息を吸うように嘘を吐き、奇天烈なロジックでウクライナ侵略を正当化するロシア人に世界が困惑しております。 今回は、ソビエト民観察を趣味とする私が、彼らの奇怪極まりない思考回路、ひいては動物的な習性を解説し、「なぜ一般のロシア人はウクライナ侵攻を支持するのか」を解き明かしていきたいと思います。 テーマの性質上、
それでは珍妙なるソビエト民という生き物の習性を順番に紹介していきたいと思います。 自分だけ目線 皆さんは例えば幼稚園の時に友達を泣かせてしまったことはないでしょうか? そんな時幼稚園の先生は「ダメじゃない、相手が傷つくでしょ?自分が同じことされたら嫌でしょ?」と優しくあなたのことを諭し、あなたはハッと我に返り、相手の痛みや他人に対する思いやりというものを学んだことでしょう。 ソビエト民と話をしていて強烈な違和感を感じるのは、この相手のことを考える・相手を思いやる・相手の立場になって考えるという思考が根本的に欠如しているという点です。 ある時、アゼルバイジャン人と以下のような会話がありました。
ソビエト民は、村社会的・民族主義的発想に基づいて人種・民族・国籍等の狭窄な視野で定義付けられた自分達・仲間の利害が全てであり、それ以外に人達に何が起ころうが、あるいは、自分達が他者にどんな危害を加えようが、それにより他者がどれだけ苦しもうが、知ったこっちゃないし、気にもとめないし、そんなことを考える脳みそはないのです。 自分達のことしか見えてないのです。 これは日本語の「自己中」とは異なります。自己中とは、裏を返せば「他」の存在をちゃんと認識した上で、「自己」を中心に置いているものです。 翻ってソビエト民を観察していると、もはや自己中を通り越して「自己のことだけ」しか見えてないのです。 自己の行動により、他者に迷惑をかけたとか、他者を傷つけたとか、どーでもいいのです。 最近「ロシア人は被害者意識の強い民族である」みたいな分析を時折見かけるのですが、私の感覚ではちょいと違うと思います。 より正確には、ロシア人は加害者になった時に相手にどんな被害を加えたかなんてこと、考えもしないし、気にもとめないし、どーでもいいのです。 自分達(白系ロシア人)に何が起こったかしか考えてないから、被害者意識の部分だけが残ってしまうのです。 承認欲求モンスター SNSにカフェで撮った写真を投稿したら、たくさん「いいね」がついて気分が良くなった、みたいな経験はございませんでしょうか?皆さんの承認欲求が満たされた瞬間です。 この承認欲求の底なし沼にハマってしまったあなたは、週末が来る度に、ネットで買い漁った安物の服で着飾り、たいして仲良くもない知り合いをかき集め、しょぼいバーベキュー・パーティー・ナイトプール等に繰り出しては、鉄オタのごとく写真や動画を撮りだめし、奇跡の一枚をSNSにアップして、フォロワーからの社交辞令の「いいね」に歓喜し、精一杯背伸びをしてイケてる自分を演じているのではないでしょうか? さて、ソビエト民と話をしていて感じるのは、強烈なる承認欲求です。 ニュース等で繰り返し刷り込まれるプロパガンダとブレインウォッシング教育の賜物でしょう。 自分は良いもので、自分は正しくて、自分はイケていて、自分は素晴らしいという、とんでもない勘違い承認欲求が彼らの前提となっており、また、部外者にもその承認欲求を満たすように強要してくるのです。 キモいので、私はソビエト民が「いいね」頂戴オーラを出してきても、無視して正直に応対するようにしています。 アゼルバイジャン人と以下のような会話がありました。
このように承認欲求モンスターであるソビエト民は、自分は良いもので、自分は正しくて、自分はイケていて、自分は素晴らしい、という結論でないといけないのです。 上記の例では真逆の真実を突き付けられた結果、脳みそが拒絶反応を起こし現実逃避をして、自画自賛のプロパガンダに舞い戻ってしまったのです。 この承認欲求は国家運営にも巧みに利用されています。 自作自演で「自分は素晴らしい」という結論に収束するため、批判的な意見は同調圧力により抑制され、惨めな日常に対する不満の矛先も逸らされ、みんなで自画自賛プロパガンダを合唱して傷口を舐め合うことで承認欲求が満たされるのです。 ソビエト連邦は、Instagramが登場するより遥か以前に承認欲求の存在に気づき、承認欲求を活用して鉄のカーテンの内側を統治してきたのだと思います。 さて、本投稿のテーマは、「なぜ一般のロシア人はウクライナ侵攻を支持するのか」でした。 中途半端な位置で結論を述べてしまい恐縮ですが、私はこの承認欲求こそが一般のロシア人がウクライナ侵略を正当化する深層心理だと思っています。 すなわち、自分は良いもので、自分は正しくて、自分はイケていて、自分は素晴らしくないといけないロシア人が、いざ政府が戦争を始めると、その戦争が間違いであってはならないのです。 だからいざ戦争が始まったら戦争を支持するし、だから被害者であるウクライナを非難するのです。 ロシアが戦争を始めた ⇒ ロシアが悪者のはずがない、ロシアは正しいんだ ⇒ ウクライナが悪者で、この戦争は正義である、というだけのことだと思います。 見も蓋もないことを言ってしまい恐縮ですが、甘やかされて育った子供が悪いことをしたのを叱ると「僕悪くないもん!」と反射的に反発してきますが、あれと同じなんだと思います。 ソビエト民という生き物と滅多に対峙しない日本の皆様がイメージしやすいよう、参考動画を見つけました。 ↓の動画ではロシア人のババアが俳優の台詞を引用して「自国が戦争中は悪く言ってはいけない。兵士が悪者になってしまう。」とのたまっています。 ロシアの侵攻によりウクライナの一般人がどれだけ被害を受けたなんて気にも留めず、またこの戦争の是非という本題については答えもせず話を逸らし(というか考えてもいない)、ただ思考停止気味に戦争を支持し、自分が悪者だというシナリオは絶対に受け入れないのです。 現実世界でロシア人と話してみても、本当にこんな感じの理屈の通じないキモいやつらが結構います。 抑止力 国家が正義なき戦争に突入してしまった場合、文明人とソビエト民では真逆の反応を示し、その結果戦争に対する抑止力に大きな差が出ます。 文明国の文明人であれば大義なき戦争に対し反対の意を唱え、それが政権支持率という形で戦争に対する抑止力となるものです。 一方、承認欲求モンスターたるソビエト民は、国家がむちゃくちゃな戦争を始めても絶対に過ちを認めないので、むしろ「この戦争は正しい」と逆に応援をしてしまうのです。 だからウクライナ侵攻後になぜかプーチンの支持率が上昇してしまうという現象が起きてしまうのです。「僕間違ってないもん!」と。 では、ソビエト民は一体どういう状況になったら戦争反対となるのか? それは彼らの承認欲求と(後述する)支配欲が真っ向から否定された時、すなわち負けた時です。敗北という現実を突き付けられ、「ギャー!」と脳みそが一旦崩壊して、ようやく政権批判・戦争反対となるのです。 これは日露戦争に敗れたロシアがロシア革命に突入したり、アフガンで敗北したソビエト連邦が崩壊したりという歴史からもイメージしやすいでしょう。 9月になってロシア国内からも反戦の声がちらほらと出てくるようになってきたようですが、これもきっかけはハリコフでの敗北でした。 ただし、この場合の戦争反対はやっぱり独特で、「負けてんじゃねーよ!」という敗戦責任追求の文脈になるのです。 あくまで絶対に自分の過ちは認めず、ロシアが悪であるというシナリオは受け入れず、戦争そのものが悪いのではなく、負けたことが悪いという主張になるのです。。。 息を吸うように嘘を吐く そんな褒められて伸びるタイプのソビエト民ですが、実際問題彼らを褒めるのは至難の業です。 だってソビエトってしょぼいんだもん。 文化だろうが、エンタメだろうが、料理だろうが、科学技術だろうが、どうしても海外と比べると見劣りしてしまうので褒める部分が見つからないのです。 こうなったら嘘つくしかないんです! ニュースはフェイクニュース満載で、歴史は修正しまくって、日常会話はプロパガンダまみれで、そうやって自作自演・自画自賛で自分で自分を褒めて承認欲求を満たすしかないのです。 どうもソビエト民って嘘をつくことにほとんど羞恥心を感じないし、発言の真偽とか証拠の有無を検証するって文化もないんです。 そんでもって承認欲求を否定される行為(批判とか否定とか敗北とか)に物凄いストレスを感じる人達なんです。 要は、『嘘をつく際の羞恥心よりも、否定されることによる苦痛が勝っている状態』なんだと思います。 だからもう、息を吸うように次から次へと嘘が出てくるのです。 イメージしにくい方のためにちょうどよい参考動画を発見しました。 駐日ロシア大使ガルージンの嘘つきショーをお楽しみください! 次から次へと根拠も証拠も滅茶苦茶な主張が飛び出してきます。 このインタビューを受けてTBSはなんと現地でガルージンの主張の検証を行ったようですwww 世界中のメディアやジャーナリストがファクトチェックやってんだから、すぐバレる嘘つかなきゃいいのにwww 日本の専門家 ところでメディアに引っ張りだこの日本の軍事・地政学・国際政治等の専門家の皆様ですが、けっこうまともですね。 国際感覚が豊かで、主張もファクトベースかつ論理的であり、ロシアに独自のネットワークを持っている方もおられ、また難しいテーマをお花畑日本人にも大変分かりやすく説明されている方ばかりで素晴らしいです! 戦争について議論することすらタブー視され、なぜか国会取り囲んで安保法案に抗議するような不思議の国ジパングにおいて、こういった分野に進まれるには大いに葛藤・苦労があったものと推察します。 彼らの頑張りが今こうして日本の安全保障に一役買っていると思うと尊敬の念しかありません。 眉間ニキこと高橋杉雄氏はジャム好き甘党のスイーツ男子だそうです。 睡魔ニキこと小谷哲男氏の声には催眠効果があります。 寝室に小谷氏の声をBGMとして流すとぐっすり入眠できます。本当です。試してみてください。 滑舌ネキこと廣瀬陽子氏はなんとアゼルバイジャン滞在経験があり、現地でスムガイト事件の調査をしていたとのこと。このネキの証言が面白いです。 アゼルバイジャン市民が三日三晩アルメニア移民を虐殺し続けたと言われるこの事件ですが、アゼルバイジャン人に聞くのとアルメニア人に聞くのとでは真逆の物語が語られ、ネキも精神分裂状態に陥ってしまったとのことです。 もしネキに一言アドバイスできるなら「深く考えないでください」と言いたいです。アゼルバイジャンに来た先進国のエクスパットはみんな大なり小なり精神分裂します。だってこの国なにもかもがウソなんだもん。 アゼルバイジャン人だろうがアルメニア人だろうが正直に証言するわけもなく、手前都合の陰謀論・フェイクニュース・歴史修正・プロパガンダ・捏造証拠を壊れたラジオのように繰り返すだけなので、インタビューするだけ時間の無駄です。 さぁ専門家に各国外交官や政治家、果てはYouTuberまで交えたルール無用の情報戦が盛り上がってまいりました! 今宵はどのような対戦カードで私達を楽しませてくれるのでしょうか? いい質問するなぁ ただ一名だけ残念だなと思うのは、西側プロパガンダを拡散しすぎてロシアから入国BANを喰らった、BAN中村こと中村逸郎氏です。逸郎、久しぶり! このおっさんプロパガンダ担当だと思うのですが、あまりに無茶苦茶なロジックで現実味のない主張をするので、こいつが出てくるたびに首を傾げてしまいます。 具体的なやり取りをいくつか見てみましょう。 アナウンサー:「プーチンが6月までに辞任する確率は?」 BAN中村:「99%です!」 => プーチン政権の支持率やロシア市民の声を把握しているのか???戦争まっただ中に国のトップをすげ替えるようなリスキーな選択をロシア政府・ロシア人がすると思ってんのか??プーチンが辞任するにはそれなりのカタリストが必要だろ? アナウンサー:「6月12日のロシアの日以降に停戦交渉突入ですか?」 BAN中村:「ウクライナをウクライナでもロシアない地域にして停戦交渉に入るんです!」 => もう何言ってんのかさっぱり分からんぞ。てか戦争目標が何も達成されてないのに、何を交渉するんだ? アナウンサー:「戦果の欲しいプーチンはどうするのでしょう?」 BAN中村:「ウクライナの代わりにジョージアの南オセチアを併合します!」(動画は消されていてリンク発見できませんでした) => ウクライナで手一杯なのに戦略的重要性も民族的融和性も低い南オセチアにリソース割くわけねーだろ!どう考えても後回しだろ! アナウンサー:「経済制裁はロシア国民の暮らしにどんな影響?」 BAN中村:「経済制裁でレシートの紙が入ってこなくなってるんです!」 => お前はレシートの紙がそんなに重要なのか??なんでもかんでも経費で落としてんじゃねーよ。 こいつは本当に酷いですね。ひろゆきに論破されてほしいです。 戦時下において政治家でも軍人でもない一般人にどこまで制限を課すべきか、とても線引きの難しい問題だと思いますが、こいつは入国BANでオッケーでしょう。 日本ってこーゆー『頭使って考えれないオジサン』とか『人間語通じないオバサン』みたいな人が数千万匹は生息していて、そんな他の先進国だったら瞬殺で居場所が無くなりそうなレベルの奴らがなぜか社会的に良いポジションについてたりするんですよね。失われた三十年は人災なんです。 それにしてもアナウンサーさん、いい質問するな〜 支配欲 最近、朝倉未来氏の以下のツイートに非常に考えさせられました。 日本ってほんと『他人を自分の思い通りにしたいマン』多いですよね。そして思い通りにならなっかたり、批判・反論されると子供みたいにキレるんですよねwww さて、ソビエト民も基本『他人を自分の思い通りにしたいマン』なんです。 老若男女問わず強烈なる支配欲・征服欲・屈服欲が全身から溢れ出しています。 相手が自分の思い通りにならないと我慢できず、口答えや反論等はもう許せないのです。 アゼルバイジャンで以下のようなやり取りがありました。
「こいつ俺様の用意した飲み会に来ねーだと?俺の言うこと聞かねーだと?許せんぞ!」となってしまうのです。 なぜソビエト諸国は猟奇的・一方的な主張を他国に押し付け、その実現のためには武力行使も厭わないのか?? それは国民一人一人がそーゆー人達だからです。 ミクロのレベルで国民が支配欲・征服欲・屈服欲の塊なので、国全体としても同じ性格になるのです。国家は国民の鏡なのです。 私はその国・国民の支配欲・征服欲・屈服欲を計る方法として、DV率がとても良い指標なのではないかと思っています。 家庭で自分の思い通りにならない場面において、それを暴力で解決するようなDV男子が住まう国は、国全体としてDV国家なのです。 ちょいと調べて頂ければすぐ分かるのですが、旧ソビエト諸国のDV率は凄まじいものがあります。 話は変わりますが、アルメニア人はなぜアゼルバイジャン人にジェノサイドされるのか?(アルメニア人がアゼルバイジャン人をジェノサイドするパターンもある) それは彼らが屈服しないからだと私は思ってます。 アルメニア人も同じく征服欲が強いソビエト民で、血の気も多いし、いちいち闘っちゃうんですよね。 聞き流せばいいようなアゼルバイジャン人のプロパガンダとか歴史修正とかマウンティングに対して、いちいち「嘘つくな、黙れ、お前はクソだ」と同じやり方でやり返して、アゼルバイジャン人の支配欲を根本から否定しちゃうんです。 DV男子に楯突いたら、もちろんDVされます。こうしてソビエト圏では歯向かう奴はとりあえずジェノサイドされちゃうんです。 ロシア軍がウクライナのブチャで虐殺しただの、マリウポリに数万人の墓地があるだの、イジュームに集団墓地が発見されただので世界はショックを受けていますが、皆さんちょいとソビエト圏の歴史を調べてみてください。こんな話いくらでもあります。 ソビエトでは楯突くやつはとりあえずジェノサイドなんです。そーゆーもんなんです。 ジェノサイドした後に証拠を隠滅して、「それはデタラメだ」とシラを切るのがお決まりなんです。そーゆー生き物なんです。 さて、ウクライナ戦争に際し、ロシア人の支配欲を正面から徹底的に叩き潰しているのがアメリカ・イギリス・カナダ等のアングロ民です。 証拠を突きつけ正論で『お前は嘘つきだ、俺が正義だ、お前はクソだ、お前は俺より下だ』とロシア人を真っ向から否定しマウントを取ってくるアングロ民という生き物は、ロシア人にとっては虫唾が走るほど気に食わない連中なのです。 ロシア人にそんなことするとますます心を閉ざして、壊れたラジオのようにプロパガンダを繰り返すだけなので逆効果なのですがwww アングロ猿人とロシア猿人は生まれつき破壊的に相性が悪いのです。 ムーディー勝山 私はソビエト民のトリセツは日本の非非友好国ジョージアに学ぶべきと考えています。 目の前でアゼルバイジャン人やロシア人が、(欧米人が聞いたら顔が引きつってしまうような)プロパガンダや歴史修正を合唱していても、ジョージア人って「へーそうなんだー」と何事もなかったかのよう聞き流すのです。 これはいつ見ても見事だと思います。 ツッコミません、絡みません、闘いません。何事もなかったかのように、右から左へサラ〜っと受け流すのです。これなら揉め事は起こりません。 もともと多民族国家のジョージアでは考えの違いなんかいちいち気にしてたらキリがないので、流すようになったのではないかと私は推察しています。ソビエトっぽくないですね。 あとはジョージア人って隣国とは思えないぐらいアゼルバイジャンに興味もないし、びっくりするぐらいアゼルバイジャンのこと何も知らないんです。 人種的にも別物だし、ジョージアってEU加盟を目指して欧米諸国の方ばかり見ているので、アゼルバイジャンのことなんか眼中にないんだと思います。 だからアゼルバイジャン人が何言っても「へーそうなんだー」と興味なさそうに相槌打つだけなのかと。 争いごとを避ける秘訣は「無関心」なのかもしれません。 そんなジョージアのレジャバ大使は、笑いのセンスで日本国民にアプローチするという独自の外交手法を開拓しております。こんなキャラの大使はゾマホン以来ですね。 この人見た目がほぼ小島よしおです。 是非『細かすぎて伝わらないモノマネ』に参戦して頂きたいものです。 長いものには巻かれよ 9月に入ってからのハリコフでの反転攻勢もあり、「ウクライナ勝っちゃんじゃね?」みたいなお花畑な空気が流れていますが、果たして本当にそうでしょうか? 今回の戦争、ロシアにしてはかなりジェントルマンに戦っているように思えます。 ロシアがその気になればウクライナに流入する暖房用天然ガスだって制限できるはずですし、インフラを破壊したり、大量破壊兵器を使ったりすればもっと優位に戦えるはずです。 やはり兄弟国家であり、旧ソ連諸国からの冷たい目線もあり、めちゃくちゃ慎重に注意を払いながら戦っているのでしょう。ロシアにしては。 裏を返せば、ロシアがお得意の残虐性を発揮すればまだまだ形勢はどっちに転ぶか分かりません。 またロシアは食糧・エネルギーをほぼほぼ自給しています。外貨獲得元は小麦等の食糧と天然ガス・石油の輸出であり、コモディティなので西側が経済制裁しようが絶対に買い手は見つかります。 食糧やエネルギーの輸出を操り、世界恐慌を引き起こす覚悟で本気の持久戦をやれば、いずれヨーロッパは降参し、勝つのはロシアでしょう。 恐慌が起きてもロシア人は生き残れます。だって食糧もエネルギーも自給してるんだもん。最悪配給制にすれば良いだけです。 さて、以前の投稿で分析した通り、
米ドルが独占してきた石油・天然ガス決済の牙城を切り崩し、また、ルーブルをコモディティーの価値に裏打ちされたコモディティーとの交換チケットとして再定義し、さらにコモディティー供給を牛耳り兵器化することで、西側が構築したマネーゲームを根本からゲーム・チェンジしようとしているのです。 そのためにウクライナのコモディティー(小麦、とうもろこし、鉄鉱石等)が必要だったのです。 ここでロシア人が今回の戦争を支持するもう一つの理由を述べたいと思います。 ロシア人は今回の戦争が通貨戦争・覇権戦争であるということを理解しており、ウクライナでのいざこざなんて大事のための小事だよね思ってるからです。 覇権戦争ならそれぐらい仕方ないよね、ってことです。 なぜロシア人はこれを覇権戦争だと考えるのか?? それはrt.com等でそう放送してるから、ロシア人はプーチンが大風呂敷を広げていることを普通に知っているのです。 だからこそ西側はロシアのメディアをブロックしたのです。自らの覇権が窮地に立たされていることを隠すために。 それにしてもrt.comはドキュメンタリー調にプロパガンダと陰謀論が流れてきて、とても見ごたえがあります。 さて、日本政府は西側と歩調を合わせて威勢よくロシアに経済制裁してますが、政府に聞きたいのは「もしロシアが覇権国家になったらどうすんすか??」。 人生一寸先は闇です。 自由主義陣営が衰退し、ロシア・中国あたりが世界を牛耳るおぞましい未来というのも十分起こりうるシナリオです。そうなった時、日本にどんなしっぺ返しが来るか。 こんな覇権戦争のまっただ中ではなるべく中立寄りにポジション取るのが一番安全なんです。どっちが勝つか分かった段階で勝馬に乗れば良いのです! 韓国みたいにアメリカから裏切り者目線で見られるぐらいの曖昧ポジションを取ったり、インドやトルコみたいにどっちに転んでも大怪我しない立ち位置を取るのが正解なんです。 核兵器も持ってないし、30年間ゼロ成長なのに威勢良く経済制裁なんかすんのやめてくださいよ。 日本は政府はいつでも中国・ロシア側に寝返れるぐらいの準備はしておくべきでしょう。 SLAVA UKRAINI 私は「日本政府」と「個人の日本人」は分けて対応すべきだと思ってます。 日本人個人は徹底的にロシア・ロシア人を叩くべきだと思います。 第二次大戦敗戦から七十余年、ドイツ人と日本人は「敗戦国民」のそしりを受け、世界中どこに行っても罪の十字架を背負わされてきました。 此度ついに待ちに待った瞬間がおとずれたのです。ついにこの罪の十字架を外すタイミングが来たのです。 みんなでロシア人を人類の敵にして、悪役にしちゃいましょうよ! 罪の十字架のバトンタッチです! 私はロシア人を悪者にすべくロシア語のTelegramチャンネル等で暴れまくってます。 本ブログを読んでいただいている皆様も是非この聖戦に参加頂ければ幸いです。 さて、「よしロシアと戦うぞ!」と高い志を持った皆様がここで気づくのは「あれ?ロシア人ってどこにいるの?」という現実です。 ロシアって戦争とオリンピックの時以外は全く存在感がないので、必然的にロシア人との絡みもないのですwww 皆さんが思いつくプーチン以外のロシア人って、ロシア大使のガルージンとか、霊長類最強レスラーのカレリンとか、ボクシング王者の勇利アルバチャコフとか、格闘家のヴォルク・ハンとかでしょうか? こんなやつらと戦ってはいけません。返り討ちにあいます。 嘘つきガルージンに悪口なんか言ったりしたら毒盛られて殺されちゃいます。 戦いとは「絶対に勝てるやつを相手に、絶対に勝てる土俵で、卑劣な手を使い、無慈悲に、完膚なきまでに一方的に叩きのめす」ことを言うのです。 負ける戦はしてはいけません。 そこで、小原ブラスあたりはいかがでしょうか? こいつならいくら叩いても絶対なんの仕返しもできません。手頃なターゲットです。 さぁ我々の聖戦を始めましょう! ウクライナ人は祖国のため、自由と民主主義のため、そして、国際秩序のためにロシア人と戦っています! 日本人も我々日本人の矮小な利益のために戦いましょう、小原ブラスと! SLAVA UKRAINI!
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3月に導入されたルーブル・金ペッグはルーブル為替相場に安定をもたらした。 「ロシアからの資源輸入をルーブル払いにせよ」という要求は、外為市場にルーブル買い圧力を生み出し、またアービトラージによりロシア国内への金流入を促す。 ロシアが金による資源輸入の支払いを受け付けると、ロシアへの恒常的な金流入が発生し、また、インフレが進行するほどルーブル高が進むという悪魔の通貨戦争スキームが完成する。 前回投稿にて、ロシアのウクライナ侵攻の目的は農地強奪であると指摘しました。 ロシアの輸出経済の成長エンジンであり、また、第三世界の胃袋を握る戦略物資でもある小麦の増産を支えた農業生産性の向上が頭打ちになり、ロシアが農産物のさらなる増産を達成するには農地を拡大する必要に迫られている。 眼前に広がるウクライナ南部ロシア系住民居住区の肥沃な農地・水源を強奪し、欧米からの痛くも痒くもない経済制裁に耐えつつ、農産物輸出を拡大し、また、世界の胃袋を握る超食糧大国として君臨するのは極めて合理的な経営判断である。 要約するとこんな↑感じでした。上記の視点はある程度当たってると思います。 「ロシア系住民の保護」とか「民族主義者との戦い」とかクソどうでもいい理由は忘れてください。安全保障・プーチンの独裁体制維持に加え、農地強奪もウクライナ侵攻の大きな理由だと思います。 ただし、私の見通しは甘かったようです。プーチンはもっともっともっと大きな絵を描いているようです。 プーチンショック 〜 新ゴールドスタンダード 西側メディアは沈黙していますが、3月25日にロシア中央銀行は『金1グラム=5000ルーブル』の固定レートで国内金融機関からゴールドを買い取るという声明を発表しました。どうもこれは6月30日までの時限措置のようです。 まるでゴールドスタンダード(金本位制)です。 効果は絶大でした。 ウクライナ進行後、一時150ドル水準にまで進んだルーブル安が、たちまち進行前の80ドル水準にまで戻り、ルーブル切り下げ不安を一掃しました。まぁロシア国内で固定レートで金とルーブルが交換できるので、その水準でドル・ルーブルのレートが落ち着くのも当たり前ですね。 6月30日以降どうなるか分かりませんが、仮にこの固定交換レートが継続され、引き続き、金1グラム=5000ルーブル、だとしましょう。 するとこれは、金価格が上昇する度にルーブルの為替レートが切り上がることを意味します。当たり前ですが。 ↑この固定交換比率から算出される理論USD/RUBレートのチャートを載せておきます。 今後、仮にインフレや地政学リスクイベントがまだまだ続くとすると、ドル建ての金価格は上昇し、すなわちドルは減価します。そして金にペッグされたルーブルはドルに対して切り上がります。 これはインフレ環境下においてルーブルがめちゃくちゃ強い通貨になることを意味します。 さて、本投稿執筆時での金価格は$1,929/OZで、USD/RUBレートは84です。これは理論価格に比べてディスカウント(割安)されてる状態です。 ルーブル為替がディスカウント状態でなにが起こるかと言うと、アービトラージャーは外為市場でドルを売って割安なルーブルを調達します。調達した割安なルーブルをロシアに持っていき金に替えます(たぶん中銀レートにちょいとプレミアムを付けた価格で)。ロシアで購入した金を金市場で売ってドルに替えれば利鞘が稼げます。利鞘がなくなる水準までルーブルの為替レートは上昇し、理論価格に近づきます。 しかし、これがプレミアム(外為市場のルーブルが割高)の状態になると恐ろしいことが起こります。これは後述します。 要は、世界第二位の金埋蔵量と世界第五位の金準備を誇るロシアが、中銀が固定レートで金を買い漁ることでルーブルの為替レートを安定させたのです。 ペトロルーブル ロシアはまた西側非友好国に対し資源輸入の支払いをルーブルで行うように要求しています。断ればガスの元栓を締めることも辞さずという剣幕です。ペトロダラー(石油本位制)ならぬペトロルーブルですね。 西側はこの要求を断固拒否する見通しですが、ハンガリーはロシアに同調する動きを見せています。 もし、プーチンが強硬で、西側がルーブルでの支払いを了承せざるを得なくなったと仮定しましょう。一体何が起きるか?? Austrolibは興味深い指摘をしています。 このロシアから資源輸入のルーブル支払いのために、外為市場では恒常的にルーブル買いニーズが発生し、為替レートは先の理論価格に比べプレミアム(割高)な状態となり得る。するとアービトラージャーは金を「金1グラム=5000ルーブル」でロシア中銀に売り、調達した割安なルーブルを割高な外為市場で売却する。 すなわち、西側非友好国がルーブル払いを了承すると、外為市場でルーブルが割高になり、結果、金の買い取りレートが固定されたロシアに金がどんどん還流するという事態になりかねないのです。 プーチンがこだわるルーブル払いの目的は、単なる通貨価値防衛だけではなく、おそらく世界中からゴールドを吸い上げることも念頭においているのだと思います。 はたして非友好国はルーブル払いを了承するのでしょうか? プーチンには必殺の一手があります。『ルーブルで払ってくれたらガス代割引するよ』と言えば良いのです。 すると財政の厳しい国からドミノ倒し式にルーブル払いを了承する流れになるかもしれませんね。 ルーブルって小さいながらも既にかなり国際通貨なんですよ。 前回投稿で指摘したように、ロシア政府の対外債務は7割ルーブル建てです。 また、↑のチャートで示すように、ロシアの貿易決済もかなりの割合がルーブル建てです。 これに加えて非友好国の資源輸入決済もルーブル建てになれば、もうルーブルは国際基軸通貨の一角でしょう。 ドルが紙切れになった日 ご高齢の皆様は1971年のニクソンショックを覚えているでしょうか?それまで1オンス=35ドルの兌換比率で固定されていたドルと金とのペッグを「やーめた」と突然ちゃぶ台ひっくり返した衝撃を。 国際収支の赤字と厳しいインフレでドルの切り下げ圧力が強まり、また金準備もすっからかんになった米国はもはや通貨を切り下げるしかなく、その日から米ドルは(そして他の通貨も)金の裏付けのない紙切れとなりました。 目下、政府国債を担保に中央銀行が通貨を発行する仕組みとなっているのですが、要は『紙(国債)を担保に紙(通貨)を発行してる』だけです。 FRBことFEDERAL RESERVE BOARDには、Reserve(金準備)がないのです。さらに言うとFRBは100%民間保有(主にユダヤ資本)の民間銀行なので、Federal(連邦政府)ですらありません。 「じゃあロシアも金準備がなくなったらまたルーブル切り下がるじゃん」と思われるかもしれませんが、ロシアはこのリスクを回避可能です。 ZeroHedgeは『ロシアが資源輸出の支払いをゴールドで受け取る』ようにすれば良いと指摘しています。これで無限に湧き出る油が金塊に変わり、持続的にロシアに金が還流するようになり、金準備は維持可能です。資源国・輸出立国ならではのソリューション。 ロシアのエネルギー副大臣Pavel Zavalnyは既にこの資源輸出のゴールド払いオプションに言及しています。曰く、ロシアはドルには興味がなく信頼もしておらず、金かルーブルかビットコインか輸入元友好国通貨(人民元とかトルコリラとか)で資源輸出の決済をしたいとのこと。 ガチでドルを殺す気です。さぁNATOは動くか? はたして輸入国は金での支払い検討するのでしょうか? プーチンには必殺の一手があります。『ゴールドで払ってくれたらガス代割引するよ』と言えば良いのです。
50年ぶりのパラダイムシフト、かもしれません。 情景が目に浮かびます。 200X年、クレムリンの薄暗い小さな会議室で『Project Z(仮名)』が発足。 ミッションは「ロシアを再び超大国にする」こと。 絶対に西側に漏れてはいけない極秘のプロジェクト。 メンバーはおそらくプーチンと信頼できる幹部と優秀なアナリストだけの少数精鋭チーム。 それからは雨の日も風の日も吹雪の日も、経済・地政学・外交・金融・軍事あらゆるパラメーターを分析してシナリオを練り上げてきたのでしょう。 そしてついに欧米をぎゃふんと言わせるタイミングが来たのです。 ↑規模感だけ比較しておきます。 ロシアの石油・ガス輸出は一日当たり7億ドル程度で、ルーブルの外為取引高の1%程度に相当します。この輸出の何割かがルーブル決済になれば、外為市場でのルーブル純買い圧になりルーブル為替にプレミアムがつき、アービトラージャーによりじわりと金がロシアに還流するのではないでしょうか。 もし、この石油・ガス輸出の数%でもゴールド決済になれば、それはそれでまとめて金がロシアに還流し、ロシアはハッピーでしょう。 まだまだ米ドルに比べて小さいですが、ペトロゴールドルーブルは侮れない存在だと思います。 デジタルゴールド ロシアのエネルギー副大臣Pavel Zavalnyが言及した通り、ロシアはビットコインでの貿易決済にもオープンです。 これは上述のペトロゴールドルーブルが上手く行かなかった場合のヘッジになりますし、ロシアが閉め出されたSWIFT国際送金網の代替にもなり得ます。 水力発電による安価な電気代と寒冷な気候を活かして、ロシアはビットコイン採掘のハッシュレート(計算能力)の11%も有しています。 ロシアの目指す新ゴールドスタンダードにはデジタルゴールド(ビットコイン)も絡んでくるのかもしれません。 通貨と戦争 思い出されるのは2003年のイラク戦争です。 グリーンスパンが「イラク戦争の目的は石油だった」とゲロしてしまい物議を醸しましたが、あの戦争には通貨戦争という側面もありました。 フランス・ドイツ・ロシア・イラクがタッグを組んでイラク産の石油をユーロ建てで輸出しようとしたのです。これはニクソンショック以降、石油貿易の決済を独占することにより価値を担保してきた米ドル(ペトロダラー)に対する大いなる挑戦・裏切りでした。激怒したブッシュは無理矢理戦争をおっ始めてこの企てを阻止したのです。 ところで当時のアメリカの偽旗作戦は酷かった。 「イラクは大量破壊兵器を保有している」と言いがかりをつけて地上部隊まで派遣してイラクを掌握したのですが、案の定大量破壊兵器なんてなかったのです。 この茶番に気づきますか?もしイラクが本当に大量破壊兵器を持っているのであれば、アメリカは地上部隊なんて派遣できません、だって全滅しちゃうもん。 アメリカはイラクが大量破壊兵器を持っていないことを知っていたのです。知っていたから地上部隊を派遣できたのです。大量破壊兵器を持っていないと知っている相手に対して「お前は大量破壊兵器を持っている」と言いがかりをつけて戦争したのです。 イラク戦争に比べれば、ウクライナ戦争におけるロシアの偽旗作戦の方まだマシに見えてしまうのは私だけでしょうか? ロシアに話を戻しましょう。 欧米諸国は全力でウクライナに祈りを捧げていますが、アラブ諸国やアフリカ諸国は「世界中で散々侵略・略奪・虐殺をやってきた欧米人が今更なに言ってんの?」と言わんばかりの冷たい眼差しで欧米諸国をしれ〜っと眺めています。 世界から孤立しているのはロシアなのでしょうか?それとも欧米諸国に今までの悪事のしっぺ返しが来るタイミングなのでしょうか? さて、ロシアの企てているであろうこのペトロゴールドルーブルの仕組みは、ロシアでなくても良いのです。アラブやアフリカの資源輸出大国であれば真似できてしまうのです。彼らとロシアとの違いは核兵器の有無ぐらいでしょう。 彼らはプーチンの通貨戦争の行く末を見極めているのです。そしてあわよくば自国通貨にもロシアと同じスキームを適用し、欧米人に一泡吹かせてやろうと心の底で思っていることでしょう。 しかし、通貨というのは怖いものです。イラク戦争の例もあるように、通貨は戦争に直結します。 普段は文明人のフリをしている欧米人も、銭が絡むと化けの皮が剥がれ容赦がなくなります。 第三次世界核大戦の足音が聞こえてきたと感じるのは私だけでしょうか?? 戦争はいけません。 世界大戦を防ぐべく、私も全力で祈りを捧げたいと思います。 ウクライナ戦争 って結局なんなの?って疑問にここで私の考えを総括しておきたいと思います。
米ドルが独占してきた石油・天然ガス決済の牙城を切り崩し、また、ルーブルをコモディティー(金・小麦・天然ガス・ビットコイン等)の価値に裏打ちされたコモディティーとの交換チケットとして再定義し、さらにコモディティー供給を牛耳り兵器化することで、西側が構築したマネーゲームを根本からゲーム・チェンジしようとしているのです。 そのためにウクライナのコモディティー(小麦、とうもろこし、鉄鉱石、ネオンガス等)が必要であり、また、覇権戦争を仕掛けるカタリストがウクライナ戦争だったのです。 ウクライナ国民にとってはいい迷惑ですね。 (追伸)ツワモノ達のコーカサス ついでに久々にコーカサスのことも書きましょう。 このウクライナ戦争にて、コーカサス三国は独特の動きを見せております。
こいつらなんでこんなに愉快なんでしょう。逸材揃いです。 まぁアゼルバイジャンのカラバフへのプチ侵攻は出来レースだと思います。 以前の投稿でも指摘したのですが、トルコに対し弱腰の印象がついてしまったロシアには、同盟国アルメニアを守ったという『実績』作りが必要なのです。 ウクライナ戦争のため、カラバフにロシア軍不在の空白状態ができ、その隙にアゼルバイジャン軍が進軍し、後々ロシア軍が戻ってきたらアゼルバイジャン軍が後退するのでしょう。三歩進んで一歩下がるです。 するとアゼルバイジャンは二歩進めてハッピーです。ロシアもアゼルバイジャンを一歩下がらせた実績ができてメンツが立ちます。 ソビエトって気持ち悪いでしょww ジョージアでは親ロ派自称独立国の南オセチアがロシア編入を目指す国民投票を行うようですね。何を考えているのやら。 それでは今回はジョージアの人気ユーチューバーTrio Mandiliの曲で締めましょう。Kakhuri! 皆さんご一緒に『ハ〜ラ〜ラ〜レ〜♪』 やはりジョージア文化は素晴らしい。
パクリバイジャンとは一味違う。 カラバフ戦争の行方をことごとく的中させた当ブログですが、今回は門外漢のウクライナ戦争について予想してみたいと思います。 ロシアの最重要ターゲットはウクライナ南部の穀倉地帯とネオン関連工場だと思うのですが、ここらへんを落とせるか否かでシナリオががらっと変わってくるのかなと。 ↓みたいな感じで戦局が展開していくと予想しています:
敵を知り己を知らば百戦危うからず というわけで、本題に入る前にまずはロシア側の状況を分析してみましょう。 数字が苦手な人のために最初に結論だけまとめておきます。これは農地強奪戦争です:
ふー、順番に見ていきましょう。 ↓はロシアの過去10年の経常収支です。 想像通りというか有りがちというか、典型的な輸出主導の収支構造です。 原油価格の周期にあわせて輸出入がデコボコと変動するのですが、基本的には輸出入のプラスで、サービス収支と所得収支のマイナスを十分カバーしている状況です。 面白いのは、おそらく2014年のクリミア併合に伴う制裁の影響だと思うのですが、サービス収支・第一次所得収支のマイナス幅が減少しており、越境経済活動・投資活動が停滞し、ロシアがグローバル経済から切り離され、どうも内需完結型の経済に移行していっている様が見て取れます。 輸出入のプラスが圧倒的な状態で、対外支払いが減少しているので、経常収支構造はますます堅牢になります。 西側メディアはことさらロシアの経済危機を強調しますが、そんなに危機的ですか?? 貿易赤字を垂れ流している日本よりはよほど健全な収支構造に見えます。 こうやって国際収支を見るのは重要です。 プーチンは当然ウクライナ侵攻に伴い強烈な経済制裁を受け、ロシアがさらに世界から隔絶されることを想定していたはずであり、逆に言えば『さらに世界経済から切り離されてもロシア経済は十分やっていける』という確信がなければ戦争なんかできません。 この収支構造を見る限り、ロシアにとって輸出入さえしっかりしてれば、他のファクターは誤差みたいなものなのではないかと思います。 対外債務の状況も見てみましょう。↓は対GDP対外債務比率です。 ロシア政府の対外債務の大部分は実はルーブル建てなんです。中央銀行が輪転機を回せば返済できます。外貨建ての政府対外債務はたかだか200億ドル程度です。 西側プロパガンダメディアはことさらロシア国債のデフォルト危機を拡散しておりますが、一体どこに危機があるのでしょうか?? ロシアが国外に保有していた資産が凍結されたり、銀行がSWIFT送金網から外されたりしたから、"実務的"に利払い作業が大変というだけであって、本質的にロシアの経済構造が破綻しているわけではないのです。 経常収支に戻りましょう。 この健全な経済構造を支える根幹である輸出収支の部分を見てみます。 やはり石油・ガスの部分が屋台骨となっているのですが、資源価格に連動して乱高下するのは致し方なしです。 興味深いのは2017年以降石油・ガス以外の輸出が堅調に伸びており、直近2年間ではついに輸出収支の過半を非石油・ガスで占めるに至りました。資源国の印象の強いロシアですが、着々と脱資源経済を進めていたようです。 原油・石油製品・天然ガスの四半期毎輸出量(金額じゃなくて量)を↓に示しますが、天然ガスは上昇傾向に見えますが、やはり原油・石油製品は横ばいです。 石油・ガス産業以外の部分にも堅調な輸出入の秘密がありそうです。 ここは貿易統計を見てみる必要があります。 ↓にロシアの主要輸出品目を示します。 もちろん輸出の中心は石油・ガスなのですが、エネルギー・資源・工業製品は軒並みマイナス成長で、一方、穀物・農林産物が驚異的な伸び率を示しております。 どうもロシアは死物狂いで第一次産業にテコ入れをして、そういった努力が輸出品目の多角化につながっているようです。 ついでに輸入の方もチラ見しましょう。 ↓輸入額の推移です。輸出が好調な時に増えて、そうでない時は質素な感じです。 輸入の内訳を見てみると、食料・自動車・鉱物等が急激に減少していることが分かります。ふむふむ。 自動車は格安中古車主体の輸入に切り替えたのかもしれませんね。 食料品目の輸入減が見られるあたり、やっぱりロシアが死物狂いで第一次産業を育成していた匂いがプンプンします。 ここまでで総括すると、資源輸出一辺倒で、脆弱な財務基盤によりデフォルト寸前という一般的なロシア経済に対する認識は実は誤りなのではないかという気がしてきました。 このブログを書いている私自身が大変混乱しております。 数字が示しているファクトはロシアの多角化された輸出産業、第一次産業の驚異的な成長による外貨獲得、健全な経常収支構造、そして取るに足らない対外政府債務ということです。 図体がデカイだけで貿易赤字垂れ流しの日本よりよほどまっとうなビジネスモデルなのではないかと思えてきました。 う〜ん、、、ロシア経済の根幹である貿易の部分をもう少し深堀りしてみましょう。経済制裁の影響は如何程なのか。 ↓は2019年の主要貿易相手国です。対ロシア制裁に前のめりな48カ国は非友好国にまとめました。 これは衝撃的ですね。 ロシアに友好的・中立な中国・ベラルーシ・トルコ・カザフスタン・その他諸々を合わせても貿易額のたかだか4割程度しかなく、輸出入共に非友好国が過半を占めています。 ロシアの成長エンジンである貿易は大いに影響を受けそうです。もう少し分解してみましょう。 ↓はロシアの2019年の欧州非友好国向け輸出($182bn)の内訳です。石油・ガス・練炭・タールオイル・金・プラチナ・ダイヤモンド・アルミ・銅・ニッケルといった主要なエネルギー・資源関連の品目で輸出のなんと約8割を占めています。 これらのエネルギー・資源品目を欧州非友好国側から見た輸入元が↓になります。 ロシアが17.9%と圧倒的です。。。この数字は各国の輸入の単純合算なので、域内を通過するダブルカウント分を考慮すれば、ロシアへの実際の依存度はもっと高いのではないでしょうか。 ↓のチャートはEU+イギリスのガスの供給元の推移です。元記事によると『ヨーロッパで利用されるガスの4割、EUの輸入原油の25%以上がロシア産』とのことです。 まとめると、ロシアの経済のエンジンである輸出において、欧州非友好国向け輸出のほとんどはエネルギー・資源関連であり、またロシアの供給シェアは圧倒的であり、欧州非友好国が威勢良く経済制裁だと言ったところですぐさまロシアからの供給を代替するのは不可能です。というか数十年かけても最大供給元はロシアであり続けるのではないでしょうか。貿易決済も必要なためにSWIFTからの完全除外もできません。 すなわちロシアから欧州へのエネルギー・資源輸出量はすぐには減りそうにありません。むしろウクライナ戦争のおかげで資源価格も上がり、ロシアとしては輸出額が増えて焼け太りということになるのではないでしょうか。 経済制裁にしても、外資撤退に伴い短期的には失業者が増え国民の幸福度も低下しますが、長期的には撤退した海外サービスが(勝手に外資企業資産を乗っ取った)ロシア国内サービスに置き換えられ、またまたサービス収支が改善する方向に向かうのでは? 日本を含むアジア太平洋の非友好国についても状況を見てみましょう。 ↓はアジア太平洋の非友好国に対するロシアの輸出品目です。 欧州とそっくりですね。 原油・ガス・練炭・アルミ・プラチナで輸出の約8を占めています。 これらの品目をアジア太平洋の非友好国側から見た輸入元が↓になります。 やはりロシアの存在は大きく、アジア太平洋とは言え、これらエネルギー・資源輸入の代替元を探すのは困難でしょう。日本がサハリンの権益を放棄するわけもないですしね。 ↓では最大の貿易相手中国に対してロシアは一体何を輸出しているのでしょうか? 圧倒的に油なんです。 中国から見た原油の輸入$226bnの内訳↓ではロシアは約16%でトップシェアですが、金額だけの比較で見ると、仮に欧州非友好国がロシアからの原油輸入を2〜3割減らせたとしても、中国が支援として多少補填輸入するのは可能な気がします。 意外にもガスは少ないのですね、と思ったら、ちゃっかりウクライナ侵攻直前に中露新パイプラインの建設を発表してました。 どうも話が大きくなっているようで、このパイプラインのキャパは5ft3/日程度のようで、だとすると欧州非友好国が頑張って何割かロシアからのガス輸入を減らしてもやっぱり中国向けで補填できちゃいます。 中国としても価格交渉力のある輸入元が増えてウハウハでしょう。 このパイプライン関連の決済ですが、なんとユーロ建てを検討しているようです。これは欧州は揺れます。 おそらくプーチンは欧州に対して「ロシアからの資源輸入継続してくれるなら支払いはユーロ良いよ、中国とのガス取引もユーロでやるよ」と裏で囁いているのでしょう。イラクで潰えたペトロユーロの夢再びです。これは欧(ユーロ)と米(ドル)を分断させる駆け引きにも見えます。 ここまではロシアの欧亜非友好国&中国への輸出を中心に見てきましたが、ほとんどエネルギー・資源関連の話に落ち着きました。でも違和感を感じませんか?? データが示していたのはロシアが死物狂いで食料輸出を増やして外貨獲得源を多様化してきたというストーリーですが、これまで全く食べ物の話が出てきません。 目線を変えて、ロシアの食料輸出の最大品目である小麦製品の輸出先を見てみましょう。 エキゾチックな国名が並びます。これがロシアの輸出の成長エンジンである小麦製品の購入者です。そうです、ロシアは第三世界向けの食料の輸出基地になっており、これら食糧安全保障をロシアに依存する国々がロシアの「友好国」となっているようです。 「Weaponizing Wheat」という論文ではロシアがかつてエネルギーでそうあったように、小麦の供給を牛耳って外交・安全保障面での利益を追求するとの指摘がなされています。 まとめると、ロシアのしたたかな戦略が見えてきます。
頭痛がしてきました。私の解釈が間違っているのでしょうか?? あまりにニュース報道で流れてくる情報と実際目に見えるデータに乖離があります。 さて、輸入に関してはあまり面白い発見はなく、まぁ非友好国から輸入が止まっても中国産で代替するんだろうなという程度の品目しかないのですが、一点だけ、北米非友好国(アメリカ・カナダ)からの輸入品目に特徴があります↓ 圧倒的に航空機を北米からの輸入に頼っているのです。食糧であれ工業製品であれ、たいていの品目は国産化もしくは中国で代替できても、航空機だけはやはりアメリカ頼みのようです。 だとすると輸入に頼らなければならない航空機を、なぜ借りパクするような愚行を犯したのでしょうか??一度そんなことをしてしまえば今後誰もロシアに飛行機をリースもレンタルもしてくれなくなります。 また頭痛がしてきました。 ロシアは外界からさらに隔絶されることを前提に、自給できない航空機を借りパクして当面の国内航空需要に対応し時間を稼ぎ、その後は国産もしくは中国産に乗り換えるという算段をしているのではないでしょうか??整備部品はしばらく中国が横流しするのでしょう。 さて、貿易の話はここらへんにして、話題沸騰のロシアの農業を見てみましょう。 ↓はロシアの主要穀物野菜の収穫量です。 やはりロシアが死物狂いで農業に注力してきたという仮説は正しそうです。過去20年で収穫量が倍増しています。 穀物輸出禁止に踏み切った2010年や2012年の不作を除けば基本的に右肩上がりなのですが、一方で直近数年間は収穫量が頭打ちになっているようにも見えます。 作付面積も見てみましょう。 面積は意外と横ばいですね。増えてるっちゃ増えてるけど20年で2割増ぐらいです。やはり過去10年ぐらいは堅実に面積を拡大していってますがね。 また地球温暖化の影響もあるようです。寒冷地が温暖化のおかげで耕地になり作付可能面積が増加すると。 どうもロシアの過去20年の急激な農業増産は農地面積の拡大というよりは、農業生産性の向上によるところが大きいようです。(肥料とか作付け回数とか品種改良とか) さて、↑の2つのチャートを見て強烈な違和感を感じませんか?おそらくロシアの農業の現場で何かが起きてます。 過去10年間の堅調な農地拡大にも関わらず、直近数年の収穫量は頭打ちになっているのです。 これはロシアの急激な農業生産増を支えた農業生産性の向上が限界にきていることを示唆しているのではないでしょうか? すなわち、これを以上面積あたりの収穫を増やすのはけっこう大変であり、輸出経済の成長エンジンである農業生産をさらに成長させるには、根本的に農地面積をに増やすしかないという段階に迫りつつあるのではないかと推察されます。 ↓にロシアの主要食品の輸出入額をまとめてみます。 かつては食料の純輸入国であり、ソビエト崩壊時には食糧危機に陥ったロシアですが、いつの間にか食料の輸出で稼ぐ国に変貌を遂げていたのです。 一方、肉・魚・パーム油・柑橘類あたりは未だに輸入が大きいです。 さて、稼ぎ頭の小麦は一体どこで収穫されているのでしょうか? 曰く、先述のウクライナ国境沿いの地方がロシアの小麦増産の成長ドライバーとなっているという分析です。 後述しますが、ウクライナ側も主要な穀倉地帯はロシア国境沿いでロシア系住民比率の高い南東部です。。。 分析をはじめる前から嫌な予感はしてたのですが、この戦争の目的って、小麦?? 豊かな途上国、貧しい先進国 世界第三位の経済大国日本にお住まいの皆様は、日本がとても豊かな国であり、自分の人生はハッピーなものであるという勘違いに陥りがちではないでしょうか? そんな勘違い日本人がいざ発展途上国をバックパッカーでもしてみると衝撃を受けてしまいます、『途上国民は意外といい暮らししてるぞ』と。 そうです。発展途上国でも毎日飯が食え、電気が通ってれば人並みの暮らしができ、意外と幸せなんです。 なぜGDPの小さな発展途上国でそんな幸せな暮らしが可能かというと、発展途上国ってけっこう食料・エネルギーの自給率が高い国が多いからです。最低限の生活インフラが国内で自給できて、国内の安い物価水準で提供されるから、見た目GDPが小さくてもその分生活コストも安く、普通に生活できてしまうのです。 一方で、見た目GDPが高くても食料・エネルギーを輸入に頼る日本のような国は生活コストが相対的に高く、実際の暮らしは貧しいのです。 ホロドモール ロシアとウクライナの歴史を語る上で避けては通れない話題があります。第二次大戦の足音迫る1932-33年、スターリンがウクライナを起こした人工飢饉です。 この年凶作で農産物の収穫が芳しくなかったにも関わらず、外貨獲得のためウクライナの富農から小麦を取り上げ、町も封鎖し、結果数百万人のウクライナ人が餓死したというお話です。えげつない。 ソビエト圏の歴史をちょっと調べるとこんな話ばっかりです。 犬も歩けばジェノサイドに当たる。 30年前のKGB職員時代に食糧危機とソビエト崩壊を目の当たりにし、また10年前の凶作でロシアが小麦の輸出禁止に追い込まれた苦い経験を持つプーチンの脳裏には、このホロドモールの光景がよぎったかもしれません。 北北朝鮮 上述のロシアの経済構造、小麦を活用した外交・安全保障戦略、NATOの東方拡大、そして、歴史的背景等を鑑みると、シナリオが見えてきます。
この2つのシナリオを天秤にかけ、合理的に後者を選択しただけではないのでしょうか?? 北朝鮮の北にもう一つ巨大な北北朝鮮ロシアが誕生しそうです。 対日テロ攻撃 ウクライナ戦争開戦直後、日本とアメリカの民間貨物船がミサイル攻撃を受けました。私はこれは間違いなく日米の民間船を標的にしたロシア軍のテロ攻撃だと思っています。 ロシア海軍を迎え撃つウクライナ海軍の唯一のフリゲート艦はドッグ入りしており(後に自沈)、ウクライナの実質的な海上戦力は小型ボートだけでした。 ロシア軍には対艦ミサイルを打つべき標的が存在せず、ミサイルを使用する必要すらなかったのです。 攻撃を受けた2艦は共に穀物を運搬する貨物船でした。やはり今回の戦争の目的は小麦であるという仮説が信憑性を帯びてきました。 敏感なヨーロッパ籍の船を避け、日本とアメリカの穀物船をターゲットにし、「ウクライナの小麦はロシアのものだ」と世界に高らかに宣言したのでしょう。 ウクライナの落とし所 ここまでほとんどロシアに関する投稿になってしまいましたが、そろそろ本題のウクライナについて語りましょう。
チベット高原 に中国が固執する理由は一体何なのでしょうか? 地図は見れば一目瞭然なのですが、チベットは東南アジア・南アジアを流れる多くの河川の源流なのです。 生命の源である命の水。アジアの国々の蛇口を握っているのは中国なのです。中国がちょいと蛇口を開け締めしたり、水栓の方向をいじったりしたら、たちまち下流のアジア諸国で大混乱が起きます。 中国はチベットで民族浄化を行ってまで外交・安全保障ツールとしての水源を押さえにいったのです。 この悪魔の戦略を実践した国があります。ウクライナです。 2014年のロシアの侵攻でクリミア半島を奪われ激おこプンプンになったウクライナは、ドニエプル川からクリミア半島へと繋がる北クリミア水路にダムを設置し、なんと水の供給を止めてしまったのです。これによりロシアが実効支配するクリミア半島では8割以上の水供給が消失し、農業は壊滅的なダメージを受けました。 これはジェノサイドダムと命名して問題ないでしょう。 今回のウクライナ侵攻の大義は小麦!ではなく、あくまで迫害されているロシア系住民の救出です。またロシアとしても多額の投資をしたクリミア経済がなんとか復興してくれないと困るというのは本音でしょう。 だからこそ開戦当初に全力でこのダムを破壊し(フェーズ1)、クリミア半島の水源を確保したのです。 イスマイル・セラゲルディンは言いました。
楔(くさび) 首尾よくケルソンのジェノサイドダムを破壊したところで、クリミア半島が敵に囲まれた陸の孤島であるという事実に変わりはありません。 次なるターゲットとして合理的なのは、実効支配化にあるドネツク・ルガンスクとクリミアをつなげる楔としてのマリウポリ・メリトポリあたりでしょう(フェーズ2)。 ISWの戦況マップもこの仮説を裏付けています。 ここらへんのウクライナ南東部はロシア人割合が高く、どっちがホームでどっちがアウェイか分かりません。 ↓ロシア語母語人口割合の図も載せておきます。 民主主義国家との闘い 最前線の戦場で何が起きているのか私には分かりませんが、西側プロパガンダによるとウクライナ軍が善戦しているようです。まぁたぶんそうなんでしょう。 要因としてNATOの軍事支援やロシア兵の士気の低さが挙げられていますが、ここで敢えて別の要因も指摘しておきたいと思います。 この戦争はロシアにとって久々の『民主主義国家に対する全面侵攻』だという点です。(久々というかほぼ初めて?) 民主主義は文字通り民衆が主体です。多くの場合、民主主義の実現には民衆が権力と闘い打ち破った歴史があるのです。ウクライナもクーデターのような形ですがこのプロセスを経験しました。 自らの力で権力を打ち破った経験を持つ民主主義国家の国民は骨太なんです。自分の頭で考え、自分の意思で行動し、力で屈服させようとしても抵抗します。 理不尽に受け入れ、上級国民ロシア人が銃口を突きつければ降参してしまうソビエト民とは一味違うのです。(ソビエト民はキレたら怖いですが。) そしてこの視点は日本人にとっても示唆に富むものです。我々日本の民主主義は占領国アメリカが押し付けたものであり、日本人の意思で獲得したものではないからです。 20XX年、ロシア軍が北海道に攻め込んできた時、果たして日本人はウクライナ人のように闘うことができるでしょうか? 大義 も当然重要です。大儀なき兵が如何に脆いか、大儀なき戦争が如何に泥沼化してきたか、歴史が証明しています。 そして20年前とのデジャブが面白いです。 20年前 アメリカ「イラクは大量破壊兵器を隠し持っている」 ロシア「それはでっち上げだ」 現在 ロシア「ウクライナは大量破壊兵器を隠し持っている」 アメリカ「それはでっち上げだ」 麦 さて本題の小麦に戻ります。最初にウクライナの主要輸出品目を見てみます↓ やはり第一次産業が大きく、トウモロコシや種子油が小麦よりも大きいのですね。 食い物に絞って輸出品目をロシアと比べてみましょう。 補完的ですね。ロシアが輸入に頼っている肉をウクライナは輸出に回しているのも魅力的です。ロシアがウクライナの食い物を獲りに行くのも納得です。 ウクライナの主要農産物である種子油・トウモロコシ・小麦の主要産地を見てみましょう↓ 小麦なんかそのまんまロシア人居住区と一致しちゃってます。種子油もそうですね。 やはりここらへんの農場と水源を押さえ、願わくばロシアに併合するのが今回の戦争の大きな目的でしょう(フェーズ3)。トウモロコシは北東部が主体なんですね。 私がロシアの大統領だったら、迷わずウクライナに侵攻してこの肥沃な農場を奪います。だってしばし経済制裁に耐えれば、その後は数世紀国家安泰になっちゃうんですもん。コスパ良すぎです。 ウクライナから奪った農地・工業地帯により、ロシアの輸出は数十億ドル、いや下手すると百億ドル程増加すると思います。戦費に数百〜数千億ドルかけても十分リターンは出ます。 さて、ロシアとウクライナが世界の食い物輸出市場においてどれだけ重要か、2020年の両国の合算シェアを見てみましょう。翻訳がめんどいので英語で勘弁ください。 えらいこっちゃ、えらいこっちゃ。 ウクライナの農場を取り込んだ新生ロシアは超食糧大国として世界の食糧安全保障を牛耳る立場になるのでしょう。さぁNATOは動くか? イスマイル・セラゲルディンは言いました。
米 ウクライナには食べ物以外にも戦略輸出品があります。半導体製造工程でも利用される希ガスのネオンです。世界のネオンの約半分がウクライナから供給されているのです。 歴史を紐解きましょう。 ウクライナには元々オデッサを本拠とするIceblick社というソビエト時代からの希ガス製造会社がありネオン供給で世界最大シェアを誇っていたのですが、オレンジ革命が起きた2004年に会社の経営権が譲渡され(新欧米派が乗っ取った?)、新社長がネオンの値上げを要求したため世界にネオンのサプライショックが起きました。 このIceblick社は2016年に清算されており、モスクワの大学でも教鞭を取る前社長のVitaly Bondarenko氏(親ロ派?)がサプライヤーやエンジニアを引き連れて独立しオデッサに設立したCRYOIN社が現在ウクライナ最大のネオン製造会社となっています。 ウクライナには他にもマリウポリを本拠とするIngas社と、首都キーウを本拠とするUMG RT社というネオン製造会社もあります。 これらの会社の空気分離・ネオン精製工場ですがマリウポリ、ハリコフ、ザポリージャ、クリヴィー・リフ、オデッサあたりに分布しております。驚くほどロシア軍の足跡と一致しています。 小麦にせよネオンにせよ、ウクライナのCrown Jewelは首都キーウではなく南部の田舎町にあるのです。 ウクライナが親ロ派地域でこんな戦略物資を製造しているのであれば、それを押さえない手はないでしょう。当然これらの工場とエンジニアは最重要ターゲットなはずです(フェーズ4)。 願わくばオデッサのCRYOIN社本社は是非とも欲しいところです。 地政学的な意味でもオデッサは重要ターゲットでしょう。 半導体は産業の米と言われています。だとすればネオンを米に分類しても問題ないでしょうwww そう、この戦争は麦と米を巡る食糧戦争なのですww ところで、「麦」の観点からもオデッサは最重要ターゲットです。 ロシアの目的はウクライナの農業であると繰り返し指摘してきましたが、その目的を達成するには広大な領土を制圧する必要はありません。港さえ押さえてしまえば十分なのです。ウクライナの沿岸部をロシアの領土にしてしまえば、ウクライナが農産物を輸出しようとしても、ロシアに押さえられた港を使用せざるを得ません。 ロシアは穀物商社としてウクライナの農産物を取扱い、労せずして輸出を拡大できるのです。 オデッサまで攻略してしまえば、ウクライナの主要港はほぼほぼロシアの勢力圏になります。 プーチンは何十年かかろうがオデッサを攻略するまで絶対に諦めないでしょう。 浣腸痴態 今年の流行語対象は『緩衝地帯』でしょうか。この言葉を耳にしない日はありません。 力と力が衝突する地点には間にクッションを挟んで、大きな衝突が起きないように、また、互いの安全が保証されるように、この緩衝地帯が度々出現します。 ジョージアの南オセチア・アブハジアであったり、日本の北方領土なんかも近い存在かもしれませんね。 さて、上述のようにウクライナ南西部のオデッサが重要ターゲットであり、ロシアはオデッサに侵攻し、オデッサを支配したいと考えていると仮定しましょう。その場合「オデッサの支配を盤石のものとする」ためには「オデッサを盤石に支配する」だけでは不十分なのです。 被弾を恐れずに、勇気を振り絞り、ガードを固め顎を引き、さらにもう一歩深く相手の懐に踏み込みんだところに緩衝地帯を設定して初めてオデッサの支配が盤石のものとなるのです。 これはすなわちオデッサを飛び越えたウクライナ周辺領土、さらには、モルドバに戦火が飛び火する(戦線を拡大させる必要がある)ことを意味します。 モルドバ東部の親ロ派支配地域であるトランスニストリア。ここにタッチするまではロシア軍は西に進軍を続けるのではないかと思います。 願わくばモルドバ軍を押しのけ、トランスニストリアの西部の国境をもう一段押し込んだところに緩衝地帯を設定するのではないでしょうか? 多国籍キャバクラ「プーちん」錦糸町店 情報が錯綜しています。 残虐なチェチェン部隊がウクライナに進軍したと。 また、ナゴルノカラバフ戦争でもアゼルバイジャン側で投入されたシリア傭兵が、今度はロシア側で参戦するというニュースも出ています。 一方で、停戦協議も開かれ建設的な話し合いが持たれているとの嬉しいニュースも出てきました。 色んな情報が入り乱れ、判断に困る場合は相手の立場になって考えてみると状況が整理できるものです。 例えば皆さんが錦糸町に多国籍キャバクラ店「プーちん」をオープンしたとします。満を持しての開店でしたが、騙して連れてきたロシア人キャストのやる気がなく、イマイチ売上が伸びません。 そこで聡明なあなたは解決策を思いつきました。VANILLAに求人広告を出してシリア人キャストを雇おう! ここで考えてみてください。求人広告を出した直後に店閉めますか?? 求人とはお店のテコ入れのための打ち手であり、閉店の準備ではありません。 そう考えると停戦協議はシリア人傭兵の採用のための時間稼ぎであり、この段階で停戦する気なんてサラサラないというのが本質に近いのでは? ロシアは既に最大級の経済制裁を受けています。コストが確定したのであれば、今からロシア軍がやるべきことは売上(戦果)の最大化です。 やる気のないロシア人キャストのテコ入れにチェチェン人キャストのヘルプが入りました。続いてシリア人キャストの大量投入です。 さぁ過激なサービスが展開され一気に売上増に邁進でしょう。 全土制圧 ロシアの目的はウクライナ南部だけなのでしょうか? ロシア軍の配置・進軍を見るとプーチンはもっと大きな野心を持っているように見えます。すなわちキーウ・ハリコフも制圧し、あわよくばウクライナ全土を手中に収めようと(フェーズ5)。 もちろん死者数やロシア国内世論次第の部分もあるとは思いますが、ワーストケースシナリオとしてウクライナ全土がロシアの手に堕ちるまで犠牲を厭わず進撃のプーチンが続くという展開も想定せざるを得ません。。。 あまり想像したくありませんが、そうやってウクライナ人を国土から追い出して口減らしをして、より多くの農地・輸出農産物を確保した方が長期的にはロシア経済にプラスになってしまうのです。ホロドモール2.0。 思い返せば、イカサマ選挙でドネツク生まれのヤヌコヴィッチを大統領にし、ハリコフ合意でクリミア半島に25,000人のロシア兵を駐留可能にした2010年は、ロシアが干ばつに見舞われ小麦の輸出停止に追い込まれた年でもありました。 今回のウクライナ戦争は、ロシアの10年がかりの安全保障+農地強奪計画の最終章だと考えてしまうのは私の妄想でしょうか? 戦争は司令室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ ところで便利な時代になりましたね。 ウクライナにいる個人がリアルタイムで情報を発信してくれ、遠くの地にいながら現場の声が入ってきます。こんな戦争初めてですね。 毎日届けられるボグダンさんの強気コメント(ボグダガンダ)、大好きです。 強気と言えば駐日ウクライナ大使も精力的に動いてますね。親ロ派の鈴木貴子を刺し、自治体にはロシアとの姉妹都市断絶を要求するなど、狂犬っぷりを発揮しています。こういう凶暴な一面が垣間見えると『やはりウクライナ人もソビエト民だ』ということが確認できて、ソ連通の皆様は嬉しくなってしまうのではないでしょうか? フェーズX 焦土作戦 ここまでのお話はロシアの経済分析に基づいており、プーチンが経済合理性も考慮した上でウクライナ侵攻を決断したという前提に立っています。もしこの前提が間違っていたとしたら? すなわち、プーチンは経済合理性や輸出産業のことなんか全く気にしておらず、頭の中は安全保障に全振りしていて、ウクライナをNATOの手の及ばない軍事的中立地域にできればそれで満足と考えていたとしたら、すべての議論が吹っ飛びます。 ロシアには安全保障上の要求だけを即座に満たす悪魔のオプションがあります。 キーウを制圧した後ウクライナ人を追い出して、原爆を投下して核汚染してNATOも誰も入れない中立焦土地帯にしてしまえば良いのです(フェーズX)。 『ヒロシマ・フクシマ・ウクライナ』です。 SFチックなシナリオですが、今のプーチンや狂人ロシア人を見ているとこのオプションすら現実味を帯びてきたと思います。 原爆を投下した後に彼らはこう言うでしょう『ナチスが核兵器を使用したんだ』と。 ブレインウォッシュ脳 息を吸うようにウソをつきプロパガンダ・フェイクニュースを拡散するプーチンやロシア人に皆様辟易とされているのではないでしょうか? 見かねたAnonymousがロシアのテレビで戦地の映像を流したり、海外在住のロシア人が家族に電話をしたりしていますが、私に言わせればそんなことしても無駄です。 みなさんソビエト式ブレインウォッシングを知らないのですか??流行に乗り遅れてますよ!! ソビエト式のブレインウォッシングを受けると思考回路が逆になるのです。
話す前から結論は決まっているのです。 国家や自分にとって心地の良い主張だけが受け入れられ、その主張に導くための証拠がフェイクニュースや歴史修正といったプロパガンダによって捏造され、そうでない情報は脳にインプットされることなく遮断されるのです。 ソビエト民にとって証拠や論拠とは調べて検証するものではなく、創るものなのです。
プーチンやロシア大使やロシア人が息を吸うようにプロパガンダを拡散していますが、あれはポジショントークではないのです。 本当に脳みその中であのプロパガンダのシナリオだけが受け入れられ、それに反する情報は自動的に遮断されるのです。 それでもソビエト民のプロパガンダに楯突いてくるやつがいたらどうするか?? ジェノサイドして黙らせちゃうんです。 法治国家・口治国家・暴治国家 国際条約を無視し、人道回廊も気にせず、平気で戦争犯罪に手を染めるロシア軍を見て、日本の皆様は「何なんだこの無法者達は」と憤っていることでしょう。 ですが、旧ソ連歴の長い私に言わせれば「こいつらそんなもんです」。 旧ソ連圏にお住まいの方は経験があると思いますが、法律で定められたことが全く守られてなかったり、契約が履行されなかったりなんて日常の一部です。 賃貸契約に家賃や賃貸期間がきっちり定められていても大家が「家賃変えよう」と言いだせば突然家賃交渉が始まり、その場の口約束で決められた内容が契約に勝り、気に食わなければ大家がわめいて強制退去です。 ソビエト連邦とは、法や契約が社会を律する法治国家ではなく、成り行き的なその場の口約束で物事が動く口治国家であり、不都合が生じれば実力行使で現状変更をする暴治国家なのです。 ロシアと国境を接する日本人は是非肝に命じておいてください。
そーゆー人達が日本の北に1億人程住んでいるという現実を。 中国が律する新欧州秩序 今回のウクライナ戦争において各国のリーダーのなんと情けないことか。
目立ちたがりのエルドアン(土)は仕事をしました。 クルド人迫害の手を一旦緩め、ウクライナ情勢に尽力し、ロシア・ウクライナ両国外相会談までこぎつけたのです。 この会談により何かが決定したわけではありませんが、まずは合コンの幹事同士が顔を合わせて連絡先を交換した(外相同士が交渉のチャネルを持った)ことに意義があるのです。 さぁチャットが開始されました! 後はお互いメンツを集めて、予算を決めて、お店を選び、一次会→二次会→三次会→お持ち帰りです! ゼレンスキーとプーチンはベッドでどのような寝技を見せ合うのでしょうか? 舞台を用意することになるのは、おそらく「ホテルCOVID」の支配人、習近平(中)になるでしょう。 これから北北朝鮮として世界から孤立するロシアに技術とインフラと外貨をもたらす生命線である中国は、暴君プーチンの手綱を握れる唯一の存在ではないでしょうか? 21世紀の欧州秩序、ひいては、世界秩序を決める新ヤルタ会談の行く末は支配人習近平が握っているのです。 支配人は見極めているのです。中国の国益と世界秩序のバランスを取る絶妙なポイントを。 支配人は見極めているのです。交渉の表舞台に上がるべき絶妙なタイミングを。 安全保障 百年の計 先のナゴルノ・カラバフ戦争や今回のウクライナ戦争を見て思うのは、安全保障における意思決定は向こう百年の国家の命運を決めるという残酷な現実です。 コメディアン出身の大統領はロシアが許すはずもないロシア離れを強行し、結果、国土は焦土と化し、国民は難民となりました。肥沃な土壌と戦略物資の生産能力も奪われ、国家存亡の危機に直面しています。彼がすがったNATOは何もしてくれません。 これもゼレンスキー演じる喜劇の一部なのでしょうか? この惨状を安全保障戦略の失敗と断ずるか、民主主義国家ウクライナ設立の過程と捉えるか、評価を下す役割は未来の歴史学者に譲りましょう。 一躍時の人となったゼレンスキー大統領ですが、政界引退後は是非日本のテレビ番組にも出演して、そのコメディアンとしての実力を披露して頂きたいものです。 『ガキの使い 笑えないクリミア半島24時』なんていかがでしょうか? ゼレンスキー、アウト! 松本、ジェノサイド! |