アゼルバイジャンでの人種差別はかなりキツい方です。 「アゼルバイジャンの人々はとても友好的で差別なんてないわ」なんて息を吸うように嘘をつくアゼルバイジャン人に出くわしても真に受けてはいけません。 私の認識では残念ながらほとんどのアゼルバイジャン人は人種差別主義者だと思います。ごく普通の人が日常会話で悪気もなく人種差別コメントを連呼してますし、そういう差別的な言動が悪いことだという基本認識すらない気がします。 「それは良くない考え」だと注意するとなぜか逆ギレされるので手に負えません。 (嘘だと思う方はバクー在住のエクスパットに「現実」を聞いてみてください) 今回はそんなアゼルバイジャンの人種差別の現状をまとめてみたいと思います。 アルメニア人 まずはSNSに流出してしまったアゼルバイジャンの小学校でのブレインウォッシングの模様をご覧ください。 「敵は誰??」と聞かれた子供たちが無邪気に「アルメニア人!!」と答える様が印象的です。お子様のいる家庭の方に裏を取ってみたのですが、この手の教育は未だに普通に行われているとのこと。 独裁体制を強固なものとするため、アルメニアという敵を国民の脳みそに繰り返し繰り返し刷り込んでいるのです。
「アルメニア人は敵だ」「アルメニア人は殺せ」といった言動はアゼルバイジャンでは学校で習う"正しいこと"なのです。 この「特定の人種集団に対する差別・ヘイト・暴力が賞賛される」という21世紀の人類の英知とは真逆の思考回路が、アゼルバイジャンに強力な人種差別の土壌を作り上げ、また国民の民度を著しく低下させている最も大きな要因だと私は考えます。 日常生活の至る場面でアルメニア人に対するヘイト・憎悪を目撃します。 会話の中でちょっとでもアルメニアにかする話題が出ようものなら「アルメニア人は悪者」「アルメニア人は糞」みたいな(会話の流れに何の関係もない)一文が必ず紛れ込んできます。 アルメニア人差別は経済や法律にまで反映されています。 例えば外資企業がアルメニア企業やアルメニア人と取引があると、アゼルバイジャン企業と契約できなかったり、銀行のコンプライアンス部門に口座を閉鎖されたります。(コンプライアンス部門がこんな反コンプライアンスな行動を取るのですw) またアルメニア人に対する人種差別法案もあり、アゼルバイジャン経由でジョージアに輸送される荷物のうち、受取人がアルメニア人っぽい苗字をしているものはアゼルバイジャン税関で没収されます! これらのおぞましい行いはアゼルバイジャンでは賞賛され、また"法律"にまでなっているものなのです。。。 国籍=人種=一括り 最近サッカーのチャンピオンズリーグでルーマニア人の審判がアフリカ系の選手を「おい黒人」と呼んでかなり問題になりましたが、当の審判やルーマニア人は何が問題なのか理解できないといった反応でした。 これは東欧・ソビエト独特なのですが、「人を国籍や人種で一括りに扱う」ことがごくごく一般的なのです。「〇〇人は✕✕だ」「△△人は▽▽だ」といった具合です。 まともな国で国籍・人種で人を一括りに扱うと人種差別問題になりますが、国境という境界で強力に閉鎖された環境のなかに一様な思考回路の人々が生活する東欧・ソビエトの閉鎖国家ではなんでもかんでも「国」で杓子上下に分けて判断・評価する前時代的な慣習が未だに色濃く残っています。 こういう人達なので人を「おい黒人」と人種で呼んでみたり、特定の人種集団に対し一括りの評価をしたり(例:中国人はXXだ)といった、不愉快極まりない"人種差別的思考回路がデフォルト"なのです。 そしてアゼルバイジャンでも人を人種・国籍で評価するという思考回路はデフォルトです。 おかげで私もアゼルバイジャン人を一括りに扱う癖がついてしましましたが、「アゼルバイジャン人はXXだ」と一括りに評しても差支えないぐらいに"一様な思考回路の人々"なのです。 我々島国日本人も相当に一様ですが、超閉鎖国家の民アゼルバイジャン人はそれを凌ぐ一様さといっても過言ではないでしょう。 アラブ人 アラブ人に対するヘイト・差別も凄まじいものがあります。 どう見てもアゼルバイジャン人も(肌のやや明るい)アラブ系なのですが、「俺たちアゼルバイジャン人はアラブ人とは違うんだ」と言わんばかりに会話の節々にアラブ系に対するヘイトが紛れ込みます。 私が直接アゼルバイジャン人から聞いたアラブ人差別コメント集を紹介します:
これガチで日常会話です。おぞましい。 BLACK こちらはロシア人によるアゼルバイジャン人に対する差別のお話です。 ロシア人の女性と飯を食いに行った際、ロシアにいるアゼルバイジャン人の話になりました。 女性「モスクワでは時々BLACKがボコボコに殴られてるわ」 私「BLACKってなに?アフリカ人のこと?」 女性「BLACKっていうのはアゼルバイジャン人のことよ」 私「なんでBLACKって言うの?」 女性「アゼルバイジャン人ってなんか黒いじゃん。目とか髪とか肌とか」 私「...」 このBLACKやDARKというのはロシア人がコーカサスの民(アゼルバイジャン人・アルメニア人・ジョージア人)に対して使う蔑称とのことです。(正確には черножо́пый = Black Ass) ロシア人にとっては「白さ」こそが価値であり、最も白いロシア人が最も優れた人種であるというおぞましい価値観をソビエト全体に押し付け、そうしたおぞましい考えが未だに残っているのです。 そんなこんなでロシアにいるコーカサスの民もさすがに怒り、モスクワでは数年おきにロシア人の人種差別集団とコーカサス系移民との大規模衝突が起こります。ロシア人の人種差別集団が、コーカサス移民が多く働く市場に殴り込んだりします。ロシア人差別集団の怖いところは相手が女・子供でも容赦なくボコボコにし、毎回死者が出ます。 セルフホワイトウォッシング 以上のような背景からアゼルバイジャン人は「アラブ人になりたくない」「白くなりたい」のです。 結果なにが起きているかというと"肌の白い人がモテる"という現象が起きています。 ロシア・ヨーロッパ系の家系で肌の白い人がイケていて、そういう人と結婚して子供も白くなったらハッピーなのです。
ここで、話は少し逸れますが、アゼルバイジャン人が日常的にやらかす歴史修正(Revisionism)にも、このセルフホワイトウォッシングが関連してきます。 超ざっくりまとめると、そもそもアゼルバイジャン民族ってカザフスタン人がイラン人と混血して誕生し、この地域に住み着いて(攻め込んで)アルメニア人と混血して現在のようななんとも言えない見た目になったわけです。(あとトルコ人・ジョージア人あたりの血も入ってます。) ところが白人になりたいアゼルバイジャン人は自身の起源がカザフスタン人やイラン人であっては困るのです。だからこそ別投稿で紹介したカフカス・アルバニア人なる無関係の民族を引っ張ってきて、無理矢理そいつらをアゼルバイジャン人の起源としたのです。自身の歴史すらもセルフホワイトウォッシング。 アゼルバイジャン人が激しく差別するアジア人・アラブ人・アルメニア人ですが、実のところアゼルバイジャン人自身がアジア人+アラブ人+アルメニア人の混血民族なんです。 中国人 最近話題のウイグル人は言語的にも人種的にも相当アゼルバイジャン人に近い人々です。ウイグルとアゼルバイジャンとの繋がりも強く、バクーからウルムチに直行便も飛んでます。 そのためウイグル人を迫害する中国はアゼルバイジャン人、ひいてはトルコ系民族全体にとって共通の敵なのです。
といった具合です。 親日国?? ネットでアゼルバイジャンは親日国みたいなガセネタを見かけますが、現地で特に親日を感じたことはありません。 独裁大統領イルハム・アリエフが日本好きで、また科学技術や文化が素晴らしい国という薄い印象はあるのかもしれませんが、特にアゼルバイジャン人は日本のことなんて気にしてません。(たまにトルコ系の家系の人で「日本人は兄弟だ」みたいな人はいますが) 中国人に対するヘイトの影響もあると思うのですが、むしろしょっちゅう差別や嫌がらせを受けます。 特に私はアゼルバイジャン人の彼女を連れているため、「チャイニーズがアゼルバイジャンの女に手出しやがって」といった感じで目を付けられ、おそらく最も強力な差別を受けていると思います。日中歩いているだけで暴言は浴びせられるわ、釣り目のポーズでからかわれるわ、彼女のスカートはめくられるはです。 特にコロナで外出規制がかかって以降は、人々の醜い内面がどんどん表に出るようになったと思います。 アゼルバイジャンにお越しの際は是非通訳を連れていかれることをお勧めします。 アジア人があるいていると、人々がジロって見てきてヒソヒソ話を始めるのですが、その内容を翻訳させると、アゼルバイジャンのおぞましい人種差別の実態を認識頂けるかと思います。
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