにすることに罪悪感のかけらすら感じられません。 このスムガイト事件についてアゼルバイジャン人の友人に聞いてみたところ「あれはアルメニア移民が自作自演でアルメニア人の迫害を演出したんだ」という驚きの答えが返ってきました。。。 やはりアゼルバイジャン人は息を吸うように嘘をつく。 このスムガイト事件が大きな契機となり、アルメニアはカラバフに侵攻しました。 アルメニアの肩を持つ訳ではないですが気持ちも分かります。歴史的にアルメニア民族固有の領土が国際法的にはアゼルバイジャンのものとなり、さらに自国民が虐殺されれば取り得る手段は戦争しかないでしょう。 そして第一次ナゴルノ・カラバフ戦争ではアルメニアが勝利する訳ですが、皮肉なことにカラバフから追い出されたアゼルバイジャン系住民は多くがスムガイトに移住することになりました。 すなわちスムガイトとはカラバフ紛争初期に極めて重要な事件が起こった「カラバフ紛争始まりの地」と言っても過言ではなく、またアゼルバイジャン人のカラバフ難民がたどり着いた「カラバフ難民終着の地」でもあるのです。 もしスムガイトに行きたい場合は、メトロの「20 Yanvar」という駅から乗り合いバスが出てます。 (ちなみにこの20 Yanvarという場所は長距離バスのターミナルとしての役割を果たしているため、地方からバクーに来た人が一番最初に訪れる場所で、結果ここら辺住み着く人が多く、「田舎者の住む町」という印象でバクーっ子からは馬鹿にされてます) スムガイトでは是非中高年の方に当時の様子を聞いてみてはいかがでしょうか。 運が良ければ、スムガイト版「路上の伝説」から武勇伝を聞けるかもしれません。 ただし30年前にスムガイトで起きたストリートファイトは素手でもタイマンでもありません。武装した住民による集団的な集団リンチ殺人です。 それはアゼルバイジャン人が信じるおとぎ話。 世界の考古学者は絶対信じない、証拠もない、でもなぜか歴史の教科書に載っているおとぎ話。 歴史的事実をどう解釈するかは、各国のナショナリズムもあり、歴史観というものはどうしても多様になります。 ただ全く証拠のない歴史を主張した場合、それは捏造史もしくは歴史修正(Historical Revisionism)でしょう。 代表的なものに、北朝鮮の「人類北朝鮮起源説」があります。 曰く、人類はアフリカではなく朝鮮半島で誕生し、その後黒い山葡萄原人なるものが生まれ、黒い山葡萄原人が朝鮮民族の起源であるという大変ユニークなものです。 事実であれば人類史を書き換える大事件ですが、目下この主張を裏付ける証拠もなく、考古学会も全く相手していないようです。 さすがに北朝鮮以外にこんな酷い捏造史を掲げる国は存在しないでしょう、と思ったらありました!! 我らが(?)アゼルバイジャンです!! 「カフカス・アルバニア」これこそがアゼルバイジャン人がナゴルノ・カラバフはアゼルバイジャン固有の領土であると主張する(捏造)根拠です。 カフカス・アルバニア人とは(バルカン半島のアルバニアとは関係なく)コーカサス地方土着のウディ族の先祖ではないかと言われている民族で、早ければ紀元前7~6世紀頃にはナゴルノ・カラバフを含むコーカサス地域で国家を形成していたのではないかと言われています。 このナゴルノ・カラバフ地域のカフカス・アルバニア人に関する記述の多くはアルメニアの文献で見つかっています。これは至極当たり前で、ナゴルノ・カラバフ地域の先住民は紀元前7~2世紀にかけてアルメニア民族と混血し、紀元前2世紀頃にはアルツァフ(Artsakh)としてアルメニア王国の一部となったからです。 なのでアルメニアがナゴルノ・カラバフはアルメニア固有の領土と主張するのも、フランスがアルツァフ(カラバフ)を国家承認しようとしているのも、歴史的には至極当然なことです。カラバフに存在する遺跡もほとんどアルメニア文化圏のものです。(しかしスターリンがカラバフをアゼルバイジャンに割り当て紛争の火種を仕込みました) そこでカフカス・アルバニア人の登場です。 このカフカス・アルバニア人を勝手にアゼルバイジャン人の起源とし、また、カラバフ関連の歴史的文献に登場する「アルメニア人」という記述を「カフカス・アルバニア人」へと勝手に書き換えるという暴挙に出たのです。 すなわち、 → カラバフの歴史文献に登場するアルメニア人という記述は間違いで、本当はカフカス・アルバニア人である → カフカス・アルバニア人はアゼルバイジャン人の祖先である → カラバフはアゼルバイジャンの固有の領土である という三段論法です。もうキチガイですね。 ちなみにこのカフカス・アルバニア人とアゼルバイジャン人とは言語的にも文化的にも何の繋がりも証明されていません。。。 そもそも中央アジアのテュルク(トルコ系)民族がカフカスに来たのは11世紀、「アゼルバイジャン民族」というものが形成されたのは17世紀、(現在のアゼルバイジャン領にかなり一致する)ロシア領アゼルバイジャンが形成されたのは1828年です。 紀元前に存在したカフカス・アルバニアと繋げるのはいくらなんでも無理筋でしょうwww 当ブログで繰り返し指摘している通り、この国は全部ウソです。歴史ですらウソです。本当に全部ウソなんです。 まだ信じられないのであれば、一度アゼルバイジャンの大学なり歴史研究機関なりを訪問してみてください。名前だけ厳かな「〜研究室」とありますが、そこにあるべき研究機器や採集遺物はありません。教授や研究員と呼ばれるおっさんが論文と呼ばれるものをカチャカチャ書いているのですが、何かを研究した形跡はありません。大学の図書館に行っても理系文献はほとんど存在しません。 歴史を研究するための研究機器も文献も研究員も研究した事実さえないのです。全部フェイクです。 私は実際にタイムスリップしたわけではないので、何が本当かは知りませんが、少なくとも(アゼルバイジャン国外の)世界の考古学会では誰もこんな話信用してないですし、明確な捏造史として扱われています。 しかし明確な捏造史とされているこの情報を、「カラバフがアゼルバイジャン固有の領土たる証拠」として、多くのアゼルバイジャン国民がSNSで大拡散しているのです。 捏造は文献にとどまりません。
アゼルバイジャン西部の飛び地ナヒチヴァン、ここもアルメニア民族が古来に居住していた地域で数多くのアルメニア遺跡が残されています。 ところがアゼルバイジャン政府はアルメニア人が存在した痕跡を消そうと、過去30年に渡ってユネスコ登録遺産を含む数多くのアルメニア遺跡を文化浄化(Cultural Cleansing)してきました。 これは21世紀最悪の文化的ジェノサイド(Cultural Genocide)とさえ言われています。 今回の戦争でアゼルバイジャンが手にしたカラバフにも大量のアルメニア遺跡が残されています。 次なる文化浄化の対象はカラバフです。 12月10日のアゼルバイジャン戦勝パレードにて、独裁者アリエフ大統領は「アルメニアの首都Yerevan、Zangezur、Goycheはアゼルバイジャン人の歴史的な領土である」とまたまた歴史改ざんスピーチを行いました。 これはアルメニア本土への侵攻の布石と考えて間違いないでしょう。おそらくこの内容もアゼルバイジャンの歴史の教科書に反映され、ブレインウォッシュされたアゼルバイジャン人がまた捏造史を拡散します。 最近私に対して嫌がらせがひどいです。 どうも私の記事の内容があまりに酷いので、私のことを「頭のおかしい人」呼ばわりしてきます。 このブログを読んでいただいた方に質問です。「私の頭がおかしいのですか?それともアゼルバイジャンが頭おかしいのですか?」 |